ヤマハは、2021年10月29日にヤマハのアスリート向けブランドRMXシリーズのニューモデルを発売しました。
アスリート向けブランドRMXシリーズがモデルチェンジをして「RMX VD」(リミックス ブイディー)シリーズとして生まれ変わりました。
「VD」のVは向きやベクトルを表す「Vector(ベクター)」、Dは方向を表す「Direction(ディレクション)」のそれぞれ頭文字だそうです。
この「RMX VD」シリーズでヤマハは、特に直進安定性に重要な慣性モーメントを追求しています。慣性モーメントが高いとは、誤解を恐れずに言えば「操作性は良くないが 曲がり難いクラブ」ということになります。
一方、ダンロップは「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」を2021年12月11日に発売すると発表しました。前モデルの「ゼクシオ11(イレブン)ドライバー」は2019年12月7日発売から約2年でのニューモデルの発売となります。
今回の「ゼクシオ12(トゥエルブ)ドライバー」の最大の特徴は「飛びの翼」です。この「飛びの翼」と呼ばれる「アクティブウイング」についても紹介していきます。
「RMX VD59」はアスリートモデルとしつつもやさしさも兼ね備えたモデル。「ゼクシオ12」は真向からやさしさを追求しています。
両者のスペックはどのように異なっているのでしょうか。
今回は、「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12」ドライバー比較してみたいと思います。
ゼクシオ12アイアンはこちらで紹介しています。
【アイアン編】ゼクシオ12(トゥエルブ)とゼクシオ11(イレブン)アイアンの違いを比較【たわみで初速アップ】
また、ゼクシオ12と同時にゼクシオのアスリートモデルとも言われる兄弟クラブの新「ゼクシオエックス」がリリースされています。
【ドライバー編】新ゼクシオエックス(2021年モデル)と前作(2019年)との違いを比較【エックスも飛びの翼】
【2021年モデル】ゼクシオエックスとゼクシオ12との違いを比較【ドライバー・アイアン】
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
「RMX VD59」ドライバーの特徴をご紹介
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーの売りとなる特徴とは
「RMX VD59」の主な特徴を簡単にご紹介します。今回はたくさんの見どころがあります。
RMX VDウェイトシステム
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーの圧倒的な直進安定性を生み出す新機能として「RMX VDウェイトシステム」を搭載しています。
RMX VDウェイトシステムの特長1
どのようにウエイトを調整しても一定の慣性モーメントを実現しています。
変わらない大慣性モーメント「圧倒的な直進安定性」
ヤマハ独自の新システムは、ウェイト位置を調整しても慣性モーメント(VDドライバーは5,003g・㎠、VD59ドライバーは5,820g・㎠)が変化しないから、どのポジションでも高い「直進安定性」を確保。
RMX VDウェイトシステムの特長2
重心角を調整できる幅が非常に広いです。つかまり易いセッティング、つかまりすぎないセッティングなど自由自在です。
変えられる幅広い重心角「スクエアインパクト」
VDドライバーが26.5°~31°、VD59ドライバーは30.5°~36.5°。2モデルで10゜の重心角調整ができ、あらゆるドライバーの重心角ほぼ全域をカバーする。ボールのつかまり過ぎを抑えたい人も、しっかりつかまえたい人も自分のスイングに最適な重心角(つかまり)でスクエアインパクトが実現できる。
クラウン形状とフェースデザイン
クラウン形状とフェースデザインにも改良を加えています。
感性を科学し「飛ぶところで打てる」を実現
ゴルファーは無意識下でヘッド高さの中央だと認識した部分で打とうとする傾向がある。ヤマハはそこに着目し、無意識下で認識する部分と、「最も飛ぶところ(最適打点)=フェース中心やや上部」が一致するように、クラウン形状とフェースデザインを設計した。
(出典:ヤマハ公式HPより)
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの特徴をご紹介
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」の売りとなる特徴とは
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」の主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の大きな特徴は「アクティブウイング」と「リバウンドフレーム」の2つです。
順番にご紹介します。
ActivWing アクティブウイング
今回の最大の特徴「飛びの翼」です。
「アクティブウイング」とは、高初速を生み出す「空力コントロール」のための新テクノロジーです。空力コントロールによりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑えます。
ダウンスイング前半の空力をコントロールすることでヘッド挙動を安定させるテクノロジー。
打点のバラつきを抑えるだけでなく、適正なフェース角へ導くことで
パワーを逃すことなくインパクトを迎える新発想のヘッド構造。
REBOUND FRAME リバウンドフレーム
このテクノロジーは、剛性の低・高エリアを交互に配置して大きなたわみを生むというものです。
高反発を生み出す「たわみの進化」です。
スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されています。
オフセンターショットに強いカップフェースを採用したゼクシオ独自の「REBOUND FRAME」。
「軟・剛・軟・剛」の4層構造がさらに大きなたわみを生み出し、反発エリアの拡大を実現。
飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー
その他にも、前作ゼクシオイレブンから搭載された「ウェイト・プラス・テクノロジー」をはじめ、「飛距離と振りやすさを追求するクラブテクノロジー」が数多く盛り込まれています。
前作の発売時、開発者は、この「ウェイト・プラス・テクノロジー」を「今回の核となる技術」と言っていました。
(出典:ダンロップ公式HPより)
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバー
圧倒的直進性をすべてのゴルファーに
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー
やさしく振れて、クラブに任せて飛ばす
やさしく、高弾道で大きな飛び
ゼクシオ 12 ドライバー
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは、今回の目玉である高い慣性モーメントによる直進性を強調しています。
ゼクシオ12ドライバーは、やさしく高弾道を強調しています。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まずヤマハ「RMX VD59」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:ヤマハ公式HP
赤を基調としたデザインです。ヤマハはバイクなども作っていますし、さすがかっこいいデザインです。
そして「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインとなりました。
出典:ダンロップ公式HP
一目でゼクシオとわかるデザインです。前作の雰囲気を継承しているようにも感じます。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずはヤマハ「RMX VD59」ドライバーから、
出典:ヤマハ公式HP
赤いラインが入ったデザインです。レッドがスポーティな感じがします。
「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:ダンロップ公式HP
「飛びの翼」が見えます。こちらは前作ゼクシオイレブンとは大きく違っています。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーのスペックを比較
さて、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
ロフト角「10.5」シャフトの硬さはヤマハ「RMX VD59」ドライバーは「SR」、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは「R」です。
項目 | ヤマハ「RMX VD59」ドライバー | 「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.5(±1)/10.5(±1) | 9.5,10.5,11.5 |
ライ角(°) | 59(59.75、60.5) | 59 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.5 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 297 | 282 |
シャフト重さ(g) | 53 | 36 |
シャフトトルク | 5.0 | 6.6 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D2 | D4 |
ロフト角
ロフト角は、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは9.5度と10.5度、11.5度、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは9度と10.5度が用意されています。
ゼクシオは、ボールを高く上げたい方のために11.5度を用意しています。「RMX VD59」の方は調整機能、いわゆるカチャカチャがついていますのでロフト角も調整可能です。
ライ角
ライ角は同じです。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは共に59度です。
59度というセッティングは、一般的な他のドライバーと比較しますと、ややアップライトよりのセッティングでフック軌道になりやすいセッティングと言えます。
これも「RMX VD59」ドライバーの方は調整可能です。
クラブの重さ
クラブの重量はヤマハ「RMX VD59」ドライバー297g、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは282gです。
さすがにヤマハ「RMX VD59」ドライバーの方が15g重いです。
シャフトの重量を見てみますとヤマハ「RMX VD59」ドライバーは53gと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーが36gとなっています。
シャフトもヤマハ「RMX VD59」ドライバーの方が17g重いということになっています。
重量の差はシャフトからきていることがわかりますので、ヘッド自体はゼクシオの方が重たいセッティングです。ここは今回のゼクシオ12の特徴で非常に興味深いです。
シャフトは、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーはDiamana YR、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」はゼクシオ MP1200 カーボンシャフトで比較しています。
クラブは、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーの方が少し短いです。
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーはD2、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーがD4となっています。
シャフトトルク
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは5.0、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは6.6となっています。
大きく違くところです。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーよりも「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が大きい値です。
つまり、相対的にヤマハ「RMX VD59」ドライバーの方が少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため相対的に操作性が高いと言えます。
一方、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーは手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強いということになります。
シャフト調子
シャフト調子はヤマハ「RMX VD59」ドライバー、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーともに中調子となっています。
両者とも中調子でということで、タメも作りやすくヘッドも走る万人向けのセッティングと言えます。
バランス
バランスはヤマハ「RMX VD59」ドライバーはD2、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーはD4となっています。
つまり「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方がヘッドが効いている、重く感じるということになります。
まとめ ~ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー~
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは「RMX VDウェイトシステム」によりどのようなセッティングでも安定した直進性を実現
・「ゼクシオ12(トゥエルブ)」は、新テクノロジー「 アクティブウイング」を搭載し、高初速を生み出す「空力コントロール」によりヘッド挙動を安定させ、打点のバラツキを抑える。
・さらに「ゼクシオ12(トゥエルブ)」は、スリクソン「ZXシリーズ」(松山英樹選手使用)のドライバーにも搭載されている「リバウンドフレーム」テクノロジーを搭載し、「たわみの進化」により高反発を生み出す。
・ライ角を見るとヤマハ「RMX VD59」ドライバー、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバー共に59度、フック軌道になりやすいセッティング。
・クラブの重量はヤマハ「RMX VD59」ドライバーの方が15g重く、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーよりも重いが、ヘッド自体はゼクシオの方が重い。
・シャフトトルクについて、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは操作性がよく、「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの方が相対的にミスに強い。
ヤマハ「RMX VD59」ドライバーは、直進性を重視をうたいつつも、やはりアスリートモデル。ゼクシオと比較すると操作性がよいです。カチャカチャがついてセッティングを変えられるのもいいですね。
以上のような特徴ですが、実際に打ってみて自分に合っているかどうか、クラブを気に入るかどうかということが最も大切ですね。
以上、ヤマハ「RMX VD59」ドライバーと「ゼクシオ12(トゥエルブ)」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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