キャロウェイゴルフは2023年の最新モデルとなる「PARADYM」(パラダイム)シリーズのドライバーを2023年2月下旬から発売すると発表しました。
「PARADYM」は「Paradigm shift(パラダイムシフト)」に由来しています。
それまで当然と考えられていた「飛距離とやさしさのどちらかを犠牲にする時代の終わり」を意味することからが付けられたネーミングです。
業界初の360°カーボンシャーシが余剰重量を再配分し、フェース側ではスピードを、ソール後方部ではやさしさを最大化。爆発的な飛距離を実現し、さらに着弾範囲のバラつきを約15%抑制したとのことです。
ヘッドのラインナップは以下の4種類です
パラダイム | 飛びとやさしさのスタンダードモデル |
パラダイムX | やさしさとつかまり重視モデル |
パラダイムMAX FAST(マックスファクト) | つかまる軽量モデル |
パラダイム♦♦♦(トリプルダイヤモンド) | アスリート向けモデル |
パラダイムドライバーをやさしく簡単に解説【パラダイム、X、MAX FAST、トリプルダイヤモンドの違い】
一方、タイトリストのドライバー「TSR2」「TSR3」「TSR4」が2022年9月30日に発売となりました。
「TS(タイトリストスピード)」の3代目です。
過去、2018年「TS」、2020年「TSi」とリリースしてきました。
「TSR」シリーズの大きな特徴は、以下とおりです。
・空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピード向上。
・フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化
ラインアップは、以下の3タイプです。
・TSR2…飛距離性能と安定感のバランス
・TSR3…「SureFit® CG トラック」で弾道調節
・TSR4…ソール2カ所のウエイト調整で低スピン
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】
今回は、スタンダードモデルの「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーの2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「パラダイム」ドライバーの特徴をご紹介
主な特徴は以下の5つです。
・約25%軽量化され、スリムになったJAILBREAKテクノロジー
・新しいAI FLASHフェースが、前後左右のバラつきを補正
・約13.5gのペリメーターウェイトなどで前作以上の慣性モーメント
・オーソドックスで構えやすい、洋ナシ型に近いフォルム
業界初※360°カーボンシャーシが起こしたパラダイムシフト
ヘッドの中間部分(シャーシ)がカーボンになり大幅に軽量化しました。
「まさに名前のとおりのパラダイムシフトを起こしたと言えるのが、業界初の360°カーボンシャーシです。ヘッドの中間部分のうち、クラウン側をトライアクシャルカーボン、ソール側をフォージドカーボンで構成し、金属部分を完全に排除。これにより従来では考えられなかったほどの軽量化と余剰重量の創出が達成され、飛距離性能とやさしさを極限まで妥協することなく最大化することが可能となりました。中間部の軽量化は、すべてチタンにした場合と比較して、じつに約44%にも上ります。※特許申請中
約25%軽量化され、スリムになったJAILBREAKテクノロジー
どこ当たっても飛ぶ「JAILBREAKテクノロジー」も新しくなって軽量化しました。
ヘッド前方部では、最大限の飛距離性能を追い求めるべく、よりボールスピードを高めることのできる最適な形状をAIが設計。その結果として導かれたのが、フェースカップ構造、よりスリムな形状となったJAILBREAKテクノロジーでした。フェースカップは、新しいJAILBREAKテクノロジーの効果も手伝って、フェースの際までたわませることが可能。一方でJAILBREAKテクノロジーは、前作のJAILBREAK AI SPEED FRAMEよりも約25%軽量になりながら、ボディの剛性バランスをしっかりと維持し、フェース全体でボールスピードを向上させることに貢献しています。
新しいAI FLASHフェースが、前後左右のバラつきを補正
AI設計のフェースも一新しています。
AI FLASHフェースも、さらに複雑な演算を行わせたことで大きく進化を果たしました。今回は、飛びの3要素に加え、ボール着弾地点の範囲を小さくすることも考慮した新たなアルゴリズムによって、AIが設計開発。打点などがずれても、フェースが狙ったターゲットへと飛んでいく弾道に補正します。キャロウェイゴルフのテストでは、着弾範囲のバラつきを約15%も抑制*したことが確認できています。もちろん、AIの設計はモデル別に行われておりターゲットにあった性能が発揮されるように設計されています。
*テストレンジでROGUE ST MAXドライバーとPARADYMをプレーヤーテストし、PARADYMの着弾範囲(楕円面積)が約15%縮小した結果に基づくもちろん、AIの設計はモデル別に行われています。
約13.5gのペリメーターウェイトなどで前作以上の慣性モーメント
スタンダードモデルの「PARADYMドライバー」では、ヘッド後部に約13.5gのペリメーターウェイトを搭載したことなどもあり、前作よりも慣性モーメントが大きくアップしています。もちろん、ペリメーターウェイトの位置調整により、弾道を好みのものへとチューニングすることもできます。
オーソドックスで構えやすい、洋ナシ型に近いフォルム
「PARADYMドライバー」のヘッドは、ROGUE ST MAXドライバーよりもやや洋ナシ型でオーソドックスに近い、とても構えやすい形状となっています。ロフト設定は、9度、10.5度、12度の3種類。アジャスタブルホーゼルを採用しているため、ロフト角、ライ角を調整することもできます。
(出典:キャロウェイ公式HP)
「TSR2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーの特徴をまとめると以下の通りです。
テクノロジー | TSR2 | TSR3 | TSR4 |
マルチプラトー VFTデザイン | 〇 | 〇 | |
スピードリングVFTフェースデザイン |
〇 | ||
エアロスペース グレードチタン | 〇 | 〇 | 〇 |
進化したエアロダイナミクス | 〇 | 〇 | 〇 |
SufeFit 調整機能 | 〇 | 〇 | 〇 |
「SureFit® CG トラック」による精密チューニング | 〇 | ||
スピン性能を最適化するウェイト調整機能 | 〇 |
次から順番に説明していきます
マルチプラトー VFTデザイン(TSR2・TSR4)
「TSR2」「TSR4」に採用されているフェースデザインのテクノロジーです。
この新しいデザインは、フェース内側全面の肉厚差を精密に設計し加工することで、高い反発力をフェースの広範囲で実現します。つまりオフセンターヒットしても、驚くほどの許容性とボールスピードをフェース全体で生み出すことができるのです。
エアロスペース グレードチタン
フェースに使用されている素材です。
TSRのフェースに使用されている素材は、NASAをはじめとする航空宇宙産業で採用されている希少なチタン素材です。採用理由はただ一つ、地球上で最も高いパフォーマンスをもつ素材であると考えるからです。強度、反発性、耐久性、すべての面で独自の特性を持ち、TSRドライバーの驚異的なスピードパフォーマンスを生み出す大きな原動力となっています。
進化したエアロダイナミクス
空気抵抗を抑えるクラブ形状のテクノロジーです。
タイトリスト スピードプロジェクトではそのスタート当初から、クラブスピードを向上させる重要な要素の一つとして“空気抵抗の低減“に取り組んできました。TSRメタルでは、ウェイトが格納されているソール後部の新しい”ボートテール”シェイプを含め、ヘッド全体のエアロダイナミクスを向上させ、スイング中の空気抵抗を抑えることに成功しています。
SufeFit 調整機能
ロフト角とライ角調整機能が付いています。いわゆるカチャカチャです。
よりフィットするドライバーは、より良いパフォーマンスを発揮します。SureFit調整機能は、フィッターにTSRの性能を個々のプレーヤーのニーズにピッタリと合わせる柔軟性を与え、より純粋で安定したコンタクトをサポートします。
(出典:タイトリスト公式HPより)
「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーの比較
クラブのコンセプト比較
「パラダイム」ドライバー
飛びとやさしさの妥協なき融合
時代を変革するスタンダードモデル
「TSR2」ドライバー
驚異のスピードと安定性
タイトリスト史上最高のスピード性能と弾道安定性を追求しながら、多くのツアープレーヤーが認める、さらに美しく安心感溢れるシェイプへと進化。飛距離と許容性の完璧なバランス、高打ち出し、低スピン、そしてスピード性能を究め、ティショットのパフォーマンスをかつてないほど引き上げます。
「パラダイム」ドライバーは、飛びとやさしさの劇的変化(パラダイムシフト)です。
一方、「TSR2」ドライバーは、許容性とスピード性能が特徴です。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「パラダイム」ドライバーはこのようなデザインです。
青を基調とした高級感のあるデザインです。
そして、TSR2」ドライバーはこのようなデザインです。
前作よりもすっきりシンプルになったように感じます。
上から見たヘッドの形状
まずは「パラダイム」ドライバーから、
上からの視点も青系のカッコいいデザインです。
次に「TSR2」ドライバーです。
黒のデザインにTSRのロゴがデザインされています。前作と同じようなデザインです。
「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーのスペックを比較
「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「パラダイム」ドライバー | 「TSR2」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 8.0,9.0,10.0,11.0 |
ライ角(°) | 59 | 58.5 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.5 |
クラブ重さ(g) | 305(SR) | 303(SR) |
シャフト重さ(g) | 51(SR) | 52(SR) |
シャフトトルク | 4.7 | 5.9 |
シャフト調子 | 中調子 | 先中調子 |
バランス | D3.5 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「パラダイム」ドライバーは9.0度、10.5度、12.0度、「TSR2」ドライバーは8度、9度、10度、11度が用意されています。
両者とも調整機能があります。
ライ角
ライ角は少し違います。
「パラダイム」ドライバーは59度、「TSR2」ドライバーは58.5度です。
「パラダイム」ドライバーの方がアップライトで相対的にフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「パラダイム」ドライバーは305g、「TSR2」ドライバーは303gです。
クラブ重量は「パラダイム」ドライバーの方が2g重いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
シャフトの重さは、「パラダイム」ドライバーは51g、「TSR2」ドライバーは52gで、「パラダイム」ドライバーの方が1g軽いです。
キャロウェイ「パラダイム」ドライバー:VENTUS TR 5 for Callaway(SR)
タイトリスト「TSR2」ドライバー:TSP111 50(SR)
シャフトトルク
シャフトトルクは違います。
「パラダイム」ドライバーは4.7、「TSR2」ドライバーは5.9です。
相対的に「パラダイム」ドライバーの方が操作性が高い、「TSR2」ドライバーの方が安定性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「パラダイム」ドライバーは中調子、「TSR2」ドライバーは先中調子となっています。
中調子は、タメも作りやすくヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
先中調子は、ややヘッドが走りやすいセッティングです。
バランス
バランスは少し違いがあります。
「パラダイム」ドライバーはD3.5、「TSR2」ドライバーはD3です。
ヘッドを重く感じるのは、「パラダイム」ドライバーの方と言えそうです。
まとめ ~「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバー~
「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「パラダイム」ドライバーは「飛距離とやさしさのどちらかを犠牲にする時代の終わり」を意味するネーミング。業界初の360°カーボンシャーシが余剰重量を再配分し、フェース側ではスピードを、ソール後方部ではやさしさを最大化。爆発的な飛距離を実現し、着弾範囲のバラつきを約15%抑制
・「TSR2」ドライバーは、空気抵抗を減らす「ボートテール」形状によりヘッドスピードを向上、フェーステクノロジー「VFT(部分肉厚設計)」を採用し、ボール初速を最大化。
・ライ角は「パラダイム」ドライバーは59度、「TSR2」ドライバーは58.5度で「パラダイム」ドライバーの方が、アップライトで相対的にフック軌道になりやすい。
・クラブの総重量は「パラダイム」ドライバーの方が2g重い。シャフト重量は「パラダイム」ドライバーの方が1g軽い。
・シャフトトルクは「パラダイム」ドライバーは4.7で相対的に操作性が高い、「TSR2」ドライバーは5.9で相対的に安定性が高い。
・バランスは「パラダイム」ドライバーはD3.5、「TSR2」ドライバーはD3で、「パラダイム」ドライバーの方がヘッドを重く感じる。わずかな差
以上のような特徴です。
一度、試打して確かめてみたいですね。
以上、「パラダイム」ドライバーと「TSR2」ドライバーの違いをまとめてみました。
両者近しい数値ですが、シャフトトルクが大きく違う印象です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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