ヤマハは、2021年10月29日にヤマハのアスリート向けブランドRMXシリーズのニューモデルを発売しました。
アスリート向けブランドRMXシリーズがモデルチェンジをして「RMX VD」(リミックス ブイディー)シリーズとして生まれ変わりました。
「VD」のVは向きやベクトルを表す「Vector(ベクター)」、Dは方向を表す「Direction(ディレクション)」のそれぞれ頭文字だそうです。
この「RMX VD」シリーズでヤマハは、特に直進安定性に重要な慣性モーメントを追求しています。慣性モーメントが高いとは、「操作性よりも 曲がりにくさを優先したクラブ」ということになるでしょうか。
一方で、タイトリストは「TSi1・TSi2・TSi3・TSi4」ドライバーをラインナップしています。
このTSiシリーズはフェースに、ゴルフ業界初の航空宇宙評価基準素材「ATI 425」を採用しています。高強度と高弾性を備えるチタン素材を用いることで、飛距離性能と打感をアップさせています。
TSi2・TSi3は2020年11月13日発売、TSi1・TSi4は2021年3月19日発売です。
最も寛容性が高い「TSi1」から「TSi2」「TSi3」、カスタム専用モデル「TSi4」まで4つのモデルがあります。
TSiシリーズの4種類のドライバー比較はこちら
タイトリストTSi1・TSi2・TSi3・TSi4ドライバーを解説
「TSi2」ドライバーの試打レビューはこちら
今回は、「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「RMX VD59」ドライバーの特徴をご紹介
「RMX VD59」の主な特徴を簡単にご紹介します。今回はたくさんの見どころがあります。
RMX VDウェイトシステム
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーの圧倒的な直進安定性を生み出す新機能として「RMX VDウェイトシステム」を搭載しています。
RMX VDウェイトシステムの特長1
どのようにウエイトを調整しても一定の慣性モーメントを実現しています。
変わらない大慣性モーメント「圧倒的な直進安定性」
ヤマハ独自の新システムは、ウェイト位置を調整しても慣性モーメント(VDドライバーは5,003g・㎠、VD59ドライバーは5,820g・㎠)が変化しないから、どのポジションでも高い「直進安定性」を確保。
RMX VDウェイトシステムの特長2
重心角を調整できる幅が非常に広いです。つかまり易いセッティング、つかまりすぎないセッティングなど自由自在です。
変えられる幅広い重心角「スクエアインパクト」
VDドライバーが26.5°~31°、VD59ドライバーは30.5°~36.5°。2モデルで10゜の重心角調整ができ、あらゆるドライバーの重心角ほぼ全域をカバーする。ボールのつかまり過ぎを抑えたい人も、しっかりつかまえたい人も自分のスイングに最適な重心角(つかまり)でスクエアインパクトが実現できる。
クラウン形状とフェースデザイン
クラウン形状とフェースデザインにも改良を加えています。
感性を科学し「飛ぶところで打てる」を実現
ゴルファーは無意識下でヘッド高さの中央だと認識した部分で打とうとする傾向がある。ヤマハはそこに着目し、無意識下で認識する部分と、「最も飛ぶところ(最適打点)=フェース中心やや上部」が一致するように、クラウン形状とフェースデザインを設計した。
(出典:ヤマハ公式HPより)
「TSi2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSi2」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・空力性能が大幅に向上
・マルチMOI設計
・パフォーマンスを引き出す調整機能
新しいフェース「ATI 425チタン」
フェース素材は初採用「ATI 425チタン」です。
新しいフェースが生み出す、新しいスピード
航空宇宙の分野で採用されてきた類稀なる強靭性を誇る「ATI 425チタン」。ゴルフ業界ではフェースに初採用となるこの特殊な金属が「TSi」のスピードパフォーマンスを支えるキーテクノロジーになっています。フェースの広範囲で驚きのボールスピードを発揮し、平均飛距離を大きく伸ばします。
空力性能が大幅に向上
空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化を図っています。
空力を極め、インパクトスピードを最大化
クラブヘッドの空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化。『TSi』をいつものようにスイングするだけで、誰もが大きなボールスピードの向上を実感することが可能になっています。スクエアに構えやすいルックス、心地よい打感はツアープレーヤーをさらに満足させるクオリティに進化。ロングショットに大きな自信を与えます。
マルチMOI設計
マルチMOI設計によりスピン量の適正化、ブレない弾道、飛距離アップを実現しています。
マルチMOI設計がもたらす、さらなるスピード
通常、慣性モーメント(MOI)はヘッドのトゥ・ヒール方向に対するモーメントの大小を表しますが、タイトリストは一方向だけでなく上下・左右・前後とあらゆる方向におけるモーメントを解析し、安定性の向上を総合的に図っています。その多角的なMOI設計がボールスピードのアップ、バックスピン量の適正化、そしてブレない弾道を生み出し、大きな飛距離アップへと導きます。
パフォーマンスを引き出す調整機能
調性機能も付いています。
パフォーマンスを引き出す調整機能
TSiではすべてのプレーヤーのあらゆるスイングに対して、その効果を最大限に高めるために精密な調整機能を備えています。あなたのスイングに合わせて、ベストなパフォーマンスを発揮できるよう調整することが可能です。
出典:タイトリスト公式HP
「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「RMX VD59」ドライバー
圧倒的直進性をすべてのゴルファーに
「TSi2」ドライバー
PURE DISTANCE.
高い許容性が生み出すストレート弾道。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは、今回の目玉である高い慣性モーメントによる直進性を強調しています。
「TSi2」ドライバーは広い打点エリアでの許容性と適正スピンによるストレート弾道を実現します。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まずヤマハ「RMX VD59」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:ヤマハ公式HP
赤を基調としたデザインです。ヤマハはバイクなども作っていますし、さすがかっこいいデザインです。
そして、「TSi2」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:タイトリスト公式HP
黒を基調としたまとまりのあるデザインです。かっこいいですね。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずはヤマハ「RMX VD59」ドライバーから、
出典:ヤマハ公式HP
赤いラインが入ったデザインです。レッドがスポーティな感じがします。
そして「TSi2」ドライバーです。
出典:タイトリスト公式HP
こちらも黒を基調としてスッキリしたデザインです。無駄のない感じがしますね。
「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較
さて、「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
より分かりやすく単純化するために、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「RMX VD59」ドライバー | 「TSi2」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.5(±1)/10.5(±1) | 9.0,10.0,11.0 |
ライ角(°) | 59(59.75、60.5) | 58.5 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.25 |
クラブ重さ(g) | 297 | 299 |
シャフト重さ(g) | 53 | 44 |
シャフトトルク | 5.0 | 6.1 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D2 | D2 |
ロフト角
ロフト角は、「RMX VD59」ドライバーは9.5度と10.5度、「TSi2」ドライバーは9度、10.0度、11.0度が用意されています。両者調整機能がついています。
「RMX VD59」ドライバーは調整機能付きです。
「TSi2」ドライバーは3種類と幅広い設定です。タイトリストは1度刻みで10.5度の設定はなく10度となっています。
ライ角
ライ角はほぼ同じです。
相対的に「RMX VD59」ドライバーは59度でアップライト、「TSi2」ドライバーは58.5度でフラットライトです。これも調整可能です。
相対的に、「RMX VD59」ドライバーは僅かにアップライトのセッティングで、ライ角の基本に従えばわずかにフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「RMX VD59」ドライバー297g、「TSi2」ドライバー299gです。
同じような重量です。「RMX VD59」ドライバーの方が2g軽いです。
シャフトの重量を見てみますと「RMX VD59」ドライバーは53g、「TSi2」ドライバーは44gとなっており、シャフト重量は「RMX VD59」ドライバーの方が9g重いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
「RMX VD59」ドライバー:Diamana YR
「TSi2」ドライバー:TSP110 50
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「RMX VD59」ドライバーはD2、「TSi2」ドライバーもD2となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きな差があります。
「RMX VD59」ドライバーは5.0、「TSi2」ドライバーは6.1となっています。
「RMX VD59」ドライバーの方が、少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、「TSi2」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「RMX VD59」ドライバー、「TSi2」ドライバーともに中調子となっています。
タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは「RMX VD59」ドライバーはD2、「TSi2」ドライバーもD2となっています。
まとめ ~「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバー~
「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは「RMX VDウェイトシステム」によりどのようなセッティングでも安定した直進性を実現
・「TSi2」ドライバーは「ATI 425チタン」フェースとヘッドの空力性能の向上により飛距離性能と許容性を実現。トッププレーヤーが望むヘッド形状、打感、打音など、フィーリング面を改良。
・ライ角はほぼ同じで、「RMX VD59」ドライバーは59度で相対的にフック軌道になりやすく、「TSi2」ドライバーは58.5度で相対的にスライス軌道になりやすいが僅かな差。
・クラブの重量はほぼ同じで「RMX VD59」ドライバーの方が2g軽いが、シャフト重量は「RMX VD59」ドライバーの方が9g重いです。
・シャフトトルクは「RMX VD59」ドライバーは操作性、「TSi2」ドライバーは安定性が高い傾向。
以上のような特徴です。
試打データ・感想もご紹介していますのでよかったらどうぞ。
以上、「RMX VD59」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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