グリーン周りのアプローチに使うクラブ。
『1本のウェッジに絞る』と『複数本のウェッジを使い分ける』のどちらが良いのか、悩んだことありませんか?
簡単に結論付けるのであれば「自分に合いやすい方」となってしまうのですが、それでは大雑把で感覚的すぎるので、今回はそれぞれの「メリット」「デメリット」を明記した上で、最後に結論付けたいと思います
『1本のウェッジに絞る』場合
ウェッジを1本に絞るということは、言い換えれば、『様々な局面に対して1本のクラブを駆使して対処する』ということです
つまり1本のクラブを自在に操る技術が必要ということになります
どちらかと言えば「上級者向き」の選択と言えるでしょうか
ちなみに、どのクラブを1本チョイスすべきかという点についてですが、一般的には球を低く転がすよりも高く上げる方が難しいですから、元々球が上がりやすいSWなど「56度~のハイロフトのクラブ」を選択するのが最良と言えます
ウェッジ1本のメリット
- 「クラブを選択する」という行為自体が無くなるので、「どっちのクラブでも打てる」という状況で悩むことが無くなる
- クラブにはそれぞれ「軽い/重い」「上がりやすい/上がりにくい」などの特性がありますが、その「クラブの特性に応じた打ち方をする」といった煩わしさが無い
- 「手首を柔らかく使う」「ロブショット」「スピンを利かせる」などテクニカルに打ちたい場合は、1本に絞っておいた方がミスが出にくい
- 1本を集中的にやればよいので練習効率が良い
- グリーン周りに持っていくクラブが少なくて済む
ウェッジ1本のデメリット
- ランを出したい時はロフトを立てる必要があるため、リーディングエッジから地面に刺さってしまうザックリの危険性がある
- ロフトを立ててしまうとバンスを利かせて打つことが難しくなる
- トップした時のケガが大きい。(同じ距離を打つにしてもハイロフトのクラブの方が力を必要とする分、トップした時により遠くに飛んでしまう)
『複数本のウェッジを使い分ける』場合
ウェッジを複数本使うということは、言い換えれば、『様々な局面に対してそれに応じたクラブを選択して対処する』ということになります
つまり、クラブ選択の能力が必要とされるものの、ある程度同じ打ち方で対応できるということです
どちらかと言えば「初級者向き」の選択と言えるでしょうか
ウェッジ複数本のメリット
- 最小限の力・振り幅で振れるので、ミスしにくく、ミスした時のケガも少ない
- 打ち方のバリエーションが少なくても良い
- 無理にロフトを立てる必要がないので、バンスを使いやすい
- 例えばハイバンスウェッジやチッパーといった、苦手なシチュエーション攻略に特化したクラブ構成をすることが出来る(=弱点をクラブでカバー)
ウェッジ複数本のデメリット
- キャリーとランの比率がクラブ毎に異なるので、それぞれの距離感や球筋を把握しておく必要がある
- クラブの長さ重さやバンス角などの特性がクラブ毎に異なるので、それぞれの感覚を掴んでおく必要がある
- それぞれのクラブ毎に練習量が必要という観点から、練習効率が悪い
- グリーン周りに行く際に沢山クラブを持っていく必要がある
距離感について
続いて距離感に注目して考えると、次のような違いがあります
- ウェッジ1本の場合は、振り幅や力感で調整
- ウェッジ複数本の場合は、クラブ毎の飛び性能+振り幅や力感で調整
この辺はどちらがやりやすいか好みにもなりますが、
ウェッジ1本の場合は、その1本に集中すればよい反面、どの程度振ったらどのくらい飛ぶかといった繊細な感覚が必要とされます。また、距離が必要な場合にはそれなりに振る必要性が出てきます
ウェッジ複数本の場合は、同じ力感でも距離を打ち分けられる反面、クラブそれぞれの距離感やキャリー・ランの割合などを把握しておく必要があります
まとめ
最後に簡潔にまとめると以下のようになります
- ウェッジ1本 = クラブを固定して、技術で対応
- ウェッジ複数本 = 打ち方(技術)を固定して、クラブ選択で対応
どちらが良い悪いということではなく、どちらのタイプか自分に合うかということです
・『クラブを1本に絞ってあとは自分の感覚でアプローチしたい』
・『上げたり転がしたりをクラブ1本でテクニカルにこなしたい』
・『同じ振り方でクラブを変えるだけで球筋をコントロールしたい』
・『ダフったりトップしてしまった時のミスを最小限に抑えたい』
プロレベルの方は『ウェッジ複数本』×『技術』という沢山の引き出しの中からショットを選択しているわけですが、アマチュアでそこまでの技術レベルを修得・維持するのはなかなか至難です
よって、今回のテーマのようにクラブ本数または打ち方をある程度絞って精度を上げていくのが、ミスを減らし、ひいてはアベレージスコアを上げるコツといえます



