タイトリストのドライバー「TSR2」「TSR3」「TSR4」が2022年9月30日に発売となります。
「TS(タイトリストスピード)」の3代目です。
過去、2018年「TS」、2020年「TSi」とリリースしてきました。
「TSR」シリーズの大きな特徴は、以下とおりです。
・空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピード向上。
・フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化
ラインアップは、以下の3タイプです。
・TSR2…飛距離性能と安定感のバランス
・TSR3…「SureFit® CG トラック」で弾道調節
・TSR4…ソール2カ所のウエイト調整で低スピン
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】
一方、テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)シリーズのドライバーを2月4日に発売しました。今話題沸騰のドライバーです。
今回はクラブのフェースにカーボンを採用したことで話題を集めています。
キャッチコピーは、『新しい“カーボンウッド時代”が始まる』です。テーラーメイドは1年前、2021年2月にSIM2(シムツー)ドライバを発売していました。前作のSIMの好評ぶりを受けての後継モデルでした。
ステルスの3種類ドライバーは以下の記事でご紹介しています。
ステルス、ステルスHD、ステルスプラスの違いとは?
試打レビューのご紹介はこちら
STEALTH(ステルス)の試打レビュー
今回は、「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。


「TSR2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーの特徴をまとめると以下の通りです。
テクノロジー | TSR2 | TSR3 | TSR4 |
マルチプラトー VFTデザイン | 〇 | 〇 | |
スピードリングVFTフェースデザイン |
〇 | ||
エアロスペース グレードチタン | 〇 | 〇 | 〇 |
進化したエアロダイナミクス | 〇 | 〇 | 〇 |
SufeFit 調整機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
「SureFit® CG トラック」による精密チューニング | 〇 | ||
スピン性能を最適化するウェイト調整機能 | 〇 |
次から順番に説明していきます
マルチプラトー VFTデザイン(TSR2・TSR4)
「TSR2」「TSR4」に採用されているフェースデザインのテクノロジーです。
この新しいデザインは、フェース内側全面の肉厚差を精密に設計し加工することで、高い反発力をフェースの広範囲で実現します。つまりオフセンターヒットしても、驚くほどの許容性とボールスピードをフェース全体で生み出すことができるのです。
エアロスペース グレードチタン
フェースに使用されている素材です。
TSRのフェースに使用されている素材は、NASAをはじめとする航空宇宙産業で採用されている希少なチタン素材です。採用理由はただ一つ、地球上で最も高いパフォーマンスをもつ素材であると考えるからです。強度、反発性、耐久性、すべての面で独自の特性を持ち、TSRドライバーの驚異的なスピードパフォーマンスを生み出す大きな原動力となっています。
進化したエアロダイナミクス
空気抵抗を抑えるクラブ形状のテクノロジーです。
タイトリスト スピードプロジェクトではそのスタート当初から、クラブスピードを向上させる重要な要素の一つとして“空気抵抗の低減“に取り組んできました。TSRメタルでは、ウェイトが格納されているソール後部の新しい”ボートテール”シェイプを含め、ヘッド全体のエアロダイナミクスを向上させ、スイング中の空気抵抗を抑えることに成功しています。
SufeFit 調整機能
ロフト角とライ角調整機能が付いています。いわゆるカチャカチャです。
よりフィットするドライバーは、より良いパフォーマンスを発揮します。SureFit調整機能は、フィッターにTSRの性能を個々のプレーヤーのニーズにピッタリと合わせる柔軟性を与え、より純粋で安定したコンタクトをサポートします。
(出典:タイトリスト公式HPより)
「STEALTH」ドライバーの特徴をご紹介
「STEALTH」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・ナノテクスチャーPUカバー
・高慣性モーメント化
・イナーシャ ジェネレーター

60層のカーボンフェース
今回の最大の特徴です。フェースが金属からカーボンになりました。
フェースの軽量化を始め、さまざまな改良が施されています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」はチタンの43gから24gとなり、チタンフェースと比べて40% ¹の軽量化に成功。その一方で、SIMドライバーよりもフェース面積を20% 拡大させ、寛容性を強化した。複雑な構造からなる60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立し、新次元のエネルギー伝達をもたらす。その結果、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現する。
¹ 同サイズのチタンニウムフェース比較(当社調べ)
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面に特殊なコーティングを施しています。これにより最適なスピン量を可能にします。
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことで、どうような状況下においても最適なスピン量を可能にし、飛距離を生み出す。
高慣性モーメント化
カーボンフェースによる軽量化で、軽くなった分の重量を配分し低・深重心化を図っています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」によりヘッドの軽量化に成功。その余剰重量をヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化を実現し、高慣性モーメント化による寛容性向上を実現する。
イナーシャ ジェネレーター
テーラーメイドのアイデンティティでもあるドライバー形状の特徴です。SIM2にも搭載しています。
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性アップに貢献。さらに、フェース面の拡大により、寛容性を高めながらも空気抵抗を減少させ、ダウンスイングのスピードアップを実現する。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打ってしまったミスヒットにおいても無駄なスピンを抑えてボール初速維持に貢献。
出典:テーラーメイド公式HP
「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「TSR2」ドライバー
驚異のスピードと安定性
タイトリスト史上最高のスピード性能と弾道安定性を追求しながら、多くのツアープレーヤーが認める、さらに美しく安心感溢れるシェイプへと進化。飛距離と許容性の完璧なバランス、高打ち出し、低スピン、そしてスピード性能を究め、ティショットのパフォーマンスをかつてないほど引き上げます。
「STEALTH」ドライバー
ようこそ、カーボンウッドの時代へ
「TSR2」ドライバーは、許容性とスピード性能が特徴です。
一方、「STEALTH」ドライバーは何といっても「カーボンフェース」です。


デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「TSR2」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:タイトリスト公式HP
前作よりもすっきりシンプルになったように感じます。
そして、「STEALTH」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:テーラーメイド公式HP
赤と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。形状はSIM2と似ています。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「TSR2」ドライバーから、
出典:タイトリスト公式HP
黒のデザインにTSRのロゴがデザインされています。前作と同じようなデザインです。
そして「STEALTH」ドライバーです。
出典:テーラーメイド公式HP
上から見るとカーボンフェースの赤が際立っています。スッキリとしていてSIM2とはイメージが変わった印象です。
「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較
「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「TSR2」ドライバー | 「STEALTH」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 8.0,9.0,10.0,11.0 | 9.0,10.5,12.0 |
ライ角(°) | 58.5 | 56 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 303(SR) | 300(SR) |
シャフト重さ(g) | 52(SR) | 55(SR) |
シャフトトルク | 5.9 | 4.7 |
シャフト調子 | 先中調子 | 中調子 |
バランス | D3 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「TSR2」ドライバーは8度、9度、10度、11.0度、「STEALTH」ドライバーは9度、10.5度、12度が用意されています。両者とも調整機能があります。
TSRはロフト角8度があります。
ライ角
ライ角は違います。
「TSR2」ドライバーは58.5度です。「STEALTH」ドライバーは56度です。
ライ角の基本に従うと、「TSR2」ドライバーは相対的にフック軌道になりやすい、「STEALTH」ドライバーはスライス軌道になりやすい設定です。
クラブの重さ
クラブの重量は「TSR2」ドライバーは303g、「STEALTH」ドライバーは300gです。
クラブ重量は「TSR2」ドライバーの方が3g重いです。
シャフトの重量を見てみますと、「TSR2」ドライバーが52g、「STEALTH」ドライバーは55gとなっており、シャフトは「TSR2」ドライバーが3g軽いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
タイトリスト「TSR2」ドライバー:TSP111 50(SR)
テーラーメイド「STEALTH」ドライバー:TENSEI RED TM50(SR)
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「TSR2」ドライバーがD3、「STEALTH」ドライバーもD3となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは違いがあります。
「TSR2」ドライバーは5.9、「STEALTH」ドライバーは4.7となっています。
「TSR2」ドライバーの方が大きな値です。
つまり、相対的に「TSR2」ドライバーの方が安定性が高く、「STEALTH」ドライバーの方が操作性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「TSR2」ドライバーは先中調子、「STEALTH」ドライバーは中調子となっています。
「TSR2」は、ヘッドが走りやすくかつボールがつかまりやすい。「STEALTH」はタメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは同じです。
「TSR2」ドライバーはD3、「STEALTH」ドライバーもD3となっています。
まとめ ~「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバー~
「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「TSR2」ドライバーは、空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピードを向上、フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化。
・「STEALTH」ドライバーは、今回最大の特徴である「カーボンフェース」を採用し、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現。
・ライ角は「TSR2」ドライバーは58.5度で相対的にフック軌道になりやすく、「STEALTH」ドライバーは56度でスライス軌道になりやすい。
・クラブの総重量は、「TSR2」ドライバーの方が3g重い。シャフト重量は「TSR2」ドライバーの方が3g軽い。
・シャフトトルクは「TSR2」ドライバーは5.9で相対的に安定性が高い傾向、「STEALTH」ドライバーは4.6で相対的に操作性が高い傾向。
・バランスは「TSR2」ドライバーはD3、「STEALTH」ドライバーもD3で同じ。
以上のような特徴です。
ライ角とシャフトトルクに大きく特徴が表れています。
試打レビューもよかったらどうぞ
以上、「TSR2」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】

