プーマジャパン(株)からCOBRA Golf(コブラゴルフ)の新製品、初速性能と安定性を追求した「キング LTDx」シリーズのドライバーが2022年3月12日に発売です。今回の「LTDx」シリーズは2016年に発売された「LTD」シリーズに由来します。
COBRA Golfは、19-20年、20-21年シーズンの2年連続の平均飛距離1位に輝いたブライソン・デシャンボー(米国)選手が契約していることで有名です。
今回のドライバーのラインナップは以下の3種類です。
・KING LTDx:スタンダードモデル
・KING LTDxMAX:つかまりのよいドローバイアスモデル
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一方で、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」を2021年12月11日に発売しています。前モデルの「ゼクシオ11(イレブン)ドライバー」は2019年12月7日発売から約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」の最大の特徴は「飛びの翼」です。この「飛びの翼」と呼ばれる「アクティブウイング」についても紹介していきます。
両者のスペックはどのように異なっているのでしょうか。
今回は、「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
コブラ LTDxドライバーの特徴をご紹介
まずは、コブラ LTDxドライバーの全般的な特徴をご紹介します。
今回の主な特徴は以下の4つです。
・H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジー
・マルチマテリアル・シャーシ
・CNC ミルド インフィニティフェース
次から順番にご紹介します。
パワーコア・テクノロジー
低スピンと高初速を両立するテクノロジーです。
高初速をもたらす低重心と安定性ドライバー
パワーコア・テクノロジー、マルチマテリアルウェイトシステムは、スチール、チタン、アルミニウムの複数素材で構成されたウェイトで、ヘッド前方の低い位置へ配置することで、低スピンと高初速を両立し、最大限の飛距離を実現しました。
H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジー
AI設計のフェースで全体での反発性能を高めています。
H.O.T フェースデザイン
H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジーは、フェース全体を 15 のポイントに分割し、AI を駆使して、それぞれのポイントを戦略的な厚さで設計し、フェース全体のより広い範囲で反発性能が高まり、ボールスピードを向上させます。
マルチマテリアル・シャーシ
カーボン素材を増量し軽量化することでウエイトの配置を改善しています。
より軽く頑丈に設計
クラウンとソールに装着するカーボン素材の量を 20% 増量し、より軽量で安定したシャーシを採用したマルチマテリアル構造です。この新しい設計により、軽量化しパワーコアの低い位置と前方にウエイトを配置する事ができ、スピードを向上させることができます。
CNC ミルド インフィニティフェース
最新のコンピューター制御の削り出しで仕上げたフェースは、正確で美しい仕上げを実現しま す。またクラウン側の削り出し開始部分の見直しを行い、構えやすさが向上しました。
(出典:コブラゴルフ公式HPより)
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの特徴をご紹介
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」の主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」と「リバウンドフレーム」の2つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー
その他にも、前作ゼクシオイレブンから搭載された「ウェイト・プラス・テクノロジー」をはじめ、「飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー」が数多く盛り込まれています。
前作の発売時、開発者は、この「ウェイト・プラス・テクノロジー」を「今回の核となる技術」と言っていました。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「KING LTDx」ドライバー
LTDx ドライバーは、高初速をもたらす低重心と安定性の究極の融合です。初めて ZERO CGna (究極の低重心)と5,000 以上の慣性モーメントを達成し、他に類を見ないドライバーを作り上げました。高弾道で大きく飛ばすとともに、抜群の安定性も両立しています。
「ゼクシオ12」ドライバー
やさしく振れて、クラブに任せて飛ばす
やさしく、高弾道で大きな飛び
ゼクシオ 12 ドライバー
「KING LTDx」ドライバーは、究極の低重心と高い慣性モーメントによる飛びと安定性の両立です。
一方、ゼクシオ12ドライバーは、やさしく高弾道を強調しています。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「KING LTDx」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:COBRA Golf公式HP
黄色と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。モデルによりウエイトの位置が異なりますが、「KING LTDx」はウエイトが後方に配置されています。
そして「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:ダンロップ公式HP
シルバーを基調とした一目でゼクシオとわかるデザインです。前作の雰囲気を継承しているようにも感じます。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「KING LTDx」ドライバーから、
出典:COBRA Golf公式HP
上から見ると2本ラインがあるのが特徴です。コブラゴルフの「C」マークも見えます。
次に「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:ダンロップ公式HP
「飛びの翼」が見えます。こちらは前作ゼクシオイレブンとは大きく違っています。
「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーのスペックを比較
さて、「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合はロフト角「10.5度」、シャフトの硬さは、「KING LTDx」ドライバーは「SR」、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは「R」のもので比較します。
項目 | 「KING LTDx」ドライバー | 「ゼクシオ12」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.5,10.5,11.5 |
ライ角(°) | 58.5 | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 293(推定値) | 282 |
シャフト重さ(g) | 52.5 | 36 |
シャフトトルク | 5.6 | 6.6 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D1 | D4 |
ロフト角
ロフト角は、「KING LTDx」ドライバーは9度、10.5度、12度(調整機能有)が、「ゼクシオ12」ドライバーは9.5度、10.5度、11.5度が用意されています。
両者とも幅広いニーズに対応しています。
ライ角
ライ角はほぼ同じです。
「KING LTDx」ドライバーは58.5度で相対的にフラットライト、「ゼクシオ12」ドライバーは59度でアップライトです。
ライ角の基本に従うと「KING LTDx」ドライバーはスライス軌道になりやすい、一方「ゼクシオ12」ドライバーはフック軌道になりやすい、となりますが、わずかな差です。
クラブの重さ
クラブの重量は「KING LTDx」ドライバー293g(推定値)、「ゼクシオ12」ドライバー282gです。
推定値での比較ですが、「KING LTDx」ドライバーの方が11g重いです。
シャフトの重量を見てみますと、「KING LTDx」ドライバーが52.5g、「ゼクシオ12」ドライバーは36gとなっており、シャフトは「KING LTDx」ドライバーが16.5g重いです。
ゼクシオのシャフトはかなりの軽量です。
シャフトは以下のもので比較しています。
「KING LTDx」ドライバー:SPEEDER NX for Cobra
「ゼクシオ12」ドライバー:MP1200 カーボンシャフト
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「KING LTDx」ドライバーがD1、「ゼクシオ12」ドライバーはD4となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは異なります。
「KING LTDx」ドライバーは5.6、「ゼクシオ12」ドライバーは6.6となっています。
つまり、相対的に「KING LTDx」ドライバーの方が、少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、「ゼクシオ12」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、ということになります。
「ゼクシオ12」ドライバーの6.6は他のドライバーと比較してもかなり大きな値です。
シャフト調子
シャフト調子は「KING LTDx」ドライバー、「ゼクシオ12」ドライバーともに中調子となっています。
タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは大きな違いがあります。
「KING LTDx」ドライバーはD1、「ゼクシオ12」ドライバーはD4となっています。
「KING LTDx」ドライバーの方がヘッドを軽く感じるということになります。バランスは明確に違います。
まとめ ~「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバー~
「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「KING LTDx」ドライバーはパワーコア・テクノロジーにより低重心を実現し、H.O.T フェーステクノロジー反発性能を高め、マルチマテリアル・シャーシでウエイトの配置を改善し、高弾道で大きく飛ばすとともに、抜群の安定性も両立。
・「ゼクシオ12(トゥエルブ)」は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらにスリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角はほぼ同じ。「KING LTDx」ドライバーは58.5度で相対的にスライス軌道になりやすく、「ゼクシオ12」ドライバーは59度で相対的にフック軌道になりやすいがわずかな差。
・クラブの総重量は、推定値での比較となるが「KING LTDx」ドライバーの方が11重い。シャフト重量は「KING LTDx」ドライバーの方が16.5g重い。
・シャフトトルクは「KING LTDx」ドライバーは5.6で操作性が高い傾向、「ゼクシオ12」ドライバーは6.6で安定性が高い傾向。
・バランスは大きく異なり「KING LTDx」ドライバーはD1でヘッドを軽く感じる、「ゼクシオ12」ドライバーはD4でヘッドを重く感じる。
以上のような特徴です。
実際に「KING LTDx」ドライバーを試打しましたので、よかったらどうぞ。この時は飛距離が伸びました。
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以上、「KING LTDx」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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