タイトリストのドライバー「TSR2」「TSR3」「TSR4」が2022年9月30日に発売となりました。
「TS(タイトリストスピード)」の3代目です。
過去、2018年「TS」、2020年「TSi」とリリースしてきました。
「TSR」シリーズの大きな特徴は、以下とおりです。
・空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピード向上。
・フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化
ラインアップは、以下の3タイプです。
・TSR2…飛距離性能と安定感のバランス
・TSR3…「SureFit® CG トラック」で弾道調節
・TSR4…ソール2カ所のウエイト調整で低スピン
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】
一方で、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」とともに新しい「ゼクシオエックス」を2021年12月11日に発売しました。
前モデルの「ゼクシオエックス」は2019年12月7日発売です。アスリート志向ユーザー待望の“振り切れるゼクシオ”として誕生しました。約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオエックス」と「ゼクシオ12」の最大の特徴は「飛びの翼」です。また「ゼクシオエックス」は「シャフト脱着システム」を搭載しました。
兄弟モデルの「ゼクシオ12」との比較はこちらで紹介しています。
【ダンロップ2021年モデル】ゼクシオエックスとゼクシオ12の違いを比較解説
今回は、「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「TSR2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーの特徴をまとめると以下の通りです。
テクノロジー | TSR2 | TSR3 | TSR4 |
マルチプラトー VFTデザイン | 〇 | 〇 | |
スピードリングVFTフェースデザイン |
〇 | ||
エアロスペース グレードチタン | 〇 | 〇 | 〇 |
進化したエアロダイナミクス | 〇 | 〇 | 〇 |
SufeFit 調整機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
「SureFit® CG トラック」による精密チューニング | 〇 | ||
スピン性能を最適化するウェイト調整機能 | 〇 |
次から順番に説明していきます
マルチプラトー VFTデザイン(TSR2・TSR4)
「TSR2」「TSR4」に採用されているフェースデザインのテクノロジーです。
この新しいデザインは、フェース内側全面の肉厚差を精密に設計し加工することで、高い反発力をフェースの広範囲で実現します。つまりオフセンターヒットしても、驚くほどの許容性とボールスピードをフェース全体で生み出すことができるのです。
エアロスペース グレードチタン
フェースに使用されている素材です。
TSRのフェースに使用されている素材は、NASAをはじめとする航空宇宙産業で採用されている希少なチタン素材です。採用理由はただ一つ、地球上で最も高いパフォーマンスをもつ素材であると考えるからです。強度、反発性、耐久性、すべての面で独自の特性を持ち、TSRドライバーの驚異的なスピードパフォーマンスを生み出す大きな原動力となっています。
進化したエアロダイナミクス
空気抵抗を抑えるクラブ形状のテクノロジーです。
タイトリスト スピードプロジェクトではそのスタート当初から、クラブスピードを向上させる重要な要素の一つとして“空気抵抗の低減“に取り組んできました。TSRメタルでは、ウェイトが格納されているソール後部の新しい”ボートテール”シェイプを含め、ヘッド全体のエアロダイナミクスを向上させ、スイング中の空気抵抗を抑えることに成功しています。
SufeFit 調整機能
ロフト角とライ角調整機能が付いています。いわゆるカチャカチャです。
よりフィットするドライバーは、より良いパフォーマンスを発揮します。SureFit調整機能は、フィッターにTSRの性能を個々のプレーヤーのニーズにピッタリと合わせる柔軟性を与え、より純粋で安定したコンタクトをサポートします。
(出典:タイトリスト公式HPより)
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の特徴をご紹介
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の主な特徴をご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」、「リバウンドフレーム」、「シャフト脱着機能」の3つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。ゼクシオ12にも搭載されています。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
シャフト脱着システム
ゼクシオシリーズ初となるヘッド脱着機構を採用しています。
いわゆるカチャカチャです。スリクソンと共用だそうです。
これによりシャフトを選ぶことができ、フェース角・ライ角・ロフト角の調整も可能となっています。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「TSR2」ドライバー
驚異のスピードと安定性
タイトリスト史上最高のスピード性能と弾道安定性を追求しながら、多くのツアープレーヤーが認める、さらに美しく安心感溢れるシェイプへと進化。飛距離と許容性の完璧なバランス、高打ち出し、低スピン、そしてスピード性能を究め、ティショットのパフォーマンスをかつてないほど引き上げます。
「ゼクシオエックス」ドライバー
XXIOテクノロジーによる
飛距離性能と振り抜ける安心感が
大きな飛びと方向安定性を生み出すドライバー。
「TSR2」ドライバーは、許容性とスピード性能が特徴です。
一方、今回の「ゼクシオエックス」ドライバーのコンセプトは、振り抜きと安定性を追求したということがうかがえます。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「TSR2」ドライバーはこのようなデザインです。
前作よりもすっきりシンプルになったように感じます。
そして、次に「ゼクシオエックス」ドライバーです。
前作と同じ「X」のロゴが組み込まれています。前作のデザインを継承しているようにも感じます。コンセプトカラーは緑になりました。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「TSR2」ドライバーから、
黒のデザインにTSRのロゴがデザインされています。前作と同じようなデザインです。
そして「ゼクシオエックス」ドライバーです。
ネックの右側にあるのが「飛びの翼」です。ゼクシオエックスもゼクシオ12同様「飛びの翼」があります。
「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較
「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「TSR2」ドライバー | 「ゼクシオエックス」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 8.0,9.0,10.0,11.0 | 9.5,10.5 |
ライ角(°) | 58.5 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.5 |
クラブ重さ(g) | 303(SR) | 298(推定値) |
シャフト重さ(g) | 52(SR) | 44(SR) |
シャフトトルク | 5.9 | 5.8 |
シャフト調子 | 先中調子 | 中調子 |
バランス | D3 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「TSR2」ドライバーは8度、9度、10度、11.0度、「ゼクシオエックス」ドライバーは9.5度、10.5度が用意されています。両者とも調整機能があります。
TSRはロフト角8度、11度があります。
ライ角
ライ角は少し違います。
「TSR2」ドライバーは58.5度です。「ゼクシオエックス」ドライバーは59度です。
僅かな差ですが、ライ角の基本に従うと、「TSR2」ドライバーは相対的にスライス軌道になりやすい、「ゼクシオエックス」ドライバーはフック軌道になりやすい設定です。
クラブの重さ
クラブの重量は「TSR2」ドライバーは303g、「ゼクシオエックス」ドライバーは298g(推定値)です。
クラブ重量は「TSR2」ドライバーの方が5g重いです。
シャフトの重量を見てみますと、「TSR2」ドライバーが52g、「ゼクシオエックス」ドライバーは44gとなっており、シャフトは「TSR2」ドライバーが8g重いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
タイトリスト「TSR2」ドライバー:TSP111 50(SR)
ダンロップ「ゼクシオエックス」ドライバー:Miyazaki AX-2カーボンシャフト(SR)
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「TSR2」ドライバーがD3、「ゼクシオエックス」ドライバーもD3となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは違いがあります。
「TSR2」ドライバーは5.9、「ゼクシオエックス」ドライバーは5.8となっています。
「TSR2」ドライバーの方が大きな値です。
僅かな差ですが、相対的に「TSR2」ドライバーの方が安定性が高く、「ゼクシオエックス」ドライバーの方が操作性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「TSR2」ドライバーは先中調子、「ゼクシオエックス」ドライバーは中調子となっています。
「TSR2」の方がヘッドが走りやすくかつ、ボールがつかまりやすい。「ゼクシオエックス」はタメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは同じです。
「TSR2」ドライバーはD3、「ゼクシオエックス」ドライバーもD3となっています。
まとめ ~「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバー~
「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「TSR2」ドライバーは、空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピードを向上、フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化。
・「ゼクシオエックス」ドライバーは、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらに、スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角は「TSR2」ドライバー58.5度、「ゼクシオエックス」ドライバーは59度でほぼ同じ。
・クラブの総重量は、「TSR2」ドライバーの方が5g重い。シャフト重量は「TSR2」ドライバーの方が8g重い。
・シャフトトルクは「TSR2」ドライバーは5.9、「ゼクシオエックス」ドライバーは5.8でほぼ同じ。
・バランスは、「TSR2」ドライバーはD3、「ゼクシオエックス」ドライバーもD3で同じ。
以上のような特徴です。
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以上、「TSR2」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】