2019年1月1日から「新しいゴルフ規則」が施行されました。
この新しい規則は、
・規則の内容を変更するだけでなく
・条項をよりわかりやすいように再構成し
・文言も易しい表現に変更して
すべてのゴルファーにとって読みやすいものになりました。
ルールを正しく知ってるゴルファーはかっこいいです。
- 新しいゴルフ規則の概要
- 新しいゴルフ規則の主な変更点
- プレーヤーの行動について
- コースの名称の改正
- クラブが損傷した場合
- 距離計測機の取り扱い
- 速やかなプレーペースの奨励
- ボールを捜す時間
- スタンスを取った後に後方に人を立たせることの禁止
- 救済を受ける場合等のマーカーへの告知
- 捜索中にボールを動かしてしまった場合
- ストロークしたボールが偶然何かに当たった場合
- ボールを動かしたことの判断基準
- ストローク中に複数回ボールを打ってしまった場合
- 地面に食い込んだボール
- パッティンググリーンのプレーの線に触れること
- グリーン上の損傷個所の修理
- グリーン上のボールを動かすこと
- グリーン上にリプレースしたボールが動いた場合
- グリーン上のボールをキャディが拾い上げること
- ホールに旗竿を立てたままプレーすること
- バンカー内のルースインペディメント
- バンカー内のボールに対するアンプレヤブルの新しい選択
- 新しい「ペナルティエリア」について
- ボールの取り換え
- クラブレングス
- 新しいドロップの方法
- 再ドロップの要件
- ルールを覚えてスマートにプレー
新しいゴルフ規則の概要
新しいゴルフ規則はゴルフのラウンドをより分かりやすく、これからゴルフを始める人にとっても理解しやすいようになっています。
プレーヤーに易しい改正が行われた一方で、これまで以上にプレーヤーの責任を明確にし、プレーヤーの正直さ、誠実さを信じることを明記しています。
そして、ゴルフにおける最大の課題の一つであるスロープレーを解決するために多くの規則を改正しました。
この新しい規則は世界統一の規則であり、プロ、アマ問わず適用されます。
規則の変更は多岐にわたっていますが、その中から特にプレーヤーが関わる機会が多いと思われる規則を以下にまとめました。
皆様のゴルフのプレーのお役に立てば何よりです。
新しいゴルフ規則の主な変更点
プレーヤーの行動について
ゴルフはプレー自身が規則を適用し、自らに罰を課すスポーツです。プレーヤーはラウンド中のすべての場面で、正直で誠実でなくてはなりません。
そして、規則もプレーヤーが合理的に行った判断をできるだけ尊重することが追記されています。
コースの名称の改正
・ティーイングエリア
「ティーグラウンド」と呼ばれていたものが、「ティーイングエリア」となりました。
・ジェネラルエリア
ティーインググランドとパッティンググリーン以外のことを「スルーザグリーン」と呼んでいましたが「ジェネラルエリア」となりました。
・ペナルティエリア
ウォーターハザードに変わる新しい概念として、「ペナルティエリア」が創設されました。
クラブが損傷した場合
クラブを損傷してしまった場合の選択肢は2つあります。どのようにしてクラブが壊れたのか、損傷はどのような状態は関係ありません。
・そのまま使う。
・プレーを遅らせることなく修理する。
距離計測機の取り扱い
近年の流行りの距離計測機です。距離計測機は原則として使用することができます。
ただし、ローカル・ルールで禁止することもできますので、ローカル・ルールはしっかり確認しておきましょう。
距離計測機についても、あくまでも2点間の距離を計測することが認められており、それ以外の問えば、高低差などのプレーに影響する状況を計測する機能は使用できません。
速やかなプレーペースの奨励
プレーヤーは、通常、自分の番になってから40秒以内でストロークを行わなければなりません。
また、ボールの位置が遠い人から打つというプレーに慣れ親しんできた人も多いですが、ボールの位置に関係なく準備ができて安全が確認できたプレーヤーからプレーすることが奨励されています。
ボールを捜す時間
ボールを捜す時間は、3分間です。
現行の5分から短縮されました。
スタンスを取った後に後方に人を立たせることの禁止
スタンスを取り始めた後に後方に人を立たせることが禁止されました。
例えば、フェアウェイからボールを打つときにキャディを後方に立たせてスタンスを取った場合、その後にキャディが別の場所に移動しても2打罰を受けます。
これもスロープレー対策です。
救済を受ける場合等のマーカーへの告知
規則に従って救済を受ける場合、マーカーに事前に知らせたり、立ち合わせたりする必要はありません。
プレーヤーが規則に基づいて誠実に処理することが求められます。
捜索中にボールを動かしてしまった場合
ボールを捜索中に自分のボールをうっかり動かしてしまっても罰はなく、そのボールを元の位置にリプレースします。
ストロークしたボールが偶然何かに当たった場合
ストロークしたボールが偶然、人や用具、カートに当たっても罰はありません。
ボールを動かしたことの判断基準
ボールが動いた場合、プレーヤーが原因なのか、それとも風や傾斜などが原因なのか判断が難しい場合があります。
新しい規則では、プレーヤーがボールを動かす原因となっていたと判断する基準を
「分かっているか、事実上確実」と規定しています。
分かっているとはプレーヤーが100%ボールを動かしたこと、事実上確実は95%以上の明確な証拠があってプレーヤーがボールを動かしたことを意味します。
要するに95%以上の確率で、明確にプレーヤーがボールを動かしたということがはっきりしている場合、プレーヤーがボールを動かしたこととなります。
ストローク中に複数回ボールを打ってしまった場合
複数回ボールを打ってしまった場合とは、例えば2度打ちしてしまった場合です。
そのような場合でも罰はありません。
通常の1打としてカウントします。
地面に食い込んだボール
ジェネラルエリアでボールが食い込んだ場合です。
例えば、フェアウェイにボールが食い込んだ場合、罰なしで救済をうけることができます。
パッティンググリーンのプレーの線に触れること
パットをしたボールが転がっていくと推定するプレー線に触れたとしても、その状態を改善することがなければ罰はありません。
グリーン上の損傷個所の修理
グリーン上の損傷個所は修理することができます。
例えば、ボールが通る線上のスパイクによる損傷も修理することができます。
しかし、自然の凹凸やグリーンの摩耗などを修理することはできません。
グリーン上のボールを動かすこと
グリーン上にある自分のボールを偶然に動かしても罰はありません。
そのボールは元の位置にリプレースすることになります。
グリーン上にリプレースしたボールが動いた場合
グリーン上のボールをマークして拾い上げて、元の位置にリプレースしたボールが偶然動いた場合、その原因が何であっても、そのボールは罰なしに元の位置にリプレースします。
グリーン上のボールをキャディが拾い上げること
グリーン上のボールをキャディがマークして拾い上げる場合、プレーヤーの承諾は必要ありません。
ホールに旗竿を立てたままプレーすること
旗竿を立てたままパットすることができます。
ホールに旗竿を立てたままパットして、そのボールが旗竿に当たったとしても罰はありません。
この改正によって、グリーン上のプレーの迅速化が図られています。
バンカー内のルースインペディメント
ボールがバンカー内にある場合、そのバンカー内にあるルースインペディメントは取り除くことができます。
ルースインペディメントとは、枝、木の葉、石などの自然物のことです。
バンカー内のボールに対するアンプレヤブルの新しい選択
バンカー内のボールに対するアンプレヤブルの処置に、現行の1打罰の処置の他に2打罰でボールとホールを結ぶ線上でそのバンカーの外の後方に基点をきめて、その基点から1クラブレングス以内でホールに近づかない救済エリアにボールをドロップする処置が追加されました。
詳しくはこちらをどうぞ
新しい「ペナルティエリア」について
ウォーターハザードという概念はなくなりました。
新しく「ペナルティエリア」となりました。
ペナルティエリアは水域でない区域にも設定できます。例えば、ボールを動かすことが困難なブッシュや崖などです。
ボールの取り換え
規則に基づいて救済を受ける場合には、ボールを別のボールに取り替えることができます。
カート道、修理地、水たまり、地面に食い込んだボールなどの罰なしの救済の場合であってもボールを取り替えることができます。
クラブレングス
規則に基づいてクラブレングスを計測する場合、プレーヤーが持っている最も長いクラブを使用しなければなりません。
逆に言えば、短いクラブで計測することはできません。
新しいドロップの方法
現行では肩の高さからドロップですが、
膝の高さからドロップすることとなりました。
ボールが大きく転がることを防ぎ、プレーを迅速にすることができます。
再ドロップの要件
新しいゴルフ規則では、それぞれの救済措置に救済エリアを設けています。
例えば、カート道からの救済の場合、救済のニアレスポイントから1クラブレングス以内で、ホールに近づかず、その障害がさけられる区域を救済エリアと言います。
ドロップしたボールは、この救済エリアに落ちてそのエリア内に止まらなければなりません。
ドロップしたボールが救済エリアから外に出た場合は再ドロップとなります。
リプレースする場所が不明の場合
規則に基づきボールをリプレースする時に、その場所が不明場合、リプレースする場所を推定します。
現行はドロップすることとなっていますが、新しい規則ではリプレースです。
ルールを覚えてスマートにプレー
以上、2019年1月1日施行の新しいゴルフ規則の要点を取り上げてみました。
知ってること知らないことあったと思います。
新しいゴルフ規則は、条項もわかりやすくなりました。
特にスロープレー対策のために様々な改正が行われており、スムーズにプレーが進むように改良が加えられています。
正確な規則やルールを知っているゴルファーって尊敬できますよね。
新しいルールを知って正しく適用し、スマートにプレーしましょう。
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