プーマジャパン(株)からCOBRA Golf(コブラゴルフ)の新製品、初速性能と安定性を追求した「キング LTDx」シリーズのドライバーが2022年3月12日に発売です。今回の「LTDx」シリーズは2016年に発売された「LTD」シリーズに由来します。
COBRA Golfは、19-20年、20-21年シーズンの2年連続の平均飛距離1位に輝いたブライソン・デシャンボー(米国)選手が契約していることで有名です。
今回のドライバーのラインナップは以下の3種類です。
・KING LTDx:スタンダードモデル
・KING LTDxMAX:つかまりのよいドローバイアスモデル
試打レビューのご紹介はこちら
コブラ「KING LTDx」の試打レビュー・感想
一方、テーラーメイドゴルフは2022年の最新モデルとなる「STEALTH」(ステルス)シリーズのドライバーを2月4日に発売しました。今話題沸騰のドライバーです。
今回はクラブのフェースにカーボンを採用したことで話題を集めています。
キャッチコピーは、『新しい“カーボンウッド時代”が始まる』です。テーラーメイドは1年前、2021年2月にSIM2(シムツー)ドライバを発売していました。前作のSIMの好評ぶりを受けての後継モデルでした。
ステルスの3種類ドライバーは以下の記事でご紹介しています。
ステルス、ステルスHD、ステルスプラスの違いとは?
試打レビューのご紹介はこちら
STEALTH(ステルス)の試打レビュー
今回は、標準的モデルの位置づけの「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの2モデルの比較で検討してみます。
クラブを購入される際に参考になれば幸いです。
コブラ LTDxドライバーの特徴をご紹介
まずは、コブラ LTDxドライバーの全般的な特徴をご紹介します。
今回の主な特徴は以下の4つです。
・H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジー
・マルチマテリアル・シャーシ
・CNC ミルド インフィニティフェース
パワーコア・テクノロジー
低スピンと高初速を両立するテクノロジーです。
高初速をもたらす低重心と安定性ドライバー
パワーコア・テクノロジー、マルチマテリアルウェイトシステムは、スチール、チタン、アルミニウムの複数素材で構成されたウェイトで、ヘッド前方の低い位置へ配置することで、低スピンと高初速を両立し、最大限の飛距離を実現しました。
H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジー
AI設計のフェースで全体での反発性能を高めています。
H.O.T フェースデザイン
H.O.T (Highly Optimized Topology) フェーステクノロジーは、フェース全体を 15 のポイントに分割し、AI を駆使して、それぞれのポイントを戦略的な厚さで設計し、フェース全体のより広い範囲で反発性能が高まり、ボールスピードを向上させます。
マルチマテリアル・シャーシ
カーボン素材を増量し軽量化することでウエイトの配置を改善しています。
より軽く頑丈に設計
クラウンとソールに装着するカーボン素材の量を 20% 増量し、より軽量で安定したシャーシを採用したマルチマテリアル構造です。この新しい設計により、軽量化しパワーコアの低い位置と前方にウエイトを配置する事ができ、スピードを向上させることができます。
CNC ミルド インフィニティフェース
最新のコンピューター制御の削り出しで仕上げたフェースは、正確で美しい仕上げを実現しま す。またクラウン側の削り出し開始部分の見直しを行い、構えやすさが向上しました。
(出典:コブラゴルフ公式HPより)
「STEALTH」ドライバーの特徴をご紹介
「STEALTH」ドライバーの主な特徴を簡単にご紹介します。
今回の特徴は以下の4つです。
・ナノテクスチャーPUカバー
・高慣性モーメント化
・イナーシャ ジェネレーター
60層のカーボンフェース
今回の最大の特徴です。フェースが金属からカーボンになりました。
フェースの軽量化を始め、さまざまな改良が施されています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」はチタンの43gから24gとなり、チタンフェースと比べて40% ¹の軽量化に成功。その一方で、SIMドライバーよりもフェース面積を20% 拡大させ、寛容性を強化した。複雑な構造からなる60層のカーボンを精巧に重ね合わせることで、高い強度と大きなたわみを両立し、新次元のエネルギー伝達をもたらす。その結果、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現する。
¹ 同サイズのチタンニウムフェース比較(当社調べ)
ナノテクスチャーPUカバー
フェース全面に特殊なコーティングを施しています。これにより最適なスピン量を可能にします。
フェース全面にナノレベルの精巧なポリマーコーティング(PU)を施すことで、どうような状況下においても最適なスピン量を可能にし、飛距離を生み出す。
高慣性モーメント化
カーボンフェースによる軽量化で、軽くなった分の重量を配分し低・深重心化を図っています。
新たに開発された「60層のカーボンフェース」によりヘッドの軽量化に成功。その余剰重量をヘッド後方のバックウェイト周辺を重くすることで低・深重心化を実現し、高慣性モーメント化による寛容性向上を実現する。
イナーシャ ジェネレーター
テーラーメイドのアイデンティティでもあるドライバー形状の特徴です。SIM2にも搭載しています。
ヘッド後方に重いウェイトを設置した「イナーシャ ジェネレーター」が寛容性アップに貢献。さらに、フェース面の拡大により、寛容性を高めながらも空気抵抗を減少させ、ダウンスイングのスピードアップを実現する。
貫通型スピードポケット
テーラーメイド独自の貫通型スピードポケットにより、フェース下部で打ってしまったミスヒットにおいても無駄なスピンを抑えてボール初速維持に貢献。
出典:テーラーメイド公式HP
「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの比較
クラブのコンセプト
「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーは以下のようなコンセプトとなっています。
「KING LTDx」ドライバー
LTDx ドライバーは、高初速をもたらす低重心と安定性の究極の融合です。初めて ZERO CGna (究極の低重心)と5,000 以上の慣性モーメントを達成し、他に類を見ないドライバーを作り上げました。高弾道で大きく飛ばすとともに、抜群の安定性も両立しています。
「STEALTH」ドライバー
ようこそ、カーボンウッドの時代へ
「KING LTDx」ドライバーは、究極の低重心と高い慣性モーメントによる飛びと安定性の両立です。
「STEALTH」ドライバーは何といっても「カーボンフェース」です。
デザイン比較
ソール側のデザイン比較
まず「KING LTDx」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:COBRA Golf公式HP
黄色と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。モデルによりウエイトの位置が異なりますが、「KING LTDx」はウエイトが後方に配置されています。
そして、「STEALTH」ドライバーはこのようなデザインです。
出典:テーラーメイド公式HP
赤と黒を基調としたスタイリッシュなデザインです。形状はSIM2と似ています。
次に上から見たヘッドの形状を見てみましょう。
上から見たヘッドの形状
まずは「KING LTDx」ドライバーから、
出典:COBRA Golf公式HP
上から見ると2本ラインがあるのが特徴です。コブラゴルフの「C」マークも見えます。
そして「STEALTH」ドライバーです。
出典:テーラーメイド公式HP
上から見るとカーボンフェースの赤が際立っています。スッキリとしていてSIM2とはイメージが変わった印象です。
「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較
さて、「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーのスペックを比較してみましょう。
より分かりやすく単純化するために、シャフトの硬さは「SR」のもの同士で比較します。
項目 | 「KING LTDx」ドライバー | 「STEALTH」ドライバー |
---|---|---|
ロフト角(°) | 9.0,10.5,12.0 | 9.0,10.5,12.0 |
ライ角(°) | 58.5 | 56 |
ヘッド体積(cc) | 460 | 460 |
クラブ長さ(インチ) | 45.75 | 45.75 |
クラブ重さ(g) | 293(推定値) | 300 |
シャフト重さ(g) | 52.5 | 55 |
シャフトトルク | 5.6 | 4.7 |
シャフト調子 | 中調子 | 中調子 |
バランス | D1 | D3 |
ロフト角
ロフト角は、「KING LTDx」ドライバーは9度、10.5度、12度(調整機能有)が、同じく「STEALTH」ドライバーも9度、10.5度、12度(調整機能有)が用意されています。
ライ角
ライ角は大きく違います。
「KING LTDx」ドライバーは58.5度でアップライト、「STEALTH」ドライバーは56度でフラットライトです。
ライ角の基本に従うと「KING LTDx」ドライバーはフック軌道になりやすい、一方「STEALTH」ドライバーはスライス軌道になりやすいと言えます。
クラブの重さ
クラブの重量は「KING LTDx」ドライバー293g(推定値)、「STEALTH」ドライバー300gです。
推定値での比較ですが、「KING LTDx」ドライバーの方が7g軽いです。
シャフトの重量を見てみますと、「KING LTDx」ドライバーが52.5g、「STEALTH」ドライバーは55gとなっており、シャフトは「KING LTDx」ドライバーが2.5g軽いです。
シャフトは以下のもので比較しています。
「KING LTDx」ドライバー:SPEEDER NX for Cobra
「STEALTH」ドライバー:TENSEI RED TM50
ヘッドとシャフトの重さはバランスにも関係してきます。バランスの部分でご紹介しますが、「KING LTDx」ドライバーがD1、「STEALTH」ドライバーはD2.5となっています。
シャフトトルク
シャフトトルクは大きく異なります。
「KING LTDx」ドライバーは5.6、「STEALTH」ドライバーは4.7となっています。「STEALTH」ドライバーよりも「KING LTDx」ドライバーの方が大きな値です。
つまり、相対的に「KING LTDx」ドライバーの方が、手を動かしてもヘッドはブレにくいため安定性が高くミスに強い、「STEALTH」ドライバーの方が、少し手を動かすとヘッドが敏感に反応するため操作性が高い、ということになります。
シャフト調子
シャフト調子は「KING LTDx」ドライバー、「STEALTH」ドライバーともに中調子となっています。タメも作りやすく、ヘッドもある程度走る万人向けのセッティングといえます。
バランス
バランスは違いがあります。
「KING LTDx」ドライバーはD1、「STEALTH」ドライバーはD3となっています。「KING LTDx」ドライバーの方がヘッドを軽く感じるということになります。
まとめ ~「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバー~
「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
私見ですが、カタログからわかるいくつか比較のポイントをまとめてみました。
・「KING LTDx」ドライバーはパワーコア・テクノロジーにより低重心を実現し、H.O.T フェーステクノロジー反発性能を高め、マルチマテリアル・シャーシでウエイトの配置を改善し、高弾道で大きく飛ばすとともに、抜群の安定性も両立。
・「STEALTH」ドライバーは、今回最大の特徴である「カーボンフェース」を採用し、フェースのより広い範囲でボール初速が高まり、これまでよりも優れた飛距離性能と寛容性を実現。
・ライ角は「KING LTDx」ドライバーは58.5度で相対的にフック軌道になりやすく、「STEALTH」ドライバーは56度で相対的にスライス軌道になりやすい。
・クラブの総重量は、推定値での比較となるが「KING LTDx」ドライバーの方が7g軽い。シャフト重量は「KING LTDx」ドライバーの方が2.5g軽い。
・シャフトトルクは「KING LTDx」ドライバーは5.6で安定性が高い傾向、「STEALTH」ドライバーは4.7で操作性が高い傾向。
以上のような特徴です。
実際に「KING LTDx」ドライバーを試打してみましたが、飛距離が伸びました。
【ドライバー試打】コブラ「KING LTDx」の試打レビュー・感想【COBRA Golf 2022年モデル】
以上、「KING LTDx」ドライバーと「STEALTH」ドライバーの違いをまとめてみました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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