ゴルフスイングをする上でクラブの重心を管理することは非常に重要です
しかし、『重心管理』という言葉にピンと来ない人もいらっしゃると思います
そこで今回は、
- クラブの重心管理とは何か
- 重心管理をすると何が良いのか
この点について解説していきたいと思います
はじめに、この記事の内容のまとめです
・クラブの偏重心特性を理解することで、スイング中のクラブの挙動を把握しよう
・スイング中は3点「テークバック」「切り返し」「ダウンスイング」において、クラブに適切な力を与える必要がある
では、詳しく内容を見ていきましょう
クラブの重心管理
クラブの重心管理とは、
『スイング中においてゴルフクラブの重心を自分で管理・コントロール出来ていること』を言います
もっと感覚的に言えば、『スイング中に今クラブの重心位置がどこにあって、それを掌握しつつ正しい位置を保つように自分で操っている』という状態です
「重心をキャッチする」などと言ったりもします
どうでしょう。皆さんはスイング中に『今クラブの重心がどこにある』という風に考えたことはありますか?
もちろんラウンド中に意識しすぎるのはよくありませんが、スイングを作る上でこのように考えている人はなかなかのプレイヤーだと思います
恐らく多くの人は『クラブを上げて下ろす』という感覚や、『アウトサイドから上げてインサイドから下ろす』といった、クラブやヘッドの位置・軌道の意識が主となっていると思います
重心管理をすると何が良いのか
重心を管理することで、最小限の力で効率良くスイングができます
重心が適正位置から外れてしまうと、他の動きによってそれを補う必要性が出てきてしまいます
それに伴い、体への負荷がかかるため、怪我のリスクも高まります
再現性の高いスイングを身に付けるためにも、長くゴルフを続けるためにも、重心管理を身に付けることは重要です
ではここからは、クラブの重心がどこにあるのかについて見ていきます
クラブの重心位置と偏重心特性
ゴルフクラブは他の道具を扱うスポーツと比べて特殊な形をしています
例えば野球やテニスではグリップの延長線上に重心が存在しますが、ゴルフクラブはヘッドがグリップ・シャフトの延長線上に無い分、重心が”空中”に存在します
また、ヘッドの形状もバックフェース側に重さが配置されているため、フェース後方寄りに重心位置がずれます
つまり、ゴルフクラブは重心が偏っている、偏重心の特性を持ちます
偏重心の特性は何を引き起こすのか?
フェース後方に重心があるためフェースが開く方向へ荷重がかかりやすく、クラブを動かした際にはよりフェースが開く方向へと力が加わります
テークバックでクラブをインサイドに引いてしまうことや、ダウンスイングでフェースが開いてスライスが出てしまうのは、この偏重心特性が大きく影響しています
偏重心の特性を踏まえた上で重心管理をする
ゴルフクラブの重心管理をするためには、これら偏重心の特性をしっかり理解する必要があります
理解した上で、スイング中に偏重心がクラブに及ぼす影響を把握し、適切に管理をするのです
重心管理のタイミングについて
ではどのタイミングで重心管理が必要なのか?
大別して次の3つのタイミングで意図的に管理する必要があります
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- テークバック
- 切り返し
- ダウンスイング
テークバックでの重心管理
テークバックではヘッドの重さにより、体の右側、インサイドにクラブが入りやすくなっています
そうなると、トップの時点でオーバースイングや右脇が空いたりしやすいです
よって、テークバックではヘッドが若干アウトサイドを通るように力を加えて調整します
ヘッドではなく重心点がオンプレーン上を通ってクラブが上がるイメージをすると良いかもしれません
具体的に力の入れ方ですが、
- 縦コック
- 体の側屈
これらをバランスよく入れることをおすすめします
手が体から離れてアウトサイドに軌道を持っていくのは、手と体の同調性が失われるため、おすすめしません
切り返しでの重心管理
切り返しは非常に重要です
なぜなら切り返し以降はスイングの加速と重力加速度が加わるため、クラブ軌道を自在には操れなくなります
切り返しでクラブヘッドがどこへ向かうかによって球筋が決まるといっても過言ではありません
切り返しでは飛球線後方に出力することにより、効率よく適切な軌道のダウンスイングが生み出されます
釣り竿を投げるようなイメージが良いでしょう
多くのアマチュアはボールに当てたくてボール方向に出力しがちですが、これでは右肩が前に突っ込んでしまい、カット軌道の誘発や適性なクラブの入射角が作れません
ボールに向かってではなく飛球線後方に向かって出力することで、スイングは大きい円弧を描いて加速し、適正な入射角でのインパクトを作れます
ダウンスイングでの重心管理
ダウンスイングでは、先述のとおりフェースの偏重心特性により、フェースが開く方向へ慣性の力が働きます
ですから、ダウンスイングではフェースが閉じる方向にグリップを回すことで、その力を相殺します
このフェースを閉じる動作のことを、ゴルフ用語では「ローテーション」や「スピネーション」と言った言葉で表されます
おまけ、お手軽カスタマイズ
下の写真のように、クラブの重心バランスの位置にカラーテープなどを貼り付けておくだけで視覚効果が生まれます
もちろん人に寄りますが、このテープの位置を意識してスイングすることで、ナイスショットが出やすくなります
お手軽なのでオススメです
まとめ
クラブの重心管理についてのまとめをおさらいです
・クラブの偏重心特性を理解することで、スイング中のクラブの挙動を把握しよう
・スイング中は3点「テークバック」「切り返し」「ダウンスイング」において、クラブに適切な力を与える必要がある
・切り返しでは、飛球線後方に出力することで適正なスイングプレーンを確保する
・ダウンスイングでは、フェースが閉じる方向にグリップを回すことで偏重心によるフェースの開きに対抗する
クラブの重心管理をするということは、『あくまでゴルフスイングはクラブが主役である』という考え方が基本となります
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- クラブがどう動きたいのか?どう動いたら効率が良いか?
- その為には人間はクラブをどう導けば良いのか?
世間一般にスイング理論は沢山ありますが、人間の動作を軸にスイングを捉えてしまうとクラブの動きがおざなりになってしまうということがよく起こります
クラブの重心管理を身に付けて、適正で体に無理の無いスイングを目指しましょう