テーラーメイドは、「ハイ・トウ ウェッジ」シリーズの3代目「ハイ・トウ 3 ウェッジ」を2022年9月に発売しました。
ヘッドにはフェースのトウ側を高くした「ハイ・トウ デザイン」。キャビティ部分には形状を改良した2つの溝を搭載。「HI-TOE」とモデル名が刻印されている部分に厚みを持たせることでヘッドの高重心化を実現し、低い打ち出しでスピンがかかりやすい設計になっています。
シャフトは、ダイナミックゴールド (S200)とKBS HI-REV 2.0(ウェッジフレックス)の2種類が用意されています。
ソール形状は、スタンダードバウンス(SB)、ローバウンス(LB)、ハイバウンス(HB)の3タイプです。
今回は「ハイ・トウ 3 」ウェッジのSB・LB・HBの違いを比較をします。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「ハイ・トウ3」ウェッジのコンセプト
「ハイ・トウ3」ウェッジは以下のようなコンセプトとなっています。
全てのショットをカバーする、HI-TOE 3
ショートゲームのカギとなるものは何だろうか?それは想像力と適応力だ。グリーン周りで必要な様々なショットを思い描く”想像力”と、それを実現するためのクラブやスキルが必要だ。新たに発売する「HI-TOE 3 ウェッジ」は狙い通りのショットをカバーする、全方位型ウェッジ。HI-TOE 3を手にショートゲームを極めよう。
すべてのショットをカバーするというテーラーメイドの自信を覗かせています。
「ハイ・トウ3」ウェッジの特徴
「ハイ・トウ3」ウェッジの売りとなるテクノロジーを見ていきましょう。
HI-TOEデザインで、精度の高いショットを
ウェッジの名前にもなっている形状の特徴です。
精度の高いショットを実現するため、HI-TOEシリーズの特徴的な「ハイ・トウ デザイン」を採用。従来のウェッジと比較し、ヘッド重心を高めることで「低い打出し」と「さらなるバックスピン量」を確保し、高い精度のコントロール性能とフルスイング時の適切なスピン量を可能にする。
詳細な説明は以下の通りです。
ハイ・トウ デザイン
精度の高いショットを実現するため、より低い打ち出しと高いバックスピン量を可能にするHI-TOEシリーズならではの「ハイ・トウ デザイン」を採用。今回のHI-TOE 3では、フェーストウ側の高さ*をより高い66mmに設計。また、フェースのトウ部分に肉厚を持たせた「ウェイト パッド」により、重心位置がフェース中央に近づき、打ち出しとスピン量をさらに最適化する。また、心地よい打感も実現する。
確かにちょっと縦に長い形をしています。
グリーン周りでの強い味方
グリーン周りのトリッキーなショット、巧みなタッチ、どんな状況でも適応可能な信頼できるウェッジが必要だ。HI-TOE 3では、世界で活躍するツアープロたちにより支持されている「フルスコアライン」と「レイズドマイクロリブ」を搭載。フェース面のスコアラインをフルライン(54°~60°)にしたことで、ロブショットやバンカーショットなどフェースを開く場面においてもグルーブがボールをとらえて安定したスピン性能を発揮する。
フルスコアラインとは、スコアライン(溝)をフェース全面に配していることです。
レイズドマイクロリブとは、フェースのバー状の突起です。スイングスピードが速くないグリーン周りでのショット時のバックスピン量がアップし、より高い精度でのショットが可能となります。
全方位型ウェッジなら、HI-TOE 3
テーラーメイドのウェッジ史上、最も多様性の高いウェッジの1つ。ソールには「4ウェイ」デザインのキャンバーソール形状を採用。それにより、低めのリーディングエッジとワイドソールを兼ね備えることを可能とし、様々なライとコンディションに対応しながら最適な性能を発揮する。
「4ウェイ」とは「キャンバーソール形状」とほぼ同じ意味です。ソール中央に頂点がくるように丸くデザインされたソールです。幅が狭くても深く潜りにくいという特性があります。(これをキャンバーソールといいます)。
軟らかい地面の場合は有効ですが、硬いとヘッドの加速を強く感じすぎる(跳ねる)と感じることもあります。
(出典:テーラーメイド公式HPより)
「ハイ・トウ3」ウェッジのデザイン
「ハイ・トウ3」ウェッジはこのようなデザインです。
ハイ・トウ形状に特徴があります。ノーメッキもよくスピンがかかりそうです。
「ハイ・トウ3」ウェッジのタイプ別のスペックを比較
「ハイ・トウ3」ウェッジの3タイプを比較してみます。
3タイプのラインナップ
「ハイ・トウ3」ウェッジは
SB(スタンダード バウンス)、LB(ロー バウンス)、HB(ハイ バウンス)の3種類のバウンスを設定しています。
スイングスタイルやプレー状況に応じて、芝の上でのクラブの滑りを最適化した設計が施されています。
タイプ | 特徴 |
SB | 状況に応じてフェース開閉したいプレーヤーに適したバウンス。 |
LB | フェースを開いて使うことが多いプレーヤーに適したバウンス。 |
HB | フェースは開かず閉じたままインパクトしたいプレーヤーに適したバウンス。 |
一般的に、滑ってくれるバウンス効果が高いとやさしいウェッジと言われます。
バウンス効果を得るなら「HB」、フェースを開いて球を操作するなら「LB」という選び方もできそうです。
次から詳しくスペックを比較していきます。
ロフト角とバウンス角
まずはウェッジにおいて注目されるロフト角とバウンス角のラインナップをまとめてみます。
ラインナップのサマリー
タイプ | SB | LB | HB |
ロフト角(°) | 50~60 | 58,60 | 58,60 |
バウンス角(°) | 9,10 | 7 | 13 |
SBは6種類、LBとHBは2種類ラインナップされています。
細かいラインナップは以下のとおりです。
比較的わかりやすいラインナップです。
各タイプの数値はバウンス角です。
ロフト角(°) | SB | LB | HB |
50 | 9 | ||
52 | 10 | ||
54 | 10 | ||
56 | 10 | ||
58 | 10 | 7 | 13 |
60 | 10 | 7 | 13 |
では次に、すべてのタイプのラインナップがある58度のスペックを比較してみます。
58度のスペック比較
58度のウェッジのスペックを比較してみたいと思います。
シャフトについては、以下のもので比較します。
・「KBS HI-REV 2.0 」
項目 | SB | LB | HB |
---|---|---|---|
ロフト角(°) | 58 | 58 | 58 |
バウンス角(°) | 10 | 7 | 13 |
ライ角(°) | 64 | 64 | 64 |
クラブ長さ(インチ) | 35 | 35 | 35 |
クラブ重さ(g) | 約468 | 約468 | 約468 |
シャフト重さ(g) | 115 | 115 | 115 |
シャフト調子 | 先調子 | 先調子 | 先調子 |
フェースプログレッション | 不明 | 不明 | 不明 |
バランス | D5 | D5 | D5 |
カタログ数値上は、バウンス角以外は共通スペックです。
バウンス角
「SB」は10度
「LB」は7度
「HB」は13度
「HB」はハイバウンス、「LB」はローバウンスです。
3度刻みの設定です。
ライ角
ライ角は64度で3タイプ共通です。
クラブの重さ
クラブの重量は約468gです。
シャフトは115gです。
以下のシャフトです。
・KBS HI-REV 2.0
2種類のシャフトがあります。
SHAFT | フレックス | シャフト重量(g) | トルク (°) | キックポイント | |
---|---|---|---|---|---|
Dynamic Gold [HT LABEL] (S200) | S200 | 129g | 1.7 | 元 | |
KBS HI-REV 2.0 (WEDGE FLEX) | WEDGE FLEX | 115g | 1.3 | 先 |
シャフト調子
シャフト調子は先調子です。
先調子は、ヘッドが走りやすくボールがつかまりやすい設定です。
Dynamic Goldシャフトの方は元調子です。
フェースプログレッション
フェースプログレッションは、公式HPにはありませんが、5.0との情報があります。
傾向としてはやや小さめです。
バランス
バランスはD5で共通です。
ウエッジは一般的にヘッドを重く感じる設定です。
まとめ ~テーラーメイド「ハイ・トウ3」ウェッジ~
今回は、テーラーメイド「ハイ・トウ3」ウェッジの3タイプを比較してみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・テーラーメイド「ハイ・トウ3」はSB・LB・HBの3タイプを用意。
・ライ角は64度、バランスはD5で同じ。
・ロフト角、バウンス角別にSBは6種類、LBとHBは2種類のラインナップ。
・バウンス効果を得るなら「HB」、フェースを開いて球を操作するなら「LB」。
以上のような特徴ですが、実際に打ってみて自分に合っているかどうか、クラブを気に入るかどうかということが最も大切ですね。
強烈スピンがかかるという「ハイ・トウ3」ウェッジ。あるランキングではウェッジ総合性能1位という調査結果もあります。
ぜひ試打してみたいですね。
以上、テーラーメイド「ハイ・トウ3」ウェッジについてまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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