キャロウェイは「ローグ」(ROGUE)の新シリーズ「ローグ ST」を2022年3月に発売すると発表しました。※一部モデルは2月25日に発売が早まりました。前作モデルは2018年発売です。約4年でのニューモデルの発売となります。
「ST」という名称は、「SPEED TUNE-UP(スピード・チューンアップ)」の頭文字だそうです。ボールの初速アップを重点目標に開発されたとのことです。
「ローグ ST」の特徴は3つほどあり、後ほど紹介していきます。
一方で、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」とともに新しい「ゼクシオエックス」を2021年12月11日に発売しました。
前モデルの「ゼクシオエックス」は2019年12月7日発売です。アスリート志向ユーザー待望の“振り切れるゼクシオ”として誕生しました。約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオエックス」と「ゼクシオ12」の最大の特徴は「飛びの翼」です。また「ゼクシオエックス」は「シャフト脱着システム」を搭載しました。
今回は「ローグ ST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーを比較します。
どのような違いがあるのでしょうか。クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「ローグ ST」ドライバーの特徴をご紹介
「ローグ ST」の売りとなる特徴とは
「ローグ ST」シリーズの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は
「カートリッジ構造のタングステンウェイト」
「AI設計のフラッシュフェースSS22」
「JAILBREAK AI スピードフレーム」
の3つです。順番にご紹介します。
カートリッジ構造のタングステンウェイト
ボール初速を上げるテクノロジーのひとつです。
ヘッド後方に約11gのウェイトを配置することで慣性モーメントを高め、寛容性とともにオフセンターヒット時の初速性能が向上し、飛距離アップと安定した弾道へ導くテクノロジーです。
簡単に言うと「回しにくさ、止めにくさ」です。一度回りだすと止めにくい。ゴルフクラブではこれが高いと一般的にスイングの安定性が向上します。
NEW タングステン・スピードカートリッジをヘッド最後方部に搭載
ROGUE STドライバーシリーズでは、新たにタングステン・スピードカートリッジを採用しました。2021年のEPICシリーズではスクリューウェイト、およびペリメーター・ウェイトをソール後部に搭載していましたが、タングステン・スピードカートリッジは横に長い形状で、搭載位置もヘッドの最後方部に移動。重心をより深く、低くすることができており、高い慣性モーメントによってスイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現しています。なお、「ROGUE ST MAXドライバー」は、ややドローバイアス気味の特性を持つヘッドとなっています。
AI設計のフラッシュフェースSS22
ローグSTシリーズでも最新のAI設計のフェースが採用されています。名称はフラッシュフェース SS22となってアップグレードされています(エピックはフラッシュフェース SS21でした)。
これにより、スピン量の抑制と、慣性モーメントのアップを実現。吹けない強い弾道、オフセンターヒットへの強さを発揮します。
AI設計のFLASHフェースSS22は、飛びの3要素までも最適化
「ROGUE ST MAXドライバー」には、このモデル専用にAIが設計したFLASHフェースSS22を採用しています。FLASHフェースSS22は、従来のようにボール初速の向上やターゲットゴルファーの打点位置が考慮されているだけではありません。今回は飛びの3要素である、スピン、打ち出し角、ボール初速の組み合わせまでも含めた新しいアルゴリズムによってAIが設計し、テスト。よりモデル別、ターゲットゴルファー別の最適化が進んだフェースへとアップグレードされています。
JAILBREAK AI スピードフレーム
芯が2本通っていてどこに当たっても飛ぶテクノロジーです。「ローグST」にも搭載しています。
前年(2021年)のEPICと同様に、フレーム状に強化された構造のJAILBREAKが搭載されています。
NEW JAILBREAK AI スピードフレームにより、フェースが効率良くたわむように
2021年のEPICシリーズに初搭載されたJAILBREAK AI スピードフレームは、ROGUE STドライバーシリーズにおいて、形状に変更が加えられました。NEW JAILBREAK AI スピードフレームでは、下辺のフレームの高さをアップし、ソール側の剛性が向上。その結果、従来のようにインパクトのパワーがフェースに集中する効果はキープしつつ、クラウン側とソール側の剛性の違いによって、よりフェースが効率良くたわむようになりました。
(出典:キャロウェイ公式HPより)
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の特徴をご紹介
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の売りとなる特徴とは
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」、「リバウンドフレーム」、「シャフト脱着機能」の3つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。ゼクシオ12にも搭載されています。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
シャフト脱着システム
ゼクシオシリーズ初となるヘッド脱着機構を採用しています。
いわゆるカチャカチャです。スリクソンと共用だそうです。
これによりシャフトを選ぶことができ、フェース角・ライ角・ロフト角の調整も可能となっています。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバードライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「ローグST」MAXドライバー
幅広いゴルファーにフィット、
飛距離と振りやすさを追求したMAX
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)
XXIOテクノロジーによる
飛距離性能と振り抜ける安心感が
大きな飛びと方向安定性を生み出すドライバー。
今回の「ローグST」MAXドライバーのコンセプトは、幅広いゴルファーをターゲットに飛距離と振りやすさを追求しています。
一方、今回の「ゼクシオエックス」ドライバーのコンセプトは、振り抜きと安定性を追求したということがうかがえます。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
「ローグST」MAXドライバーはこのようなデザインとなりました。
出典:キャロウェイ公式HP
前作のローグの雰囲気を継承しています。前作は、緑系のデザインでしたが、エピックと重なるので変えたのでしょうか。
そして、次に「ゼクシオエックス」ドライバーです。
出典:ダンロップ公式HP
前作と同じ「X」のロゴが組み込まれています。前作のデザインを継承しているようにも感じます。コンセプトカラーは緑になりました。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「ローグST」MAXドライバーから、
出典:キャロウェイ公式HP
黄色いラインが入っています。こちらもどことなく前作ローグの雰囲気があります。
そして「ゼクシオエックス」ドライバーです。
出典:ダンロップ公式HP
ネックの右側にあるのが「飛びの翼」です。ゼクシオエックスもゼクシオ12同様「飛びの翼」があります。
「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較
さて次に「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
より分かりやすく単純化するために、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」で比較します。
項目 | 「ローグST」MAXドライバー | 「ゼクシオエックス」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.5,10.5 |
ライ角(°) | 59 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.5 |
クラブ重さ(g) | 305 | 300 |
シャフト重さ(g) | 50 | 44 |
シャフトトルク | 4.6 | 5.8 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D3 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「ローグST」MAXドライバーは9.0度と10.5度、12度、「ゼクシオエックス」ドライバーは9.5度と10.5度が用意されています。両者調整機能もついています。
コンセプトの「幅広いゴルファーにフィット」のとおり「ローグST」は、幅広いニーズに対応しています。
ライ角
ライ角は同じです。「ローグST」MAXドライバー、「ゼクシオエックス」ドライバーはともに59度です。これも両者調整可能です。
他のドライバーと比較すると両者ともややアップライト(角度が大きい)なセッティングです。そのため一般的にはフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量も大体同じです。
「ローグST」MAXドライバーは305g、「ゼクシオエックス」ドライバードライバーは300gです。
クラブ全体重量では「ローグST」MAXドライバーの方が5gも重くなっています。
両社ともやや重量のあるドライバーです。
一方、シャフトの重量を見てみますと「ローグST」MAXドライバーは50g、「ゼクシオエックス」ドライバードライバーは44gとなっています。
シャフトについても「ローグST」MAXドライバーの方が6g重いです。
ということは「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの重量の差はほぼシャフトの重さの違いといえます。
シャフトは、「ローグST」MAXドライバーはVENTUS 5 for Callaway、「ゼクシオエックス」ドライバーはMiyazaki AX-2カーボンシャフトで比較しています。
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「ローグST」MAXドライバーはD3、「ゼクシオエックス」ドライバーもD3となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きな違いがあります。
「ローグST」MAXドライバーは4.6、「ゼクシオエックス」ドライバーは5.8となっています。
つまり、相対的に「ローグST」MAXドライバーは操作性が高く、「ゼクシオエックス」ドライバーは安定性が高い、ということになります。
「ローグST」MAXドライバーは、「ゼクシオエックス」ドライバーと比較すると、かなり操作性を高めているということが言えます。
シャフト調子
シャフト調子は同じです。「ローグST」MAXドライバー、「ゼクシオエックス」ドライバーともに中調子となっています。
タメが作りやすく、ヘッドも走るという万人向けのセッティングということが言えそうです。
バランス
バランスも同じです。「ローグST」MAXドライバーはD3、「ゼクシオエックス」ドライバーはD3となっています。
両社とも振ったときにややヘッドを重く感じる、ヘッドが効いている感じがするセッティングです。
まとめ ~「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバー~
さて今回は新しい「ローグST」MAXドライバーの特徴と「ゼクシオエックス」ドライバーとの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「ローグST」MAXドライバーは、新テクノロジー「カートリッジ構造のタングステンウェイト」と「EPIC」からさらに進化させた「AI設計のフラッシュフェースSS22」、「JAILBREAK AI スピードフレーム」を搭載し、高い慣性モーメントによってスイング時のヘッドの安定化と、オフセンターヒット時のボール初速向上を実現してる。
・「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらに、スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角は「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーは同じ数値でややアップライトであり、フック軌道になりやすいセッティング。
・クラブの重量は「ローグST」MAXドライバーの方が5g重く、ほぼシャフトの重さの差。
・「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーはD3でありややヘッドが効いているセッティング。
・操作性、安定性の指標であるシャフトトルクでは、「ローグST」MAXドライバーは「ゼクシオエックス」ドライバーよりもかなり操作性の方へ振っている。
以上、今回は「ローグST」MAXドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーを比較してみました。
シャフトトルクに違いはあるものの、両者はとても似通っていると感じました。「ローグST」MAXドライバーは、ゼクシオ12というよりは「ゼクシオエックス」に近いのかもしれません。実際打ってみて確かめたいですね。
【ドライバー試打】ROGUE ST(ローグST)の試打レビューはこちら
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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