「タイトリスト」の軽量モデル「TSR1」ドライバーが、2023年2月23日に発売となります。
「TSR1 ドライバー」は、「TS1 ドライバー」(2019年)、「TSi1 ドライバー」(2021年)の後継で、ヘッドスピードの最大化とボール初速の加速を促す軽量モデルです。
今作は、ヘッドからグリップまでクラブ全体で軽量化し、先行の「TSR」シリーズ同様、空気抵抗を軽減するために改良された形状を採用。新たに振りやすさを追求した設計と、進化したエアロダイナミクス(空力)デザインで、高い打ち出し角と大きな飛距離を生みだします。
「TSR」シリーズのラインアップは、以下の4タイプです。
・TSR1…やさしさの軽量モデル
・TSR2…飛距離性能と安定感のバランス
・TSR3…「SureFit® CG トラック」で弾道調節
・TSR4…ソール2カ所のウエイト調整で低スピン
「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーをやさしく簡単に解説【2022年モデル】
一方で、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」を2021年12月11日に発売しています。前モデルの「ゼクシオ11(イレブン)ドライバー」は2019年12月7日発売から約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」の最大の特徴は「飛びの翼」です。この「飛びの翼」と呼ばれる「アクティブウイング」についても紹介していきます。
兄弟モデルの「ゼクシオエックス」との比較はこちらで紹介しています。
【ダンロップ2021年モデル】ゼクシオエックスとゼクシオ12の違いを比較解説
今回は、「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「TSR1」ドライバーの特徴をご紹介
「TSR1」「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーの特徴をまとめると以下の通りです。
イメージからすると「TSR2」の性能に軽量化をプラスした感じでしょうか。
テクノロジー | TSR1 | TSR2 | TSR3 | TSR4 |
ウルトラライトウェイト設計 | 〇 | |||
マルチプラトー VFTデザイン | 〇 | 〇 | 〇 | |
スピードリングVFTフェースデザイン |
〇 | |||
エアロスペース グレードチタン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
進化したエアロダイナミクス | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SufeFit 調整機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
「SureFit® CG トラック」による精密チューニング | 〇 | |||
スピン性能を最適化するウェイト調整機能 | 〇 |
次から順番に説明していきます。
ウルトラライトウェイト設計
クラブ全体で軽量化を図りました。
クラブ全体で軽量化を追求
ヘッド設計だけでなくグリップ、シャフトに至るすべての要素で軽量化を追求することでクラブスピードを高め、さらなる高弾道によって飛距離アップに導きます。
マルチプラトー VFTデザイン(TSR1・TSR2・TSR4)
「TSR2」「TSR4」に採用されているフェースデザインのテクノロジーです。
この新しいデザインは、フェース内側全面の肉厚差を精密に設計し加工することで、高い反発力をフェースの広範囲で実現します。つまりオフセンターヒットしても、驚くほどの許容性とボールスピードをフェース全体で生み出すことができるのです。
エアロスペース グレードチタン
フェースに使用されている素材です。
TSRのフェースに使用されている素材は、NASAをはじめとする航空宇宙産業で採用されている希少なチタン素材です。採用理由はただ一つ、地球上で最も高いパフォーマンスをもつ素材であると考えるからです。強度、反発性、耐久性、すべての面で独自の特性を持ち、TSRドライバーの驚異的なスピードパフォーマンスを生み出す大きな原動力となっています。
進化したエアロダイナミクス
空気抵抗を抑えるクラブ形状のテクノロジーです。
タイトリスト スピードプロジェクトではそのスタート当初から、クラブスピードを向上させる重要な要素の一つとして“空気抵抗の低減“に取り組んできました。TSRメタルでは、ウェイトが格納されているソール後部の新しい”ボートテール”シェイプを含め、ヘッド全体のエアロダイナミクスを向上させ、スイング中の空気抵抗を抑えることに成功しています。
SufeFit 調整機能
ロフト角とライ角調整機能が付いています。いわゆるカチャカチャです。
よりフィットするドライバーは、より良いパフォーマンスを発揮します。SureFit調整機能は、フィッターにTSRの性能を個々のプレーヤーのニーズにピッタリと合わせる柔軟性を与え、より純粋で安定したコンタクトをサポートします。
(出典:タイトリスト公式HPより)
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの特徴をご紹介
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの主な特徴をご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」と「リバウンドフレーム」の2つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー
その他にも、前作ゼクシオイレブンから搭載された「ウェイト・プラス・テクノロジー」をはじめ、「飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー」が数多く盛り込まれています。
前作の発売時、開発者は、この「ウェイト・プラス・テクノロジー」を「今回の核となる技術」と言っていました。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの比較
クラブのコンセプト比較
「TSR1」ドライバー
ライトウェイト設計が生み出す驚きのスピード
振りやすさを追求したライトウェイト設計と進化した空力デザインにより、クラブスピードを最大化。ボールスピードを加速させ、高い打ち出しと大きな飛距離を生み出します。より速いスイングスピードで飛距離を伸ばしたいプレーヤーのポテンシャルを引き出し、ベストスコア達成に貢献します。
「ゼクシオ12」ドライバー
やさしく振れて、クラブに任せて飛ばす
やさしく、高弾道で大きな飛び
ゼクシオ 12 ドライバー
「TSR1」ドライバーは、軽量モデルかつ高い許容性です。
一方、「ゼクシオ12」ドライバーは、高級素材によるプレミアム感の飛びとやさしさです。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「TSR1」ドライバーはこのようなデザインです。
先行の「TSR2」ととてもよく似ています。
そして「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインです。
シルバーを基調とした一目でゼクシオとわかるデザインです。前作の雰囲気を継承しているようにも感じます。
上から見たヘッドの形状
まずは「TSR1」ドライバーから、
黒のデザインにTSRのロゴがデザインされています。
こちらも「TSR2」とほぼ同じデザインのように見えます。
次に「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインです。
「飛びの翼」が見えます。こちらは前作ゼクシオイレブンとは大きく違っています。
「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーのスペックを比較
「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「R」のもの同士で比較します。
項目 | 「TSR1」ドライバー | 「ゼクシオ12」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.0,12.0 | 9.5,10.5,11.5 |
ライ角(°) | 58.5 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 269(R) | 282(R) |
シャフト重さ(g) | 45(R) | 36(R) |
シャフトトルク | 6.0 | 6.6 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D2 | D4 |
ロフト角
ロフト角は、「TSR1」ドライバーは9.0度、10度、12.0度、「ゼクシオ12」ドライバーは9.5度、10.5度、11.5度が用意されています。
両者とも調整機能があります。
ライ角
ライ角は少し違います。
「TSR1」ドライバーは58.5度、「ゼクシオ12」ドライバーは59度です。
僅かな差ですが、「TSR1」ドライバーの方がフラットライトで相対的にスライス軌道になりやすい設定です。
クラブの重さ
クラブの重量は「TSR1」ドライバーは269g、「ゼクシオ12」ドライバーは282gです。
クラブ重量は「TSR1」ドライバーの方が13g軽いです。
シャフトの重さは、「TSR1」ドライバーは45g、「ゼクシオ12」ドライバーは36gで、「TSR1」ドライバーの方が9g重いです
シャフトは以下のもので比較しています。
タイトリスト「TSR1」ドライバー:TSP120 50(R)
ダンロップ「ゼクシオ12」:MP1200 カーボンシャフト(R)
シャフトトルク
シャフトトルクは少し違います。
「TSR1」ドライバーは6.0、「ゼクシオ12」ドライバーは6.6です。
相対的に「TSR1」ドライバーの方が操作性が高い、「ゼクシオ12」ドライバーの方が安定性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「TSR1」ドライバーは中調子、「ゼクシオ12」ドライバーも中調子となっています。
中調子は、タメも作りやすくヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは違いがあります。
「TSR1」ドライバーはD2、「ゼクシオ12」ドライバーはD4です。
ヘッドを軽く感じるのは、「TSR1」ドライバーの方と言えそうです。
まとめ ~「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバー~
「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「TSR1」ドライバーは、ヘッドからグリップまでクラブ全体で軽量化。空気抵抗を軽減するために改良された形状を採用。新たに振りやすさを追求した設計と、進化したエアロダイナミクス(空力)デザインで、高い打ち出し角と大きな飛距離を生みだす。
・「ゼクシオ12(トゥエルブ)」は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらにスリクソン「ZXシリーズ」のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角は「TSR1」ドライバーは58.5度、「ゼクシオ12」ドライバーは59度で、相対的に「TSR1」ドライバーの方がスライス軌道になりやすいセッティング。わずかな差。
・クラブの総重量は「TSR1」ドライバーの方が13g軽い。シャフト重量は同じ。
・シャフトトルクは「TSR1」ドライバーは6.0で相対的に操作性が高い、「ゼクシオ12」ドライバーは6.6で相対的に安定性が高い。
・バランスは「TSR1」ドライバーはD2、「ゼクシオ12」ドライバーはD4で、「TSR1」ドライバーの方がヘッドを軽く感じる。
以上のような特徴です。
以上、「TSR1」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの違いをまとめてみました。
「ゼクシオ12」も軽量モデルとして知られますが、それよりも「TSR1」はかなり軽い印象です。両者ともシャフトトルクの数値は大きい方で安定性の高さがうかがえます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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