キャロウェイゴルフは2023年モデル「ビッグバーサ」シリーズのドライバーを2023年7月14日から発売すると発表しました。
今回の「ビッグバーサ」ドライバー(2023)は、スライサーのスイングに徹底的にフォーカスしたスライスキラー。
とにかくボールがつかまるようにするべく、ドローバイアスの度合いはPARADYM Xドライバー以上に設定しています。
安心感、安定感抜群のヘッドシェイプ、AILBREAKテクノロジーや、ビッグサイズに合わせて調整されたAI FLASHフェースが、高初速でストレートな飛びをやさしく実現します。
一方、キャロウェイの「ローグ ST」は2022年3月4日(一部モデルは2月25日)発売でした。
「ST」という名称は、「SPEED TUNE-UP(スピード・チューンアップ)」の頭文字です。ボールの初速アップを重点目標に開発されました。
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【ドライバー試打】ROGUE ST(ローグST)の試打レビュー
今回は、「ビッグバーサ」ドライバー (2023)と「ローグST」MAXドライバー(2022)の2モデルを比較してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「ビッグバーサ」ドライバー (2023)の特徴をご紹介
主な特徴は以下の4つです。
・モデル専用のX字型JAILBREAKテクノロジーを搭載
・AI FLASHフェースは、大きなフェースを考慮したものに
・PARADYM Xドライバー以上のドローバイアス
自信を持って振っていける、ビッグサイズのヘッド
アドレス時の安心感が増すビッグサイズヘッドです。
新しくなった「BIG BERTHAドライバー」は、スライスを防止し、さらにやさしく飛ばせる性能を実現するために、あらゆる部分がブラッシュアップされています。ヘッド形状では、構えたときのヘッドの投影面積が前作よりも拡大。しかも、このサイズアップをフェースの面積も増やしながら行っているところが特筆すべき点です。アドレス時の安心感やボールへの当てやすさは、驚異的とも言えるレベルです。
モデル専用のX字型JAILBREAKテクノロジーを搭載
どこに当たっても飛ぶJAILBREAKテクノロジーも進化しています。
テクノロジーでは、PARADAYMシリーズのドライバーで搭載されているものにも近いX字型を採用。クラウンとソールの無駄なたわみを抑制し、安定して驚異的なボールスピードを実現するだけでなく、AIの設計により、軽量化も達成。低重心化や慣性モーメントのアップにも貢献しています。設計はAIによるもので、PARADAYMと近い形状ではありながら、BIG BERTHAドライバーの特性に合わせてつくられています。
AI FLASHフェースは、大きなフェースを考慮したものに
AI設計の大きなフェース面です。
BIG BERTHAドライバーのフェース面はとても大きなものとなっていますが、AIによるFLASHフェースの設計も、前作以上に多くの条件下で行われています。拡大した面積にも対応したものとなっているなど、高初速エリアが大きくなっていることでフェースのどこで打ってもより高いボールスピードを実現。また、スピン量も適正となるようにされているため、ストレートで大きな飛びをこれまで以上に簡単に打っていくことが可能です。
PARADYM Xドライバー以上のドローバイアス
パラダイムXドライバーを超えるつかまりやすさです。
クラウンには、キャロウェイのウッドではすっかりおなじみのトライアクシャルカーボンを採用。ヘッドの軽量化や低重心化、慣性モーメントの向上などには、なくてはならない素材です。ヘッド自体の特性は、ヒール側にウェイトを搭載することにより、PARADYM Xドライバーを超えるレベルのドローバイアスとなっており、同時にかなりの低重心化と浅重心化も行われているため、無駄なスピンが減少し、吹き上がるような弾道やスライスボールを軽減。ここでも、しっかりつかまった、ストレートで大きな飛びを実現しやすくしています。
(出典:キャロウェイ公式HP)
「ローグST」MAXドライバーの特徴をご紹介
「ローグST」MAXドライバーの主な特徴をご紹介します。
今回の大きな特徴は、以下の3つです。
「カートリッジ構造のタングステンウェイト」
「AI設計のフラッシュフェースSS22」
「JAILBREAK AI スピードフレーム」
カートリッジ構造のタングステンウェイト
ボール初速を上げるテクノロジーのひとつです。
ヘッド後方に約11gのウェイトを配置することで慣性モーメントを高め、寛容性とともにオフセンターヒット時の初速性能が向上し、飛距離アップと安定した弾道へ導くテクノロジーです。
簡単に言うと「回しにくさ、止めにくさ」です。一度回りだすと止めにくい。ゴルフクラブではこれが高いと一般的にスイングの安定性が向上します。
NEW タングステン・スピードカートリッジをヘッド最後方部に搭載
ROGUE STドライバーシリーズでは、新たにタングステン・スピードカートリッジを採用しました。2021年のEPICシリーズではスクリューウェイト、およびペリメーター・ウェイトをソール後部に搭載していましたが、タングステン・スピードカートリッジは横に長い形状で、搭載位置もヘッドの最後方部に移動。重心をより深く、低くすることができており、高い慣性モーメントによってスイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現しています。なお、「ROGUE ST MAXドライバー」は、ややドローバイアス気味の特性を持つヘッドとなっています。
AI設計のフラッシュフェースSS22
ローグSTシリーズでも最新のAI設計のフェースが採用されています。名称はフラッシュフェース SS22となってアップグレードされています(エピックはフラッシュフェース SS21でした)。
これにより、スピン量の抑制と、慣性モーメントのアップを実現。吹けない強い弾道、オフセンターヒットへの強さを発揮します。
AI設計のFLASHフェースSS22は、飛びの3要素までも最適化
「ROGUE ST MAXドライバー」には、このモデル専用にAIが設計したFLASHフェースSS22を採用しています。FLASHフェースSS22は、従来のようにボール初速の向上やターゲットゴルファーの打点位置が考慮されているだけではありません。今回は飛びの3要素である、スピン、打ち出し角、ボール初速の組み合わせまでも含めた新しいアルゴリズムによってAIが設計し、テスト。よりモデル別、ターゲットゴルファー別の最適化が進んだフェースへとアップグレードされています。
JAILBREAK AI スピードフレーム
芯が2本通っていてどこに当たっても飛ぶテクノロジーです。「ローグST」にも搭載しています。
前年(2021年)のEPICと同様に、フレーム状に強化された構造のJAILBREAKが搭載されています。
NEW JAILBREAK AI スピードフレームにより、フェースが効率良くたわむように
2021年のEPICシリーズに初搭載されたJAILBREAK AI スピードフレームは、ROGUE STドライバーシリーズにおいて、形状に変更が加えられました。NEW JAILBREAK AI スピードフレームでは、下辺のフレームの高さをアップし、ソール側の剛性が向上。その結果、従来のようにインパクトのパワーがフェースに集中する効果はキープしつつ、クラウン側とソール側の剛性の違いによって、よりフェースが効率良くたわむようになりました。
(出典:キャロウェイ公式HPより)
「ビッグバーサ」ドライバーと「ローグST」MAXドライバーの比較
クラブのコンセプト比較
「ビッグバーサ(2023)」ドライバー
つかまりビッグで、スライスゼロへ。
この安定感でゴルフが楽しくなる
「ローグST」MAXドライバー
幅広いゴルファーにフィット、
飛距離と振りやすさを追求したMAX
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは、スライスの撲滅がコンセプトです。
一方「ローグST」MAXドライバーは、幅広いゴルファーをターゲットに飛距離と振りやすさを追求しています。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「ビッグバーサ(2023)」ドライバーはこのようなデザインです。
赤と黒のデザインでスポーティです。
そして、「ローグST」MAXドライバーはこのようなデザインとなりました。
前作のローグの雰囲気を継承しています。前作は、青系のデザインでした。
上から見たヘッドの形状
まずは「ビッグバーサ(2023)」ドライバーから、
黒を基調としています。
「BB(BIG BERTHA)」のロゴが見えます。
次に「ローグST」MAXドライバーです。
黄色いラインが入っています。どことなく前作ローグの雰囲気があります。
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーと「ローグST」MAXドライバーのスペックを比較
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーと「ローグST」MAXドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「ビッグバーサ(2023)」ドライバー | 「ローグST」MAXドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 10.5 | 9.0,10.5,12.0 |
ライ角(°) | 60 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.375 | 45.5 |
クラブ重さ(g) | 299(SR) | 305(SR) |
シャフト重さ(g) | 52(SR) | 50(SR) |
シャフトトルク | 4.4 | 4.6 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D3.5 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは10.5度、「ローグST」MAXドライバーは9.0度、10.5度、12.0度が用意されています。
両者とも調整機能があります。
ライ角
ライ角は少し違います。
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは60度、「ローグST」MAXドライバーは59度です。
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方がアップライトで相対的にフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは299g、「ローグST」MAXドライバーは305gです。
クラブ重量は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が6g軽いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
キャロウェイ「ビッグバーサ(2023)」ドライバー:SPEEDER NX for Callaway(SR)
キャロウェイ「ローグST」MAXドライバー:VENTUS 5 for Callaway(SR)
シャフトの重さは、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは52g、「ローグST」MAXドライバーは50gで、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が2g重いです。
シャフトトルク
シャフトトルクは少し違います。
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは4.4、「ローグST」MAXドライバーは4.6です。
僅かな差ですが、相対的に「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が操作性が高い、「ローグST」MAXドライバーの方が安定性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは中調子、「ローグST」MAXドライバーも中調子となっています。
中調子は、タメも作りやすくヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは少し違いがあります。
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーはD3.5、「ローグST」MAXドライバーはD3です。
僅かな差ですが、ヘッドを重く感じるのは「ビッグバーサ(2023)」ドライバー」と言えそうです。
まとめ ~「ビッグバーサ(2023)」ドライバーと「ローグST」MAXドライバー~
「ビッグバーサ(2023)」ドライバーと「ローグST」MAXドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「ビッグバーサ(2023)」ドライバーはスライサーのスイングに徹底的にフォーカス。とにかくボールがつかまるようにするべく、ドローバイアスの度合いはPARADYM Xドライバー以上に設定。安心感、安定感抜群のヘッドシェイプ、AILBREAKテクノロジーや、ビッグサイズに合わせて調整されたAI FLASHフェースが、高初速でストレートな飛びをやさしく実現。
・「ローグST」MAXドライバーは、新テクノロジー「カートリッジ構造のタングステンウェイト」、進化させた「AI設計のフラッシュフェースSS22」、「JAILBREAK AI スピードフレーム」を搭載し、スイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現。
・ライ角は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは60度、「ローグST」MAXドライバーは59度で、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が、アップライトで相対的にフック軌道になりやすい。
・クラブの総重量は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が6g軽い。シャフト重量は「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方が2g重い。
・シャフトトルクは「ビッグバーサ(2023)」ドライバーは4.4で相対的に操作性が高い、「ローグST」MAXドライバーは4.6で相対的に安定性が高い。わずかな差。
・バランスは「ビッグバーサ(2023)」ドライバーはD3.5、「ローグST」MAXドライバーはD3で、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーの方がヘッドを重く感じる。わずかな差。
以上のような特徴です。
カタログ数値上は両者のスペックは近しいですが、カタログ上ではわからない「ビッグバーサ(2023)」ドライバーのスライス撲滅のドローバイアス性能があります。
以上、「ビッグバーサ(2023)」ドライバーと「ローグST」MAXドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。