プロが球を意図的に曲げる理由
よくプロや上級者が、次のように言っているのを聞いたことはありませんか?
「真っ直ぐ飛ばすのは難しい、だから左か右どちらかに必ず曲げて飛ばした方が良い」
始め聞いたときは「ふーん、そうなんだ」程度にしか思わなかったですが、今一度その理由を考察してみたいと思います
なぜ真っ直ぐ飛ばすのが難しいのか
まず真っ直ぐ飛ばすためには、その逆の「球が曲がる原理」を理解することが重要です
【球が曲がる原理】
インパクトの瞬間において、
- スイングの軌道方向に対して
- フェース面の向きが左右どちらかに向いていると
- フェース面の向きの方向へ球は曲がります
この曲がる原理を踏まえて、曲げないためにはどうすれば良いかというと、
- スイングの軌道方向に対して
- フェース面の向きも同じであれば(左右どちらにも向いていない)
- 球は真っ直ぐ飛ぶ
となります
ですがこれは実質、不可能とも言えます
ほんの少しでも左右に向いていれば、その向いている分だけ左右に曲がることになるわけで、精密機械でも無い限り左右の向き0度でインパクトするのは至難の技だからです
また、インパクトの瞬間以外にも落とし穴はあります
例えば、アドレス時のボールの位置が前後左右バラバラであったり、クラブに対して真っ直ぐグリップできていなかったり、といったことです
これらを毎回きっちり行うことが、真っ直ぐ飛ばすことの前提となるため、それは非常に困難なことです
「逆球」について
球を曲げようとした際に、その逆方向に曲がってしまうことを「逆球が出た」などと言います
これはつまり「意図した方向とは違う方向に曲がってしまう」ということです
では、真っ直ぐ飛ばそうとした際の逆球が何かいうと、「左右どちらかに曲がること」が逆球と言えます
先程あげた通り、真っ直ぐ飛ばすのは至難の技ですから、真っ直ぐ飛ばそうとするとほぼ毎回「逆球がでる」ということになります
これは言い過ぎかもしれませんが、こういった不安というのはプロや上級者達の思考の中ではあると思います
それでも真っ直ぐ飛ばしたい人へ
①できるだけインパクトゾーンを長くする
インパクトゾーンとは、いわゆるナイスショットが打てる範囲とも言えます
スイングの軌道は円弧を描くわけですが、インパクト付近の軌道が直線に近付く程、曲がりづらくなります
つまり、インパクトゾーンが長くなるということは、ミスの幅が狭まるということになります(曲げて飛ばしたい人にも同じことが言えます)
②寛容性を持つ
真っ直ぐ飛ばそうと考える際は、
「多少左右に曲がっても良い」
という寛容さを持つ必要があると考えます
練習場で、真っ直ぐ飛ばそうとして少しでも曲がって納得できない人を見掛けます
ストイックなのは決して悪いことではないですが、今まで述べてきたことから考えると真っ直ぐ飛ばすことにこだわるのは得策とはいえず、むしろ成長の妨げになっているとも言えるかもしれません
曲げることでフェアウェイ幅が2倍になる?
ゴルフマネジメントの基本の中に「フェアウェイキープ」があります
やはりラフなどに入ると不確定要素が増えるため、次のショットに影響を及ぼすことが多くなるためです
特にショットが正確なプロになるほど、このフェアウェイキープ(率)は非常に重要視する傾向があります
ここで例を挙げますが、フェアウェイ幅が40ヤードとして、ストレートボールでフェアウェイキープ率を最大にする打ち方は、真ん中からフェアウェイセンターを狙って打つことになります
左右20ヤード曲がってもフェアウェイキープです
一方、持ち球がドローで逆球が出ないと仮定したとした場合、右側から真っ直ぐ打ち出すことで左に40ヤード曲がってもフェアウェイキープができます
こういった点も意図的にボールを曲げるメリットがあります
まとめ
今回は、
- プロや上級者が球を意図的に曲げる理由
- 真っ直ぐ飛ばすのが難しい理由
の2点について考察してみました
今まで真っ直ぐ飛ばすことにこだわっていた方はこれを機に、「球を曲げる練習をしてみよう」などといった思いを抱いてもらえたら幸いです



