スリクソンは「スリクソン ZX Mk II シリーズ」のドライバーを2022年11月19日に発売しました。
2020年に発売した「スリクソン ZXシリーズ」の後継となります。
フルチタン構造「シームレス」とエッジをさらに丸く、厚くした「エッジレス」なヘッドによるスムーズで大きなたわみが衝撃のインパクトを生み出し、驚異のボールスピードを実現しています。
「ZXシリーズ」ドライバーは、2021年の「マスターズ」を制覇した松山英樹選手が使用していることで有名です。
今作は2代目「Mk II(マークツー)」となりました。
ヘッドは「ZX5 Mk II」「ZX5 Mk II LS」「ZX7 Mk II」の3タイプです。
・ZX5 Mk II…大きな飛距離と寛容性
・ZX5 Mk II LS…低スピンの強弾道
・ZX7 Mk II…大きな飛距離と操作性
試打レビュー・感想はこちら
「ZX5 Mk II」「ZX5 Mk II LS」「ZX7 Mk II」ドライバーの試打レビュー・感想
一方、テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)シリーズのドライバーを2月4日に発売しました。話題沸騰のドライバーです。
今回はクラブのフェースにカーボンを採用したことで話題を集めています。
キャッチコピーは、『新しい“カーボンウッド時代”が始まる』です。テーラーメイドは1年前、2021年2月にSIM2(シムツー)ドライバを発売していました。前作のSIMの好評ぶりを受けての後継モデルでした。
ステルスの3種類ドライバーは以下の記事でご紹介しています。
ステルス、ステルスHD、ステルスプラスの違いとは?
試打レビューのご紹介はこちら
STEALTH(ステルス)の試打レビュー
今回は、標準的モデルの「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「ZX5 Mk II」ドライバーの特徴をご紹介
「ZX5 Mk II」ドライバーの特徴を説明していきます
進化した「REBOUND FRAME Mk II」
剛性の低いエリアと高いエリアを交互に配置し、反発力を向上しています。
きなたわみを生み出す「FLEX ZONE(剛性の低いエリア)」とパワーを逃さず、しっかりと受け止める「RIGID ZONE(剛性の高いエリア)」を交互に配置することで、反発性能が大きく向上し、驚異のボールスピードを実現。
フルチタン構造による効果
接合部がない「シームレス」構造により、高反発エリアが110%拡大しました。
フルチタン構造により接合部がない「シームレス」を実現
高慣性モーメントと低重心化により寛容性を実現
強度を維持しながらクラウン全体を薄肉化し、
生み出した余剰重量を最適配分することで、
高慣性モーメントと低重心設計を可能にし、寛容性を実現。
進化した反発性能
軽比重・高強度・高弾性チタン「Super-TIX® 51AF」を採用し、
インパクト時に大きなたわみを生み出す薄肉フェース。
従来モデルから中央部をさらに薄くすることでたわみが進化。
(出典:ダンロップ公式HP)
「STEALTH」ドライバーの特徴をご紹介
「STEALTH」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・ナノテクスチャーPUカバー
・高慣性モーメント化
・イナーシャ ジェネレーター

60層のカーボンフェース
今回の最大の特徴です。フェースが金属からカーボンになりました。
フェースの軽量化を始め、さまざまな改良が施されています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」はチタンの43gから24gとなり、チタンフェースと比べて40% ¹の軽量化に成功。その一方で、SIMドライバーよりもフェース面積を20% 拡大させ、寛容性を強化した。複雑な構造からなる60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立し、新次元のエネルギー伝達をもたらす。その結果、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現する。
¹ 同サイズのチタンニウムフェース比較(当社調べ)
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面に特殊なコーティングを施しています。これにより最適なスピン量を可能にします。
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことで、どうような状況下においても最適なスピン量を可能にし、飛距離を生み出す。
高慣性モーメント化
カーボンフェースによる軽量化で、軽くなった分の重量を配分し低・深重心化を図っています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」によりヘッドの軽量化に成功。その余剰重量をヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化を実現し、高慣性モーメント化による寛容性向上を実現する。
イナーシャ ジェネレーター
テーラーメイドのアイデンティティでもあるドライバー形状の特徴です。SIM2にも搭載しています。
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性アップに貢献。さらに、フェース面の拡大により、寛容性を高めながらも空気抵抗を減少させ、ダウンスイングのスピードアップを実現する。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打ってしまったミスヒットにおいても無駄なスピンを抑えてボール初速維持に貢献。
(出典:テーラーメイド公式HP)
「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「ZX5 Mk II」ドライバー
フルチタン構造だからこそ実現できた「REBOUND FRAME Mk II」がスリクソン史上最大のボールスピードを実現。
大きな飛距離と寛容性を兼ね備えたZX5 Mk II ドライバー。
「STEALTH」ドライバー
ようこそ、カーボンウッドの時代へ
「ZX5 Mk II」ドライバーは「REBOUND FRAME Mk II」によるボールスピード、大きな飛距離と寛容性を特徴としています。
一方、「STEALTH」ドライバーは何といっても「カーボンフェース」です。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「ZX5 Mk II」ドライバーはこのようなデザインです。
全体的なイメージや形状は前作を承継しています。
カラーがシルバーのデザインになりました。Mk IIのロゴが見えます。
そして、「STEALTH」ドライバーはこのようなデザインです。
赤と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。形状はSIM2と似ています。
上から見たヘッドの形状
まずは「ZX5 Mk II」ドライバーから、
黒を基調としたシンプルなデザインです。
そして「STEALTH」ドライバーです。
上から見るとカーボンフェースの赤が際立っています。スッキリとしていてSIM2とはイメージが変わった印象です。
「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較
「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「ZX5 Mk II」ドライバー | 「STEALTH」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.5,10.5 | 9.0,10.5,12.0 |
ライ角(°) | 58.5 | 56 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.25 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 300(SR) | 300(SR) |
シャフト重さ(g) | 47(SR) | 55(SR) |
シャフトトルク | 5.9 | 4.7 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D2 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「ZX5 Mk II」ドライバーは9.5度、10.5度、「STEALTH」ドライバーは9.0度、10.5度、12.0度が用意されています。
両者とも調整機能があります。
ライ角
ライ角は違います。
「ZX5 Mk II」ドライバーは58.5度です。「STEALTH」ドライバーは56度です。
ライ角の基本に従うと「ZX5 Mk II」ドライバーは相対的にフック軌道になりやすい、「STEALTH」ドライバーはスライス軌道になりやすい設定です。
クラブの重さ
クラブの重量は「ZX5 Mk II」ドライバーは300g、「STEALTH」ドライバーも300gです。
クラブ重量は同じです。
シャフトの重量は「ZX5 Mk II」ドライバーが47g、「STEALTH」ドライバーは55gで、「ZX5 Mk II」ドライバーの方が8g軽いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
スリクソン「ZX5 Mk II」ドライバー:Diamana ZX-II50(SR)
テーラーメイド「STEALTH」ドライバー:TENSEI RED TM50(SR)
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「ZX5 Mk II」ドライバーがD2、「STEALTH」ドライバーはD3となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは違います。
「ZX5 Mk II」ドライバーは5.9、「STEALTH」ドライバーは4.7となっています。
相対的に「ZX5 Mk II」ドライバーの方が安定性が高く、「STEALTH」ドライバーの方が操作性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「ZX5 Mk II」ドライバー、「STEALTH」ドライバーともに中調子となっています。
タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは違いがあります。
「ZX5 Mk II」ドライバーはD2、「STEALTH」ドライバーはD3となっています。
ヘッドを重く感じるのは、「STEALTH」ドライバーの方と言えそうです。
まとめ ~「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバー~
「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「ZX5 Mk II」ドライバーは、フルチタン構造「シームレス」とエッジをさらに丸く、厚くした「エッジレス」なヘッドによるスムーズで大きなたわみが衝撃のインパクトを生み出し、驚異のボールスピードを実現。
・「STEALTH」ドライバーは、今回最大の特徴である「カーボンフェース」を採用し、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現。
・ライ角は「ZX5 Mk II」ドライバーは、58.5度でフック軌道になりやすい、「STEALTH」ドライバーは56度でスライス軌道になりやすい。
・クラブの総重量は同じ。シャフト重量は「ZX5 Mk II」ドライバーの方が8g軽い。
・シャフトトルクは「ZX5 Mk II」ドライバーは5.9で相対的に安定性が高い傾向、「STEALTH」ドライバーは4.7で相対的に操作性が高い傾向。
・バランスは「ZX5 Mk II」ドライバーはD2、「STEALTH」ドライバーはD3で、「STEALTH」ドライバーの方がヘッドを重く感じる。
以上のような特徴です。
以上、「ZX5 Mk II」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
試打してきましたのでよかったらこちらの記事をどうぞ。
「ZX5 Mk II」「ZX5 Mk II LS」「ZX7 Mk II」ドライバーの試打レビュー・感想
ここまでお読みいただきありがとうございました。
【ドライバー比較】ZX5MkII、ZX5MkII LS、ZX7MkIIの違いとは?