テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)アイアンを2022年4月に発売すると発表しました。
前作SIM2では、2種類のアイアン(MAX、MAX OS)アイアンの2機種ありましたが、今回は「ステルス」1種類のみとなります。
飛距離と寛容性、そしてフィーリングにも優れたディスタンスアイアンとのことです。
一方、キャロウェイは「ローグ」(ROGUE)の新シリーズ「ローグ ST」を2022年3月に発売すると発表しました。※一部モデルは2月25日に発売が早まりました。前作ローグは2018年発売です。約4年でのニューモデルの発売となります。
「ST」という名称は、「SPEED TUNE-UP(スピード・チューンアップ)」の頭文字だそうです。ボールの初速アップを重点目標に開発されたとのことです。
「ローグ ST」アイアンは4種類あります。MAX、MAX OS、PRO、MAX FASTです。
簡単に以下のようなラインナップです。
ROGUE ST MAX OSアイアン・・・ヘッドの大きいモデル。高弾道でやさしさ重視。
ROGUE ST PROアイアン・・・トップブレードが薄い、ストレートネックで操作性重視
ROGUE ST MAX FASTアイアン・・・20~30g軽量、ストロングロフト仕様。
今回は、「STEALTH」(ステルス)アイアンとスタンダードモデルの「ローグST」MAX アイアンの違いを比較してみたいと思います。
ステルスドライバーとローグSTドライバーはこちらで紹介しています。
【ドライバー編】「STEALTH」(ステルス)と「ローグST」の違いを比較解説【テーラーメイドvsキャロウェイ】
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「STEALTH」(ステルス)アイアンの特徴
「STEALTH」(ステルス)アイアンの売りとなるテクノロジーを見ていきましょう。
トウラップテクノロジー
「トウラップテクノロジー」は低重心化のテクノロジーです。ボールの初速アップに貢献します。
今回のステルスアイアンの売りとなる特徴です。前作SIM2から「キャップバックデザイン(中空構造)」を採用していましたが、それにプラスされたテクノロジーです。
「キャップバックデザイン」&「トウラップテクノロジー」
トウ側に配置されていた約10gの金属を取り去り、生まれた余剰重量を最適配分する「トウラップテクノロジー」の採用により、さらなる低重心設計を実現。より低重心化したヘッド構造により、優れた「飛距離」、「寛容性」、「フィーリング」を兼ね備えたアイアンが生まれた。
ボール初速が向上
「キャップバッグデザイン」に新開発「トウラップテクノロジー」を採用したステルス アイアン。最適化されたスイートスポットに加え、進化した「キャップバッグデザイン」によりヘッド剛性が向上し、初速もアップ。
エコーダンピングシステム
「エコーダンピングシステム」により、フォージドアイアンのような打感を実現。
フェースの裏側に配置されたエコーダンピングシステムは、フェース内に複数の衝撃吸収部分を設けることでフェースの反発力を損なうことなくインパクト時の衝撃と振動を低減し、 フォージドアイアンのような打音と打感を実現する。
(出典:テーラーメイド公式HPより)
「ローグST」MAX アイアンの特徴
「ローグST」MAX アイアンの売りとなるテクノロジーを見ていきましょう。
AI設計のFLASHフェースSS22は、飛びの3要素までも最適化
キャロウェイは、AIによる設計が特徴です。
「ROGUE ST MAXアイアン」には、このモデル専用にAIが設計した、フェースカップ構造のFLASHフェースSS22を採用しています。FLASHフェースSS22は、従来のようにボール初速の向上やターゲットゴルファーの打点位置が考慮されているだけではありません。今回は飛びの3要素である、スピン、打ち出し角、ボール初速の組み合わせまでも含めた新しいアルゴリズムによってAIが設計し、テスト。よりモデル別、ターゲットゴルファー別の最適化が進んだフェースへとアップグレードされています。
フェースカップには、新たな素材のカーペンター450を採用
ボールの初速アップとして新たな素材「カーペンター450」を採用しました。
ROGUE STシリーズは、あらゆる部分の進化を大きな目標に掲げて開発されており、アイアンにおいては使用する素材にも目が向けられました。フェースカップを、これまでの17-4ステンレスではなく、より反発性が高く高強度のカーペンター450で製作。さまざまなテクノロジーだけでなく、素材の面からもボール初速の向上を図っています。
プレシジョン・タングステンウェイトをトウ側に配置し、重心をフェースセンターへ
低重心化のテクノロジーです。ミスヒットに強く、ボールも上がりやすくなります。
ROGUE STアイアンシリーズではトウ側のソールに近い下部に、プレシジョン・タングステンウェイトと名づけられたMIMタングステンのウェイトを搭載しました。これにより、重心位置はフェースセンターへと配置されています。もちろん、低重心化にも貢献しており、ミスヒット時にもしっかりと飛距離が出るやさしさと、ボールの上がりやすさを実現しています。
フェース裏のかなりの面積を覆うようになったウレタン・マイクロスフィア
打感のフィーリングを向上しています。
ROGUE STアイアンシリーズでも、ウレタン・マイクロスフィアがフェース裏の下部に内蔵されました。フェースのたわみを阻害することなく、インパクト時のフィーリングを向上させる、キャロウェイ独自のテクノロジーです。しかも、ただ従来のように配置しただけではありません。設計上、これまでのアイアンではウレタン・マイクロスフィアの量を増やせず、面積も小さいものでしたが、今回、かつてない量へと増加。フェース裏のかなりの部分を覆うようになったおかげで、さらなるフィーリングの向上を達成しています。たとえば、フェースやや上側でミスヒット気味になったとしても、プレーヤーはソフトな感触を得ることができます。
シリーズのなかで、ストロングロフト化されたモデル
「ROGUE ST MAXアイアン」は、シリーズの中でも、ストロングロフト(ロフトが立っている)モデルです。
「ROGUE ST MAXアイアン」はフルキャビティバック形状で、シリーズ中でもストロングロフト化されているモデルの1つ。大きめのオフセットも特徴となっています。ボールのつかまりが良く、ストレートなビッグボールをやさしく実現することができます。番手はI#5からSWまでの9本をラインアップし、そのうちウェッジはPW、AW、GW、SWの4本となっています。
(出典:キャロウェイ公式HPより)
「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンの比較
クラブのコンセプト
「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンは以下のようなコンセプトとなっています。
「STEALTH」(ステルス)アイアン
ディスタンスアイアンの新たなカタチ
フェースの反発性能を高め、より速いボール初速を実現するため「トウラップテクノロジー」を採用した新たなカタチのディスタンスアイアン。「飛距離」と「寛容性」、そして「フィーリング」にも優れた新たなアイアンが誕生した。
「ローグST」MAXアイアン
驚異的なボールスピード、
飛距離で攻めるMAX
「STEALTH」(ステルス)アイアンは、「飛距離」、「寛容性」、そしてフォージドアイアンのような「フィーリング」です。
「ローグST」MAXアイアンはボールスピードのアップを売りとしています。
デザイン比較
「STEALTH」(ステルス)アイアン
まず「STEALTH」(ステルス)アイアンです。
出典:テーラーメイド公式HP
黒を基調としたデザインでかっこいいですね。
ソール面には、フェース下部でも無駄なスピンを抑える「貫通型スピードポケット」が搭載されています。
「ローグST」MAXアイアン
次に「ローグST」MAXアイアンはこのようなデザインです。
出典:キャロウェイ公式HP
今回のローグSTのカラーの黄色いラインがアクセントです。
一目でキャロウェイのアイアンとわかるデザインですね。
「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンのスペックを比較
さて「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンのスペックを比較してみましょう。
番手ラインナップとロフト角
まずはアイアンでもっとも気になるロフト角を見てみます。
「STEALTH」(ステルス)アイアン
番手 | 5番 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 | PW | AW | ― | SW |
ロフト角(度) | 21 | 24 | 28 | 32 | 37 | 43 | 49 | ― | 54 |
「ローグST」MAXアイアン
番手 | 5番 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 | PW | AW | GW | SW |
ロフト角(度) | 21.5 | 24.5 | 27.5 | 32 | 36.5 | 41 | 46 | 51 | 56 |
ロフト角は、若干の違いはありますが同じような設定です。
傾向としては、「STEALTH」(ステルス)アイアンは4番、5番手がストロングロフトでロフトが立っています。一方、ショートアイアンは、「ローグST」MAXアイアンの方がストロングロフトになっています。
では次に、より細かく7番アイアンでスペックを比較してみます。
7番アイアンのスペック比較
7番アイアン同士で比較してみたいと思います。
シャフトについては、両方ともカーボンシャフトで比較します。
・「STEALTH」(ステルス)アイアンは、「TENSEI RED TM60 (’22)」
・「ローグST」MAXアイアンは、「VENTUS 5 for Callaway(R)」
シャフトの硬さは「R」のもの同士で比較します。
項目 | 「STEALTH」(ステルス)アイアン | 「ローグST」MAXアイアン |
---|---|---|
ロフト角(°) | 28 | 27.5 |
ライ角(°) | 63 | 62.5 |
クラブ長さ(インチ) | 37.25 | 37.625 |
クラブ重さ(g) | 366 | 368 |
シャフト重さ(g) | 61 | 45 |
シャフトトルク | 3.1 | 4.4 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D0 | D0 |
ロフト角
「STEALTH」(ステルス)アイアンは28度、「ローグST」MAXアイアンは27.5度と近しい設定です。今回、ローグSTは、0.5度刻みが目立ちます。
ライ角
ライ角も、「STEALTH」(ステルス)アイアンは63度、「ローグST」MAXアイアンは62.5度と近しいセッティングです。
クラブの重さ
クラブの重量は「STEALTH」(ステルス)アイアンは366g、「ローグST」MAXアイアンは368gです。
クラブ全体の重量は「STEALTH」(ステルス)アイアンの方が4g軽いです。
シャフトの重量は
「STEALTH」(ステルス)アイアンは61gです。
「ローグST」MAXアイアンは45g。
シャフトは「STEALTH」(ステルス)アイアンの方が16g重いです。
ステルスアイアンはかなりヘッドを軽量化していることが分かります。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きな違いがあります。
シャフトトルクは
「STEALTH」(ステルス)アイアンは3.1
「ローグST」MAXアイアンは4.4
となっています。
「STEALTH」(ステルス)アイアンは相対的に、手を動かすとそれに合わせてヘッドが敏感に反応するので、操作性が高いということになります。
一方、相対的に「ローグST」MAXアイアンの方が手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強いということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「STEALTH」(ステルス)アイアン、「ローグST」MAXアイアンともに中調子です。
中調子は、タメも作りやすく、ヘッドもある程度走るという万民向けのセッティングと言われます。
バランス
「STEALTH」(ステルス)アイアン、「ローグST」MAXアイアンともにD0となっています。
まとめ ~「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアン~
「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンを比較してみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「STEALTH」(ステルス)アイアンは、低重心化のテクノロジー「トウラップテクノロジー」で、ボールの初速アップ。
・「ローグST」MAXアイアンは、AI設計のFLASHフェースSS22とフェースカップには、新たな素材のカーペンター450を採用を搭載しボール初速をアップ。
・ロフト角は、同じようなセッティングだが、ロングアイアンは「STEALTH」(ステルス)アイアンがストロングロフト、ショートアイアンは「ローグST」MAXアイアンがストロングロフトの設定。
・クラブ重量は「STEALTH」(ステルス)アイアンの方が2g軽いが、「STEALTH」(ステルス)アイアンの方がシャフト重量が16g重い。
・シャフトトルクは、「STEALTH」(ステルス)アイアンはシャフトトルクが小さいため相対的に操作性が高い。「ローグST」MAXアイアンの方がシャフトトルクが大きいため安定性が高い。
・バランスは、「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンともにD0で同じ。
以上のような特徴ですが、実際に打ってみて自分に合っているかどうか、クラブを気に入るかどうかということが最も大切ですね。
以上、「STEALTH」(ステルス)アイアンと「ローグST」MAXアイアンの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。