ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」を2021年12月11日に発売しました。前モデルの「ゼクシオ11(イレブン)ドライバー」は2019年12月7日発売ですから、約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」の最大の特徴は「飛びの翼」です。
「アクティブウイング」と名付けられたこの「飛びの翼」についても紹介していきます。また、ゼクシオのアスリートモデルとも言われる新「ゼクシオエックス」との比較についてはこちらで紹介しています。
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一方で、タイトリストは「TSi1・TSi2・TSi3・TSi4」ドライバーをラインナップしています。
このTSiシリーズはフェースに、ゴルフ業界初の航空宇宙評価基準素材「ATI 425」を採用しています。高強度と高弾性を備えるチタン素材を用いることで、飛距離性能と打感をアップさせています。
TSi2・TSi3は2020年11月13日発売、TSi1・TSi4は2021年3月19日発売です。
最も寛容性が高い「TSi1」から「TSi2」「TSi3」、カスタム専用モデル「TSi4」まで4つのモデルがあります。
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今回は、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと標準的モデルの位置づけの「TSi2」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。


「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの特徴をご紹介
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」の主な特徴をご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」と「リバウンドフレーム」の2つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー
その他にも、前作ゼクシオイレブンから搭載された「ウェイト・プラス・テクノロジー」をはじめ、「飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー」が数多く盛り込まれています。
前作の発売時、開発者は、この「ウェイト・プラス・テクノロジー」を「今回の核となる技術」と言っていました。
(出典:ダンロップ公式HPより)
「TSi2」ドライバーの特徴をご紹介
「TSi2」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・空力性能が大幅に向上
・マルチMOI設計
・パフォーマンスを引き出す調整機能
新しいフェース「ATI 425チタン」
フェース素材は初採用「ATI 425チタン」です。
新しいフェースが生み出す、新しいスピード
航空宇宙の分野で採用されてきた類稀なる強靭性を誇る「ATI 425チタン」。ゴルフ業界ではフェースに初採用となるこの特殊な金属が「TSi」のスピードパフォーマンスを支えるキーテクノロジーになっています。フェースの広範囲で驚きのボールスピードを発揮し、平均飛距離を大きく伸ばします。
空力性能が大幅に向上
空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化を図っています。
空力を極め、インパクトスピードを最大化
クラブヘッドの空力性能を大幅に向上させ、クラブスピードを最大化。『TSi』をいつものようにスイングするだけで、誰もが大きなボールスピードの向上を実感することが可能になっています。スクエアに構えやすいルックス、心地よい打感はツアープレーヤーをさらに満足させるクオリティに進化。ロングショットに大きな自信を与えます。
マルチMOI設計
マルチMOI設計によりスピン量の適正化、ブレない弾道、飛距離アップを実現しています。
マルチMOI設計がもたらす、さらなるスピード
通常、慣性モーメント(MOI)はヘッドのトゥ・ヒール方向に対するモーメントの大小を表しますが、タイトリストは一方向だけでなく上下・左右・前後とあらゆる方向におけるモーメントを解析し、安定性の向上を総合的に図っています。その多角的なMOI設計がボールスピードのアップ、バックスピン量の適正化、そしてブレない弾道を生み出し、大きな飛距離アップへと導きます。
パフォーマンスを引き出す調整機能
調性機能も付いています。
パフォーマンスを引き出す調整機能
TSiではすべてのプレーヤーのあらゆるスイングに対して、その効果を最大限に高めるために精密な調整機能を備えています。あなたのスイングに合わせて、ベストなパフォーマンスを発揮できるよう調整することが可能です。
出典:タイトリスト公式HP
「ゼクシオ12」ドライバーと「TSi2」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー
やさしく振れて、クラブに任せて飛ばす
やさしく、高弾道で大きな飛び
ゼクシオ 12 ドライバー
「TSi2」ドライバー
PURE DISTANCE.
高い許容性が生み出すストレート弾道。
今回の「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーのコンセプトは、より「やさしさ」を強調しています。
「TSi2」ドライバーは広い打点エリアでの許容性と適正スピンによるストレート弾道を実現します。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインとなりました。
出典:ダンロップ公式HP
一目でゼクシオとわかるデザインです。前作の雰囲気を継承しているようにも感じます。
そして、「TSi2」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:タイトリスト公式HP
黒を基調としたまとまりのあるデザインです。かっこいいですね。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーから、
出典:ダンロップ公式HP
「飛びの翼」が見えますね。こちらは前作とは大きく違っています。
そして「TSi2」ドライバーです。
出典:タイトリスト公式HP
こちらも黒を基調としてスッキリしたデザインです。無駄のない感じがしますね。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較
さて、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
複数数値がある場合は、ロフト角「10.5度」、シャフトの硬さは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは「R」、「TSi2」ドライバーは「SR」のもので比較します。
項目 | 「ゼクシオ12」ドライバー | 「TSi2」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.5,10.5,11.5 | 9.0,10.0,11.0 |
ライ角(°) | 59 | 58.5 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.25 |
クラブ重さ(g) | 282 | 299 |
シャフト重さ(g) | 36 | 44 |
シャフトトルク | 6.6 | 6.1 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D4 | D2 |
ロフト角
ロフト角は、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは9.5度、10.5度、11.5度が、「TSi2」ドライバーは9度、10.0度、11.0度(調整機能あり)が用意されています。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーも3種類、「TSi2」ドライバーも3種類です。タイトリストは、他社メーカーで多い10.5度の設定はなく10度です。
ライ角
ライ角はほぼ同じです。
相対的に「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは59度でアップライト、「TSi2」ドライバーは58.5度(調整機能あり)でフラットライトです。
近頃は59度設定のドライバーが多い傾向です。
相対的に「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは僅かにアップライトのセッティングで、ライ角の基本に従えばフック軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー282g、「TSi2」ドライバー299gです。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が17g重いです。
シャフトの重量を見てみますと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは36g、「TSi2」ドライバーが44gとなっており、シャフトも「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーが8g重いです。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が全体的に軽めです。
シャフトは以下のもので比較しています。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー:MP1200 カーボンシャフト
「TSi2」ドライバー:TSP110 50
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはD4、「TSi2」ドライバーがD2となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは安定性重視の傾向です。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは6.6、「TSi2」ドライバーは6.1となっています。両者とも他社ドライバーと比較すると大きな値で安定性重視の傾向です。
相対的には、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、「TSi2」ドライバーの方が、少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー、「TSi2」ドライバーともに中調子となっています。
タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはD4、「TSi2」ドライバーはD2となっています。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が若干ヘッドを重く感じるということになります。
まとめ ~「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバー~
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「ゼクシオ12(トゥエルブ)」は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。さらにスリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・「TSi2」ドライバーは「ATI 425チタン」フェースとヘッドの空力性能の向上により飛距離性能と許容性を実現。トッププレーヤーが望むヘッド形状、打感、打音など、フィーリング面を改良。
・ライ角はほぼ同じで、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは59度で相対的にフック軌道になりやすく、「TSi2」ドライバーは58.5度で相対的にスライス軌道になりやすいが僅かな差。
・クラブの重量はほぼ同じで「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が17g軽い。シャフト重量も「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が8g軽く全体的にゼクシオ12が軽い。
・シャフトトルクは「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー、「TSi2」ドライバーともに安定性が高い傾向。
以上のような特徴です。
いろいろな試打データ・感想もご紹介していますのでよかったらどうぞ。
【ドライバー試打】ゼクシオ12とゼクシオエックスの試打レビュー・感想【どっちが飛ぶ?】
【ドライバー試打】タイトリスト「TSi2」の試打レビュー・感想
以上、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーと「TSi2」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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