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【ドライバー編】「パラダイム」とスリクソン「ZX5 Mk II(マーク2)」の違いを比較解説【キャロウェイvsダンロップ】

ゴルフクラブ・ギア

キャロウェイゴルフは2023年の最新モデルとなる「PARADYM」(パラダイム)シリーズのドライバーを2023年2月下旬から発売すると発表しました。

「PARADYM」は「Paradigm shift(パラダイムシフト)」に由来しています。

それまで当然と考えられていた「飛距離とやさしさのどちらかを犠牲にする時代の終わり」を意味することからが付けられたネーミングです。

業界初の360°カーボンシャーシが余剰重量を再配分し、フェース側ではスピードを、ソール後方部ではやさしさを最大化。爆発的な飛距離を実現し、さらに着弾範囲のバラつきを約15%抑制したとのことです。

ヘッドのラインナップは以下の4種類です

パラダイム 飛びとやさしさのスタンダードモデル
パラダイムX やさしさとつかまり重視モデル
パラダイムMAX FAST(マックスファクト) つかまる軽量モデル
パラダイム♦♦♦(トリプルダイヤモンド) アスリート向けモデル

パラダイムドライバーをやさしく簡単に解説【パラダイム、X、MAX FAST、トリプルダイヤモンドの違い】

一方、スリクソンは「スリクソン ZX Mk II シリーズ」のドライバーを2022年11月19日に発売しました

2020年に発売した「スリクソン ZXシリーズ」の後継となります。

フルチタン構造「シームレス」とエッジをさらに丸く、厚くした「エッジレス」なヘッドによるスムーズで大きなたわみが衝撃のインパクトを生み出し、驚異のボールスピードを実現しています。

「ZXシリーズ」ドライバーは、2021年の「マスターズ」を制覇した松山英樹選手が使用していることで有名です。

今作は2代目「Mk II(マークツー)」となりました。

ヘッドは「ZX5 Mk II」「ZX5 Mk II LS」「ZX7 Mk II」の3タイプです。

・ZX5 Mk II…大きな飛距離と寛容性
・ZX5 Mk II LS…低スピンの強弾道
・ZX7 Mk II…大きな飛距離と操作性

試打レビュー・感想はこちら

「ZX5 Mk II」「ZX5 Mk II LS」「ZX7 Mk II」ドライバーの試打レビュー・感想

今回は、「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーの2モデルを比較してみます。

クラブを購入される際に参考になれば幸いです。

「パラダイム」ドライバーの特徴をご紹介

主な特徴は以下の5つです。

・業界初360°カーボンシャーシが起こしたパラダイムシフト
・約25%軽量化され、スリムになったJAILBREAKテクノロジー

・新しいAI FLASHフェースが、前後左右のバラつきを補正
・約13.5gのペリメーターウェイトなどで前作以上の慣性モーメント
・オーソドックスで構えやすい、洋ナシ型に近いフォルム

業界初※360°カーボンシャーシが起こしたパラダイムシフト

ヘッドの中間部分(シャーシ)がカーボンになり大幅に軽量化しました。

「まさに名前のとおりのパラダイムシフトを起こしたと言えるのが、業界初の360°カーボンシャーシです。ヘッドの中間部分のうち、クラウン側をトライアクシャルカーボン、ソール側をフォージドカーボンで構成し、金属部分を完全に排除。これにより従来では考えられなかったほどの軽量化と余剰重量の創出が達成され、飛距離性能とやさしさを極限まで妥協することなく最大化することが可能となりました。中間部の軽量化は、すべてチタンにした場合と比較して、じつに約44%にも上ります。※特許申請中

約25%軽量化され、スリムになったJAILBREAKテクノロジー

どこ当たっても飛ぶ「JAILBREAKテクノロジー」も新しくなって軽量化しました。

ヘッド前方部では、最大限の飛距離性能を追い求めるべく、よりボールスピードを高めることのできる最適な形状をAIが設計。その結果として導かれたのが、フェースカップ構造、よりスリムな形状となったJAILBREAKテクノロジーでした。フェースカップは、新しいJAILBREAKテクノロジーの効果も手伝って、フェースの際までたわませることが可能。一方でJAILBREAKテクノロジーは、前作のJAILBREAK AI SPEED FRAMEよりも約25%軽量になりながら、ボディの剛性バランスをしっかりと維持し、フェース全体でボールスピードを向上させることに貢献しています。

新しいAI FLASHフェースが、前後左右のバラつきを補正

AI設計のフェースも一新しています。

AI FLASHフェースも、さらに複雑な演算を行わせたことで大きく進化を果たしました。今回は、飛びの3要素に加え、ボール着弾地点の範囲を小さくすることも考慮した新たなアルゴリズムによって、AIが設計開発。打点などがずれても、フェースが狙ったターゲットへと飛んでいく弾道に補正します。キャロウェイゴルフのテストでは、着弾範囲のバラつきを約15%も抑制*したことが確認できています。もちろん、AIの設計はモデル別に行われておりターゲットにあった性能が発揮されるように設計されています。
*テストレンジでROGUE ST MAXドライバーとPARADYMをプレーヤーテストし、PARADYMの着弾範囲(楕円面積)が約15%縮小した結果に基づくもちろん、AIの設計はモデル別に行われています。

約13.5gのペリメーターウェイトなどで前作以上の慣性モーメント

スタンダードモデルの「PARADYMドライバー」では、ヘッド後部に約13.5gのペリメーターウェイトを搭載したことなどもあり、前作よりも慣性モーメントが大きくアップしています。もちろん、ペリメーターウェイトの位置調整により、弾道を好みのものへとチューニングすることもできます。

オーソドックスで構えやすい、洋ナシ型に近いフォルム

「PARADYMドライバー」のヘッドは、ROGUE ST MAXドライバーよりもやや洋ナシ型でオーソドックスに近い、とても構えやすい形状となっています。ロフト設定は、9度、10.5度、12度の3種類。アジャスタブルホーゼルを採用しているため、ロフト角、ライ角を調整することもできます。

(出典:キャロウェイ公式HP

「ZX5 Mk II」ドライバーの特徴をご紹介

「ZX5 Mk II」ドライバーの特徴を説明していきます

進化した「REBOUND FRAME Mk II」

剛性の低いエリアと高いエリアを交互に配置し、反発力を向上しています。

きなたわみを生み出す「FLEX ZONE(剛性の低いエリア)」とパワーを逃さず、しっかりと受け止める「RIGID ZONE(剛性の高いエリア)」を交互に配置することで、反発性能が大きく向上し、驚異のボールスピードを実現。

フルチタン構造による効果

接合部がない「シームレス」構造により、高反発エリアが110%拡大しました。

フルチタン構造により接合部がない「シームレス」を実現

高慣性モーメントと低重心化により寛容性を実現

強度を維持しながらクラウン全体を薄肉化し、
生み出した余剰重量を最適配分することで、
高慣性モーメントと低重心設計を可能にし、寛容性を実現。

進化した反発性能

軽比重・高強度・高弾性チタン「Super-TIX® 51AF」を採用し、
インパクト時に大きなたわみを生み出す薄肉フェース。
従来モデルから中央部をさらに薄くすることでたわみが進化。

(出典:ダンロップ公式HP)

「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーの比較

クラブのコンセプト比較

「パラダイム」ドライバー

飛びとやさしさの妥協なき融合
時代を変革するスタンダードモデル

「ZX5 Mk II」ドライバー

フルチタン構造だからこそ実現できた「REBOUND FRAME Mk II」がスリクソン史上最大のボールスピードを実現。
大きな飛距離と寛容性を兼ね備えたZX5 Mk II ドライバー。

「パラダイム」ドライバーは、飛びとやさしさの劇的変化(パラダイムシフト)です。

一方、「ZX5 Mk II」ドライバーは「REBOUND FRAME Mk II」によるボールスピード、大きな飛距離と寛容性を特徴としています。

デザイン比較

ソール側のデザイン比較

まず「パラダイム」ドライバーはこのようなデザインです。

青を基調とした高級感のあるデザインです。

そして、「ZX5 Mk II」ドライバーはこのようなデザインです。

全体的なイメージや形状は前作を承継しています。

カラーがシルバーのデザインになりました。Mk IIのロゴが見えます。

上から見たヘッドの形状

まずは「パラダイム」ドライバーから、

上からの視点も青系のカッコいいデザインです。

次に「ZX5 Mk II」ドライバーです。

黒を基調としたシンプルなデザインです。

「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーのスペックを比較

「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーのスペックを比較してみましょう。

複数数値がある場合は、ロフト角「10.5」、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。

項目  「パラダイム」ドライバー 「ZX5 Mk II」ドライバー
ロフト角(°) 9.0,10.5,12.0 9.5,10.5
ライ角(°) 59 58.5
ヘッド体積(cc) 460 460
クラブ長さ(インチ) 45.5 45.25
クラブ重さ(g) 305(SR) 300(SR)
シャフト重さ(g) 51(SR) 47(SR)
シャフトトルク 4.7 5.9
シャフト調子 中調子 中調子
バランス D3.5 D2

ロフト角

ロフト角は、「パラダイム」ドライバーは9.0度、10.5度、12.0度、「ZX5 Mk II」ドライバーは9.5度、10.5度が用意されています。

両者とも調整機能があります。

ライ角

ライ角は少し違います。

「パラダイム」ドライバーは59度、「ZX5 Mk II」ドライバーは58.5度です。

「パラダイム」ドライバーの方がアップライトで相対的にフック軌道になりやすいと言えます。

ライ角とは、クラブのソールが水平になるように置いた時に、シャフトの中心線と水平な地面とが成す角のことです。この角度が大きくシャフトが立っている状態のことを「アップライト」、角度が小さくシャフトが寝た状態のことを「フラット」といいます。ライ角がアップライト(角度が大きい)であると一般的にボールがフック軌道になりやすい。また、フラットライト(角度が小さい)であるとボールがスライス軌道になりやすいという特性があります。

クラブの重さ

クラブの重量は「パラダイム」ドライバーは305g、「ZX5 Mk II」ドライバーは300gです。

クラブ重量は「パラダイム」ドライバーの方が5g重いです。

シャフトは以下のもので比較しています。

シャフトの重さは、「パラダイム」ドライバーは51g、「ZX5 Mk II」ドライバーは47gで、「パラダイム」ドライバーの方が4g重いです。

キャロウェイ「パラダイム」ドライバー:VENTUS TR 5 for Callaway(SR)

スリクソン「ZX5 Mk II」ドライバー:Diamana ZX-II50(SR)

シャフトトルク

シャフトトルクは違います。

「パラダイム」ドライバーは4.7、「ZX5 Mk II」ドライバーは5.9です。

相対的に「パラダイム」ドライバーの方が操作性が高い、「ZX5 Mk II」ドライバーの方が安定性が高い、ということになります。

シャフトトルクとは、一言でいえば手の動きとの連動性の度合いです。このトルクが小さいほど、手の動きに対してヘッドが敏感に反応します。逆にトルクが大きいほど、手の動きに対してヘッドの動きが鈍感になります。よく、トルクとはクルマのハンドルの遊びのようなものと言われます。要するに、自分の手がちょっと動いたらヘッドも敏感に反応するのか、ちょっとぐらい動いてもヘッドが反応しないのかということです。

シャフト調子

シャフト調子は「パラダイム」ドライバーは中調子、「ZX5 Mk II」ドライバー中調子となっています。

中調子は、タメも作りやすくヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。

シャフトの調子は、キックポイントとも呼ばれます。大きく分けて3種類あり「先調子(ロー)」、「中調子(ミドル)」、「元調子(ハイ)」があります。

先調子は、シャフトの先端側にキックポイントが設定されているシャフトです。しなるポイントがヘッドに近いため、ヘッドが走りやすくボールがつかまりやすい。ボールをつかまえたい、打ち出し角を高くしたいというゴルファーには先調子がおすすめと言われます。
元調子は、キックポイントがシャフトの手元側に設定されているシャフトです。切り返しで手元側がしなることでタメが作りやすいが、その分ボールはつかまりにくいと言われます。ボールを叩くパワーのあるゴルファーには元調子がおすすめと言われます。
中調子は、キックポイントがシャフトのちょうど中央付近に設定されているシャフトです。先調子と元調子の中間的な性能です。タメも作りやすく、ヘッドもある程度走ります。中調子は安定感があり、万人向けと言われます。

先中調子は、先端側よりやや中央寄りにキックポイントを設定していて、先調子と中調子の中間的性能を持ったシャフトです。
中元調子は、手元側よりやや中央寄りにキックポイントを設定していて、中調子と元調子の中間的性能を持つシャフトです。

バランス

バランスは違いがあります。

「パラダイム」ドライバーはD3.5、「ZX5 Mk II」ドライバーはD2です。

ヘッドを重く感じるのは、「パラダイム」ドライバーの方と言えそうです。

バランスとは、スウィングウェートとも呼ばれます。スイングした時に感じるヘッドの重さを数値に表した指標です。クラブ全体の重さに対して、ヘッドの重さの比率を示すもので、A1が最もヘッドが軽く、E9が最もヘッドが重い。一般的なゴルフクラブでは、D0からD4までの設定になっています。感覚としてよく、D1は軽くD4は重いと表現されたりします。

まとめ ~「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバー~

「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーの違いをまとめてみました。

私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。

・「パラダイム」ドライバーは「飛距離とやさしさのどちらかを犠牲にする時代の終わり」を意味するネーミング。業界初の360°カーボンシャーシが余剰重量を再配分し、フェース側ではスピードを、ソール後方部ではやさしさを最大化。爆発的な飛距離を実現し、着弾範囲のバラつきを約15%抑制

・「ZX5 Mk II」ドライバーは、フルチタン構造「シームレス」とエッジをさらに丸く、厚くした「エッジレス」なヘッドによるスムーズで大きなたわみが衝撃のインパクトを生み出し、驚異のボールスピードを実現。

ライ角は「パラダイム」ドライバーは59度、「ZX5 Mk II」ドライバーは58.5度で「パラダイム」ドライバーの方が、アップライトで相対的にフック軌道になりやすい。

・クラブの総重量は「パラダイム」ドライバーの方が5g重い。シャフト重量は「パラダイム」ドライバーの方が4g重い。

・シャフトトルクは「パラダイム」ドライバーは4.7で相対的に操作性が高い、「ZX5 Mk II」ドライバーは5.9で相対的に安定性が高い。

・バランスは「パラダイム」ドライバーはD3.5、「ZX5 Mk II」ドライバーはD2で、「パラダイム」ドライバーの方がヘッドを重く感じる。

以上のような特徴です。

一度、試打して確かめてみたいですね。

以上、「パラダイム」ドライバーと「ZX5 Mk II」ドライバーの違いをまとめてみました。

スリクソンやゼクシオは、ステルス2やパラダイムに比べて全体的に重量が軽めに感じます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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