テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)シリーズのドライバーを2月4日に発売すると発表しました。
今回はクラブのフェースにカーボンを採用したことで話題を集めています。
キャッチコピーは、『新しい“カーボンウッド時代”が始まる』です。
テーラーメイドは1年前、2021年2月にSIM2(シムツー)ドライバを発売していました。前作のSIMの好評ぶりを受けての後継モデルでした。
一方で、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」とともに新しい「ゼクシオエックス」を2021年12月11日に発売しました。
前モデルの「ゼクシオエックス」は2019年12月7日発売です。アスリート志向ユーザー待望の“振り切れるゼクシオ”として誕生しました。約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオエックス」と「ゼクシオ12」の最大の特徴は「飛びの翼」です。また「ゼクシオエックス」は「シャフト脱着システム」を搭載しました。
今回は、「STEALTH」(ステルス)と「ゼクシオエックス」ドライバーを比較してみたいと思います。
「STEALTH」シリーズの標準モデル「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「STEALTH」ドライバーの特徴をご紹介
「STEALTH」ドライバーの主な特徴をご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・ナノテクスチャーPUカバー
・高慣性モーメント化
・イナーシャ ジェネレーター
60層のカーボンフェース
今回の最大の特徴です。フェースが金属からカーボンになりました。
フェースの軽量化を始め、さまざまな改良が施されています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」はチタンの43gから24gとなり、チタンフェースと比べて40% ¹の軽量化に成功。その一方で、SIMドライバーよりもフェース面積を20% 拡大させ、寛容性を強化した。複雑な構造からなる60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立し、新次元のエネルギー伝達をもたらす。その結果、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現する。
¹ 同サイズのチタンニウムフェース比較(当社調べ)
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面に特殊なコーティングを施しています。これにより最適なスピン量を可能にします。
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことで、どうような状況下においても最適なスピン量を可能にし、飛距離を生み出す。
高慣性モーメント化
カーボンフェースによる軽量化で、軽くなった分の重量を配分し低・深重心化を図っています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」によりヘッドの軽量化に成功。その余剰重量をヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化を実現し、高慣性モーメント化による寛容性向上を実現する。
出典:テーラーメイド公式HP
イナーシャ ジェネレーター
テーラーメイドのアイデンティティでもあるドライバー形状の特徴です。SIM2にも搭載しています。
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性アップに貢献。さらに、フェース面の拡大により、寛容性を高めながらも空気抵抗を減少させ、ダウンスイングのスピードアップを実現する。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打ってしまったミスヒットにおいても無駄なスピンを抑えてボール初速維持に貢献。
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の特徴をご紹介
「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)の主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」、「リバウンドフレーム」、「シャフト脱着機能」の3つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。ゼクシオ12にも搭載されています。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
シャフト脱着システム
ゼクシオシリーズ初となるヘッド脱着機構を採用しています。
いわゆるカチャカチャです。スリクソンと共用だそうです。
これによりシャフトを選ぶことができ、フェース角・ライ角・ロフト角の調整も可能となっています。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「STEALTH」ドライバー
ようこそ、カーボンウッドの時代へ
「ゼクシオエックス」ドライバー
XXIOテクノロジーによる
飛距離性能と振り抜ける安心感が
大きな飛びと方向安定性を生み出すドライバー。
「STEALTH」ドライバーは何といっても「カーボンフェース」です。
一方、今回の「ゼクシオエックス」ドライバーのコンセプトは、振り抜きと安定性を追求したということがうかがえます。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「STEALTH」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:テーラーメイド公式HP
赤と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。形状はSIM2と似ています。
そして、次に「ゼクシオエックス」ドライバーです。
出典:ダンロップ公式HP
前作と同じ「X」のロゴが組み込まれています。前作のデザインを継承しているようにも感じます。コンセプトカラーは緑になりました。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「STEALTH」ドライバーから、
出典:テーラーメイド公式HP
上から見るとカーボンフェースの赤が際立っています。スッキリとしていてSIM2とはイメージが変わってきました。
そして「ゼクシオエックス」ドライバーです。
出典:ダンロップ公式HP
ネックの右側にあるのが「飛びの翼」です。ゼクシオエックスもゼクシオ12同様「飛びの翼」があります。
「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較
「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合はロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「STEALTH」ドライバー | 「ゼクシオエックス」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.5,10.5 |
ライ角(°) | 56 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.5 |
クラブ重さ(g) | 300 | 298(推定値) |
シャフト重さ(g) | 55 | 44 |
シャフトトルク | 4.7 | 5.8 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D3 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「STEALTH」ドライバーは、9度、10.5度、12度、「ゼクシオエックス」ドライバーともに9.5度、10.5度が用意されています。両者とも調整機能があります。
「STEALTH」ドライバーは一人でも多くの方に、「カーボンフェース」を体験してほしいとの意気込みの表れと思われます。
ライ角
ライ角は大きく違います。
「STEALTH」ドライバーは56度でフラットライト、「ゼクシオエックス」ドライバーは59度でアップライトです。両者とも調整機能があります。
ライ角の基本に従うと、「STEALTH」ドライバーはスライス軌道になりやすい。一方「ゼクシオエックス」ドライバーはフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブ重量は少し違います。
クラブの重量は「STEALTH」ドライバー300g、「ゼクシオエックス」ドライバー298(推定値)gです。
シャフトの重量を見てみますと「STEALTH」ドライバーは55g、「ゼクシオエックス」ドライバーが44gとなっています。
シャフトの重量は「STEALTH」ドライバーの方が11g重いです。
シャフトは、「STEALTH」はTENSEI RED TM50、「ゼクシオエックス」はMiyazaki AX-2カーボンシャフトで比較しています。
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「STEALTH」ドライバーはD2.5、「ゼクシオエックス」ドライバーがD3となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクにも違いがあります。
「STEALTH」ドライバーは4.7、「ゼクシオエックス」ドライバーは5.7となっています。
「STEALTH」ドライバーよりも「ゼクシオエックス」ドライバーの方が大きいです。
つまり、相対的に「STEALTH」ドライバーの方が少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、「ゼクシオエックス」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「STEALTH」ドライバー、「ゼクシオエックス」ドライバーともに中調子となっています。
万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは「STEALTH」ドライバーはD3、「ゼクシオエックス」ドライバーもD3となっています。
まとめ ~「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバー~
「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「STEALTH」ドライバーは、今回最大の特徴である「カーボンフェース」を採用し、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現。
・「ゼクシオエックス」ドライバー(2021年モデル)は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらに、スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角は「STEALTH」ドライバーは56度で相対的にスライス軌道になりやすく、「ゼクシオエックス」ドライバーは59度で相対的にフック軌道になりやすい。
・クラブの総重量はステルスの方が2g重い、シャフトの重量は「STEALTH」ドライバーは55g、「ゼクシオエックス」ドライバーが44g。
・シャフトトルクについて、「STEALTH」ドライバーは操作性が高く、「ゼクシオエックス」ドライバーは安定性が高い傾向。
以上のような特徴ですが、実際に打ち比べてその違いを確かめたいですね。
カタログ数値からは、「STEALTH」ドライバーは、アスリートモデルの「ゼクシオエックス」と近いものを感じますが、ライ角、シャフトトルクの点に大きな違いが見受けられます。
以上、「STEALTH」ドライバーと「ゼクシオエックス」ドライバーの違いをまとめてみました。
「STEALTH」は、2月の発売ですが過去のシリーズは発売と同時に買わないと2、3ヶ月待ちのパターンでした。今回はすでに予約段階からSIM2の数倍、発売初週は過去10年に発売されたドライバーの中で、ダントツの売れ行きだそうです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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