ゴルフ場には、白杭・赤杭・黄杭など、さまざまな色の杭があります。
ボールの近くに杭があると、「スイングの邪魔だから抜いてもいいの?」と迷うことがあります。
結論:白杭は抜けませんが、赤杭・黄杭は簡単に動かせる状態なら無罰で抜くことができます。
ただし、地面に固定されている杭や、ローカルルールで動かせない障害物と定められた杭を、無理に引き抜いてはいけません。
今回の記事では、白杭・赤杭・黄杭の違いと、動かせる杭・動かせない杭を一覧で分かりやすく解説します。
・ボールの近くにある杭を抜いてよいか分からない
・白杭と赤杭・黄杭の違いを知りたい
・杭がスイングの邪魔になる場合の処置を知りたい
・杭を抜いてしまった場合の罰を確認したい
白杭・赤杭・黄杭は抜いていい?
まずは、代表的な杭の扱いを一覧で確認しましょう。
| 杭の種類 | 抜いてよい? | 基本的な扱い |
|---|---|---|
| 白杭 | 抜けない | OBを示す境界物 |
| 赤杭 | 動かせるなら抜ける | レッドペナルティーエリアを示す障害物 |
| 黄杭 | 動かせるなら抜ける | イエローペナルティーエリアを示す障害物 |
| 青杭 | 動かせるなら抜ける場合が多い | 修理地などを示す障害物 |
| 距離表示杭 | 動かせるなら抜ける | 通常は障害物 |
| ティーマーカー | ティーショット前は動かせない | そのホールのティーイングエリアを示す物 |
白杭=コースの境界なので抜けない
赤杭・黄杭=ペナルティーエリアを示す杭なので、動かせる状態なら抜ける

白杭は抜いてはいけない
白杭はアウトオブバウンズ、いわゆるOBの境界を示す杭です。
ゴルフ規則では、OBを定めたり示したりする杭・フェンス・壁などを「境界物」と呼びます。
境界物は、実際には手で簡単に抜ける状態であっても、ルール上は動かせない物として扱われます。
スイングやスタンスの邪魔になるという理由で抜くことはできず、白杭からの罰なしの救済もありません。
白杭がスイングの邪魔になる場合
ボールがOB区域の外ではなく、コース内に止まっていても、白杭がスイングやスタンスの邪魔になることがあります。
この場合は、基本的に次のいずれかを選択します。
・1罰打でアンプレヤブルの救済を受ける
・別の規則による救済が適用できるか確認する
白杭が邪魔だからという理由だけで、罰なしの救済を受けることはできません。
白杭の外側に立って打ってもよい?
ボールがコース内にあれば、プレーヤーがOB区域に立って打つこと自体は認められています。
例えば、ボールは白杭の内側にあるものの、スタンスを取ると両足がOB区域に出る場合でも、そのままプレーできます。
OBかどうかは、プレーヤーの立っている場所ではなく、ボールの位置で判断します。
白杭を抜いてしまったら何打罰?
白杭を動かしただけで、どのような場合でも直ちに罰がつくわけではありません。
しかし、白杭を抜いたことで、次のストロークに影響する状態を改善すると問題になります。
・スタンスを取りやすくなった
・スイング区域が広くなった
・プレーの線が改善された
白杭を動かして状態を改善し、そのままプレーした場合は一般の罰です。
| プレー形式 | 罰 |
|---|---|
| ストロークプレー | 2罰打 |
| マッチプレー | そのホールの負け |
打つ前に白杭を戻せば罰を避けられる場合がある
間違えて白杭を抜いた場合でも、次のストロークを行う前に、白杭を元の位置へできるだけ正確に戻し、改善された状態を解消すれば、罰を避けられる場合があります。
抜いた元の白杭を、元の位置と状態へ戻す必要があります。
競技で白杭を動かしてしまった場合は、自己判断でプレーを続けず、競技委員へ確認するのが安全です。
赤杭は動かせるなら抜いてよい
赤杭はレッドペナルティーエリアの位置や境界を示す杭です。
赤杭は白杭のような境界物ではなく、基本的には障害物として扱われます。
合理的な力で、杭やコースを傷つけずに動かせる場合は「動かせる障害物」となり、無罰で取り除くことができます。
赤杭を抜いたときにボールが動いた場合
ボールが赤杭に寄りかかっているなど、杭を抜いたことでボールが動くことがあります。
動かせる障害物を取り除いたことが原因でボールが動いた場合は、罰はありません。
ただし、ボールは動いた先から打つのではなく、元の場所へリプレースします。元の場所が正確に分からない場合は、合理的に推定します。
黄杭も動かせるなら抜いてよい
黄杭はイエローペナルティーエリアを示す杭です。
杭の扱いは赤杭と同じで、簡単に動かせる状態であれば、動かせる障害物として無罰で抜くことができます。
赤杭と黄杭の違いは、主にペナルティーエリアから救済を受ける場合の選択肢です。
| 杭 | 主な罰ありの救済 |
|---|---|
| 赤杭 | 打ち直し・後方線上・ラテラル救済 |
| 黄杭 | 打ち直し・後方線上の救済 |
赤杭と黄杭で、杭を抜けるかどうかに違いはありません。
赤杭・黄杭が固定されている場合は?
赤杭や黄杭でも、地面へ深く固定されている、コンクリートで固められている、簡単には動かせないといった場合があります。
このような杭は「動かせない障害物」として扱います。
杭を何度も揺らしたり、クラブを使って引き抜いたりする行為も避けましょう。
ボールがペナルティーエリアの外にある場合
ボールがペナルティーエリアの外にあり、固定された赤杭・黄杭が、ボールのライ、意図するスタンス、意図するスイング区域の物理的な障害となる場合は、原則として罰なしの救済を受けられます。
完全な救済のニヤレストポイントを決め、そこから1クラブレングス以内で、ホールに近づかない救済エリアへドロップします。
ボールがペナルティーエリア内にある場合
ボールがペナルティーエリア内にある場合、固定された赤杭・黄杭からの罰なしの救済はありません。
次のいずれかを選択します。
・1罰打でペナルティーエリアの救済を受ける
ペナルティーエリア内では、動かせない障害物、異常なコース状態、地面にくい込んだボールなどから、通常の罰なしの救済を受けることはできません。
赤杭・黄杭を抜いた後は元に戻す?
動かせる赤杭・黄杭は、プレーのために一時的に取り除けます。
プレーが終わったら、後続組がペナルティーエリアの位置を正しく判断できるように、元の穴へ戻しておくのが適切です。
コース保護とマナーの観点からも、使用後は元の位置へ戻しましょう。
杭と地面の線が両方ある場合は?
赤杭・黄杭と同じ色の線が地面に引かれている場合、基本的には地面の線がペナルティーエリアの境界を定め、杭は位置を分かりやすく示すために使われます。
白線と白杭が併用されている場合も、ローカルルールやコースの表示方法を確認しましょう。
杭を抜いても、地面に引かれた境界線の位置が変わるわけではありません。
動かせる杭・動かせない杭一覧
| 物・表示 | 扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 白いOB杭 | 動かせない | 境界物。罰なしの救済なし |
| OBを示すフェンス | 動かせない | 境界物。罰なしの救済なし |
| 動かせる赤杭 | 抜ける | 無罰で取り除ける |
| 動かせる黄杭 | 抜ける | 無罰で取り除ける |
| 固定された赤杭・黄杭 | 抜けない | 動かせない障害物として扱う |
| 動かせる青杭 | 抜ける場合が多い | 修理地を示す障害物 |
| 簡単に外せる距離杭 | 抜ける | 通常は動かせる障害物 |
| 固定された距離表示板 | 抜けない | 条件を満たせば罰なしの救済 |
| プレーするホールのティーマーカー | ティーショット前は動かせない | ティーショット後は扱いが変わる |
スコアカード、カートの案内画面、スタート前の競技条件も確認しましょう。
よくある質問
Q. 白杭が手で簡単に抜けても抜いてはいけませんか?
はい。白杭は物理的に動かせても、ルール上は境界物として動かせない扱いです。スイングの邪魔でも抜くことはできません。
Q. 赤杭や黄杭は必ず抜けますか?
必ずではありません。合理的な力で、杭やコースを傷つけずに動かせる場合だけ抜けます。固定されている杭は無理に抜いてはいけません。
Q. ペナルティーエリア内でも赤杭を抜けますか?
赤杭が動かせる障害物であれば、ボールがペナルティーエリア内にあっても無罰で取り除けます。
Q. 固定された赤杭がスイングの邪魔です
ボールがペナルティーエリアの外にあれば、動かせない障害物からの罰なしの救済を受けられる場合があります。ボールがペナルティーエリア内にある場合は、通常の罰なしの救済はありません。
Q. 杭を抜いたらボールが転がりました
動かせる障害物を取り除いたことが原因であれば無罰です。ただし、ボールは元の場所へリプレースします。
Q. 白杭を抜いてから間違いに気づきました
次のストロークをする前に、抜いた白杭を元の位置へできるだけ正確に戻し、改善された状態を解消してください。競技では競技委員へ確認しましょう。
まとめ
白杭は境界物なので抜けません。赤杭・黄杭は、簡単に動かせる状態なら無罰で抜くことができます。
・赤杭と黄杭は動かせる状態なら無罰で抜ける
・固定された杭は無理に抜かない
・杭を取り除いてボールが動いたら元の場所へ戻す
・ペナルティーエリア内では固定杭からの罰なしの救済はない
杭を見つけたら、色だけでなく、何を示す杭なのか、簡単に動かせる状態なのかを確認しましょう。
迷ったときは無理に杭を抜かず、同伴者や競技委員、ゴルフ場スタッフへ確認するのが安全です。
※本記事はゴルフ規則の定義「境界物」「障害物」「動かせる障害物」と、規則8.1、15.2、16.1、17.1をもとに作成しています。競技ではローカルルールと競技委員の裁定を優先してください。