キャロウェイは「ローグ」(ROGUE)の新シリーズ「ローグ ST」を2022年3月に発売すると発表しました。※一部モデルは2月25日に発売が早まりました。前作モデルは2018年発売です。約4年でのニューモデルの発売となります。
「ST」という名称は、「SPEED TUNE-UP(スピード・チューンアップ)」の頭文字だそうです。ボールの初速アップを重点目標に開発されたとのことです。
「ローグ ST」の特徴は3つほどあり、後ほど紹介していきます。
一方で、キャロウェイは2021年2月に「EPIC」(エピック)の2021年モデルを発売しています。
「EPIC」は過去、2017年「GBB EPIC」、2019年「EPIC FLASH」、そして今回の2021年「EPIC」と2年ごとに新しい「EPIC」を発表してきた経過があります。
今回は、キャロウェイ「ローグ ST」と「EPIC」を比較してみたいと思います。
シリーズの中でも代表的な「ローグ ST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーで比較します。
ローグSTドライバーを簡単にやさしく解説【MAX、MAX D、MAX LSの違いとは?】
【ドライバー編】ローグST MAX FASTとエピック MAX FASTの違いを比較解説【マックスファスト】
どのような違いがあるのでしょうか。クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「ローグ ST」ドライバーの特徴をご紹介
「ローグ ST」の売りとなる特徴とは
「ローグ ST」シリーズの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は
「カートリッジ構造のタングステンウェイト」
「AI設計のフラッシュフェースSS22」
「JAILBREAK AI スピードフレーム」
の3つです。順番にご紹介します。
カートリッジ構造のタングステンウェイト
ボール初速を上げるテクノロジーのひとつです。
ヘッド後方に約11gのウェイトを配置することで慣性モーメントを高め、寛容性とともにオフセンターヒット時の初速性能が向上し、飛距離アップと安定した弾道へ導くテクノロジーです。
簡単に言うと「回しにくさ、止めにくさ」です。一度回りだすと止めにくい。ゴルフクラブではこれが高いと一般的にスイングの安定性が向上します。
NEW タングステン・スピードカートリッジをヘッド最後方部に搭載
ROGUE STドライバーシリーズでは、新たにタングステン・スピードカートリッジを採用しました。2021年のEPICシリーズではスクリューウェイト、およびペリメーター・ウェイトをソール後部に搭載していましたが、タングステン・スピードカートリッジは横に長い形状で、搭載位置もヘッドの最後方部に移動。重心をより深く、低くすることができており、高い慣性モーメントによってスイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現しています。なお、「ROGUE ST MAXドライバー」は、ややドローバイアス気味の特性を持つヘッドとなっています。
AI設計のフラッシュフェースSS22
ローグSTシリーズでも最新のAI設計のフェースが採用されています。名称はフラッシュフェース SS22となってアップグレードされています(エピックはフラッシュフェース SS21でした)。
これにより、スピン量の抑制と、慣性モーメントのアップを実現。吹けない強い弾道、オフセンターヒットへの強さを発揮します。
AI設計のFLASHフェースSS22は、飛びの3要素までも最適化
「ROGUE ST MAXドライバー」には、このモデル専用にAIが設計したFLASHフェースSS22を採用しています。FLASHフェースSS22は、従来のようにボール初速の向上やターゲットゴルファーの打点位置が考慮されているだけではありません。今回は飛びの3要素である、スピン、打ち出し角、ボール初速の組み合わせまでも含めた新しいアルゴリズムによってAIが設計し、テスト。よりモデル別、ターゲットゴルファー別の最適化が進んだフェースへとアップグレードされています。
JAILBREAK AI スピードフレーム
芯が2本通っていてどこに当たっても飛ぶテクノロジーです。「ローグST」にも搭載しています。
前年(2021年)のEPICと同様に、フレーム状に強化された構造のJAILBREAKが搭載されています。
NEW JAILBREAK AI スピードフレームにより、フェースが効率良くたわむように
2021年のEPICシリーズに初搭載されたJAILBREAK AI スピードフレームは、ROGUE STドライバーシリーズにおいて、形状に変更が加えられました。NEW JAILBREAK AI スピードフレームでは、下辺のフレームの高さをアップし、ソール側の剛性が向上。その結果、従来のようにインパクトのパワーがフェースに集中する効果はキープしつつ、クラウン側とソール側の剛性の違いによって、よりフェースが効率良くたわむようになりました。
(出典:キャロウェイ公式HPより)
「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーの比較
クラブのコンセプト
「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバードライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「ローグST」MAXドライバー
幅広いゴルファーにフィット、
飛距離と振りやすさを追求したMAX
「EPIC」MAXドライバー
やさしく、つかまえて飛ばせるMAXドライバー
今回の「ローグST」MAXドライバーのコンセプトは、幅広いゴルファーをターゲットに飛距離と振りやすさを追求しています。
一方、「EPIC」MAXドライバーも「やさしさ」と「つかまり易さ」を押し出しています。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
「ローグST」MAXドライバーはこのようなデザインとなりました。
出典:キャロウェイ公式HP
前作のローグの雰囲気を継承しています。前作は、緑系のデザインでしたが、エピックと重なるので変えたのでしょうか。
そして、次に「EPIC」MAXドライバーです。
出典:キャロウェイ公式HP
EPICのイメージカラーと言えば緑です。スッキリとして洗練されたデザインだと思います。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「ローグST」MAXドライバーから、
出典:キャロウェイ公式HP
黄色いラインが入っています。こちらもどことなく前作ローグの雰囲気があります。
そして「EPIC」MAXドライバーです。
出典:キャロウェイ公式HP
「EPIC」MAXドライバーはキャロウェイっぽいオーソドックスなデザインと言えるでしょうか。
「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーのスペックを比較
「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーのスペックを比較してみます。
より分かりやすく単純化するために、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」で比較します。
項目 | 「ローグST」MAXドライバー | 「EPIC」MAXドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.0,10.5,12.0 |
ライ角(°) | 59 | 58 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 305 | 288 |
シャフト重さ(g) | 50 | 42 |
シャフトトルク | 4.6 | 5.8 |
シャフト調子 | 中調子 | 中元調子 |
バランス | D3 | D0 |
ロフト角
ロフト角は、「ローグST」MAXドライバー、「EPIC」MAXドライバーともに9.0度、10.5度、12度が用意されています。両者とも調整機能が付いています。
コンセプトの「幅広いゴルファーにフィット」のとおり「ローグST」は、今作も幅広いニーズに対応しています。
ライ角
ライ角は、「ローグST」MAXドライバーが59度、「EPIC」MAXドライバーは58度です。調整機能もあります。
ライ角の基本に従うと、「ローグST」MAXドライバーはフック軌道になりやすい。一方「EPIC」MAXドライバーはスライス軌道になりやすい。
ただ、1度の違いはわずかな差だと思います。
他のドライバーと比較すると両者ともややアップライト(角度が大きい)なセッティングです。そのため一般的にはフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は大きな差があります。
「ローグST」MAXドライバーは305g、「EPIC」MAXドライバードライバーは288gです。
クラブ全体重量では「ローグST」MAXドライバーの方が17gも重くなっています。
大きく違います。最近は軽量化傾向なイメージがありましたが。
一方、シャフトの重量を見てみますと「ローグST」MAXドライバーは50g、「EPIC」MAXドライバーは42gとなっています。
シャフトについても「ローグST」MAXドライバーの方が8g重いです。
ということは「ローグST」MAXドライバーは、「EPIC」MAXドライバーと比べて、総重量もシャフトも重くなっています。
シャフトは、「ローグST」MAXドライバーはVENTUS 5 for Callaway、「EPIC」MAXドライバーはDiamana40で比較しています。
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「ローグST」MAXドライバーはD3、「EPIC」MAXドライバーがD0となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きな違いがあります。
「ローグST」MAXドライバーは4.6、「EPIC」MAXドライバーは5.8となっています。
つまり、相対的に「ローグST」MAXドライバーは操作性が高く、「EPIC」MAXドライバーは安定性が高い、ということになります。
「ローグST」MAXドライバーは、「EPIC」MAXドライバーと比較すると、かなり操作性の方へ振っているということが言えます。
シャフト調子
シャフト調子は「ローグST」MAXドライバーは中調子、「EPIC」MAXドライバーは中元調子となっています。
「ローグST」MAXドライバーは中調子、セッティング自体は、タメが作りやすく、ヘッドも走るという万人向けのセッティングということが言えそうです。
「EPIC 」MAXドライバーは中元調子です。手元側よりやや中央寄りにキックポイントを設定していて、中調子と元調子の中間的性能を持つセッティングです。つまり、万人向けの中調子からややタメを作りやすく設定しているということが言えます。
バランス
バランスは「ローグST」MAXドライバーはD3、「EPIC」MAXドライバーはD0となっています。
両者まったく違くセッティングになっています。
「ローグST」MAXドライバーの方がヘッドを重く感じるということになります。
振ったときにヘッドを重く感じる、ヘッドが効いている感じがするのは「ローグST」MAXドライバーの方と言えそうです。
まとめ ~「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバー~
さて今回は新しい「ローグST」MAXドライバーの特徴と「EPIC」MAXドライバーとの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「ローグST」MAXドライバーは、新テクノロジー「カートリッジ構造のタングステンウェイト」と「EPIC」からさらに進化させた「AI設計のフラッシュフェースSS22」、「JAILBREAK AI スピードフレーム」を搭載し、高い慣性モーメントによってスイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現してる。
・ライ角は「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーはほぼ同じ数値でややアップライトであり、フック軌道になりやすいセッティング。
・クラブの重量は「ローグST」MAXドライバーの方が17g重く、ヘッドもシャフトも「EPIC」MAXドライバーより重い。
・「ローグST」MAXドライバーは、バランスがD3と「EPIC」MAXドライバーのD0よりもヘッドが効いているセッティング。
・操作性、安定性の指標であるシャフトトルクでは、「ローグST」MAXドライバーは「EPIC」MAXドライバーよりもかなり操作性の方へ振っている。
以上、今回は「ローグST」MAXドライバーと「EPIC」MAXドライバーを比較してみました。
前作はとにかくやさしいという印象のあった「ローグ」ですが、カタログ上、今回の「ローグST」MAXドライバーは、「EPIC」MAXドライバーよりも、重量も重く、操作性も高いセッティングでした。
ここまで大きな違いがあると、実際に打ってみて違いを確かめてみたいものですね。
【ドライバー試打】ROGUE ST(ローグST)の試打レビューはこちら
ローグSTは3月の発売ですが、例年の傾向だと発売と同時に買わないと2、3ヶ月待ちになるかと思われますね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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