テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)シリーズのドライバーを2月4日に発売しました。
今回はクラブのフェースにカーボンを採用したことで話題を集めています。
キャッチコピーは、『新しい“カーボンウッド時代”が始まる』です。テーラーメイドは1年前、2021年2月にSIM2(シムツー)ドライバを発売していました。前作のSIMの好評ぶりを受けての後継モデルでした。
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一方で、タイトリストは「TSi1・TSi2・TSi3・TSi4」ドライバーをラインナップしています。
このTSiシリーズはフェースに、ゴルフ業界初の航空宇宙評価基準素材「ATI 425」を採用しています。高強度と高弾性を備えるチタン素材を用いることで、飛距離性能と打感をアップさせています。
TSi2・TSi3は2020年11月13日発売、TSi1・TSi4は2021年3月19日発売です。
最も寛容性が高い「TSi1」から「TSi2」「TSi3」、カスタム専用モデル「TSi4」まで4つのモデルがあります。
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今回は、標準的モデルの位置づけの「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「STEALTH」ドライバーの特徴をご紹介
「STEALTH」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・ナノテクスチャーPUカバー
・高慣性モーメント化
・イナーシャ ジェネレーター

60層のカーボンフェース
今回の最大の特徴です。フェースが金属からカーボンになりました。
フェースの軽量化を始め、さまざまな改良が施されています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」はチタンの43gから24gとなり、チタンフェースと比べて40% ¹の軽量化に成功。その一方で、SIMドライバーよりもフェース面積を20% 拡大させ、寛容性を強化した。複雑な構造からなる60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立し、新次元のエネルギー伝達をもたらす。その結果、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現する。
¹ 同サイズのチタンニウムフェース比較(当社調べ)
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面に特殊なコーティングを施しています。これにより最適なスピン量を可能にします。
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことで、どうような状況下においても最適なスピン量を可能にし、飛距離を生み出す。
高慣性モーメント化
カーボンフェースによる軽量化で、軽くなった分の重量を配分し低・深重心化を図っています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」によりヘッドの軽量化に成功。その余剰重量をヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化を実現し、高慣性モーメント化による寛容性向上を実現する。
イナーシャ ジェネレーター
テーラーメイドのアイデンティティでもあるドライバー形状の特徴です。SIM2にも搭載しています。
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性アップに貢献。さらに、フェース面の拡大により、寛容性を高めながらも空気抵抗を減少させ、ダウンスイングのスピードアップを実現する。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打ってしまったミスヒットにおいても無駄なスピンを抑えてボール初速維持に貢献。
出典:テーラーメイド公式HP
「TSi2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSi2」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・空力性能が大幅に向上
・マルチMOI設計
・パフォーマンスを引き出す調整機能
新しいフェース「ATI 425チタン」
フェース素材は初採用「ATI 425チタン」です。
新しいフェースが生み出す、新しいスピード
航空宇宙の分野で採用されてきた類稀なる強靭性を誇る「ATI 425チタン」。ゴルフ業界ではフェースに初採用となるこの特殊な金属が「TSi」のスピードパフォーマンスを支えるキーテクノロジーになっています。フェースの広範囲で驚きのボールスピードを発揮し、平均飛距離を大きく伸ばします。
空力性能が大幅に向上
空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化を図っています。
空力を極め、インパクトスピードを最大化
クラブヘッドの空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化。『TSi』をいつものようにスイングするだけで、誰もが大きなボールスピードの向上を実感することが可能になっています。スクエアに構えやすいルックス、心地よい打感はツアープレーヤーをさらに満足させるクオリティに進化。ロングショットに大きな自信を与えます。
マルチMOI設計
マルチMOI設計によりスピン量の適正化、ブレない弾道、飛距離アップを実現しています。
マルチMOI設計がもたらす、さらなるスピード
通常、慣性モーメント(MOI)はヘッドのトゥ・ヒール方向に対するモーメントの大小を表しますが、タイトリストは一方向だけでなく上下・左右・前後とあらゆる方向におけるモーメントを解析し、安定性の向上を総合的に図っています。その多角的なMOI設計がボールスピードのアップ、バックスピン量の適正化、そしてブレない弾道を生み出し、大きな飛距離アップへと導きます。
パフォーマンスを引き出す調整機能
調性機能も付いています。
パフォーマンスを引き出す調整機能
TSiではすべてのプレーヤーのあらゆるスイングに対して、その効果を最大限に高めるために精密な調整機能を備えています。あなたのスイングに合わせて、ベストなパフォーマンスを発揮できるよう調整することが可能です。
出典:タイトリスト公式HP
「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「STEALTH」ドライバー
ようこそ、カーボンウッドの時代へ
「TSi2」ドライバー
PURE DISTANCE.
高い許容性が生み出すストレート弾道。
「STEALTH」ドライバーは何といっても「カーボンフェース」です。
「TSi2」ドライバーは広い打点エリアでの許容性と適正スピンによるストレート弾道を実現します。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「STEALTH」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:テーラーメイド公式HP
赤と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。形状はSIM2と似ています。
そして、「TSi2」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:タイトリスト公式HP
黒を基調としたまとまりのあるデザインです。かっこいいですね。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「STEALTH」ドライバーから、
出典:テーラーメイド公式HP
上から見るとカーボンフェースの赤が際立っています。スッキリとしていてSIM2とはイメージが変わってきました。
そして「TSi2」ドライバーです。
出典:タイトリスト公式HP
こちらも黒を基調としてスッキリしたデザインです。無駄のない感じがしますね。
「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較
さて、「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
より分かりやすく単純化するために、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「STEALTH」ドライバー | 「TSi2」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.0,10.0,11.0 |
ライ角(°) | 56 | 58.5 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.25 |
クラブ重さ(g) | 300 | 299 |
シャフト重さ(g) | 55 | 44 |
シャフトトルク | 4.7 | 6.1 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D3 | D2 |
ロフト角
ロフト角は、「STEALTH」ドライバーは9度、10.5度、12度が、「TSi2」ドライバーは9度、10.0度、11.0度が用意されています。両者調整機能がついています。
「STEALTH」ドライバーも3種類、「TSi2」ドライバーも3種類です。タイトリストは、他社メーカーで多い10.5度の設定はなく10度です。
ライ角
ライ角は大きく違います。
「STEALTH」ドライバーは56度でフラットライト、「TSi2」ドライバーは58.5度でアップライトです。両者調整機能がついています。
ライ角の基本に従うと、「STEALTH」ドライバーはスライス軌道になりやすい。一方「TSi2」ドライバーはフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「STEALTH」ドライバー300g、「TSi2」ドライバー299gで、同じような重量です。
「STEALTH」ドライバーの方が1g重いです。
シャフトの重量を見てみますと「STEALTH」ドライバーは55g、「TSi2」ドライバーが44gとなっており、シャフトは「STEALTH」ドライバーが11g重いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
「STEALTH」ドライバー:TENSEI RED TM50
「TSi2」ドライバー:TSP110 50
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「STEALTH」ドライバーはD2.5、「TSi2」ドライバーがD2となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きく異なります。
「STEALTH」ドライバーは4.7、「TSi2」ドライバーは6.1となっています。「STEALTH」ドライバーよりも「TSi2」ドライバーの方がかなり大きな値です。
つまり、相対的に「STEALTH」ドライバーの方が少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、「TSi2」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、ということになります。
「STEALTH」ドライバーは少しハードなセッティングといえるでしょうか。
シャフト調子
シャフト調子は「STEALTH」ドライバー、「TSi2」ドライバーともに中調子となっています。
タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは「STEALTH」ドライバーはD3、「TSi2」ドライバーはD2となっています。
「STEALTH」ドライバーの方が若干ヘッドを重く感じるということになります。
まとめ ~「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバー~
「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「STEALTH」ドライバーは、今回最大の特徴である「カーボンフェース」を採用し、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現。
・「TSi2」ドライバーは「ATI 425チタン」フェースとヘッドの空力性能の向上により飛距離性能と許容性を実現。トッププレーヤーが望むヘッド形状、打感、打音など、フィーリング面を改良。
・ライ角は「STEALTH」ドライバーは56度で相対的にスライス軌道になりやすく、「TSi2」ドライバーは58.5度で相対的にフック軌道になりやすい。
・クラブの重量はほぼ同じで「STEALTH」ドライバーの方が1g重い。シャフト重量は「STEALTH」ドライバーの方が11g重い。
・シャフトトルクは大きく異なり「STEALTH」ドライバーは操作性、「TSi2」ドライバーは安定性が高い傾向。
以上のような特徴です。
「STEALTH」は、今回はすでに予約段階からSIM2の数倍、発売初週は過去10年に発売されたドライバーの中で、ダントツの売れ行きだそうです。
実際に「TSi2」ドライバーを試打しましたがとても打ちやすいドライバーでした。
【ドライバー試打】タイトリスト「TSi2」の試打レビュー・感想
以上、「STEALTH」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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